2012年08月15日

幸福記念日?

今日は日本からお見えになったお客さま家族、オークランド戦争記念博物館を訪問して頂いた。元々は第一次世界大戦の欧州戦線で亡くなった兵士の記念で作られた博物館。

 

現在は数年前の大改装を経てニュージーランドの古代の歴史からマオリの上陸、イギリス人の移住、1840年のワイタンギ条約などの貴重な資料がある。

 

同時に自然博物館としても見所があり、太古に恐竜がいたとかモアのレプリカとか南太平洋に生息する動物の生態とかも勉強になる。

 

建物は1920年代に作られた大理石のどっしりとした作りであり、3階に上がると大理石に直接彫り込んだ戦争の死者の名前を見ることが出来る。マオリ戦争、ボーア戦争、第一次世界大戦、第二次世界大戦を経てマレー戦争、ベトナム戦争、国連派遣軍と、今も海外派兵をしている。

 

先週もアフガニスタンでキーウィ兵士が2名戦死して6名が負傷する事件があったが、それで国内世論が「何故キーウィがアフガニスタンで死なねばならないのか?」という議論にはならず、それは国連の一員として当然の責務であると考えている。ただし国連主導でない場合は米国が戦争に行くからと言って一緒に付き合うような真似はしない。

 

ニュージーランドは基本的に回りが海に囲まれて領土紛争もなく一番近い豪州とは仲良い関係であり国内にテロリストもいない。すべての宗教を受け入れておりイスラム対キリスト教のような争いもない。

 

とくに第二次世界大戦の戦争資料はいわゆる連合軍からの視点で日本軍やドイツ軍の資料を並べているが、それは「憎き敵」という感じではなく戦争で敵となったが相手に一定の敬意を払っている。第二次世界大戦の部屋の入口には当時の各国の首相や大統領の写真と彼らの肉声があり、東条英機の声を聞くことも出来る。

 

ニューギニアで戦後確保されたゼロ戦も復元されており資料としても一級である。そこには原爆で傷ついた子供たちの写真もある。そして部屋の一番最後には日本の降伏文書(コピー)がある。戦艦ミズーリ艦上で書かれた各国代表の署名を見ることもできる。日本ではなかなか見ることの出来ない資料だ。

 

8月15日は終戦記念日。長い戦争が終わり日本に平和が訪れた日でもある。その後米国による占領政策がどうであったかとは今日のテーマではない。あくまでも殺し合いが終わったという意味で平和記念日でもある。あと数ヶ月遅かったら親父はニューギニアで死んでたかもしれないし、そう考えれば幸福記念日だ。

 

マッカーサー連合国軍最高司令官の演説はよく出来た内容だと思う。戦勝国だと威張らず相手の尊厳を守りながら、昨日の敵を今日の友としてこれからは仲良くしていこうという内容だ。

 

せっかくの平和記念日なのでマッカーサーの演説を下記にコピーしておこう。降伏文書に署名した一員にニュージーランドもある。お前に負けたわけではないぞと言いたい中華民国の署名もある(苦笑)。

 主要交戦国の代表たるわれわれは、平和を回復すべき厳粛なる協定を締結するためこの場所に集まった。相異なる理想とイデオロギーとをめぐる相剋は、世界の戦場においてすでに決定されたのである。従っていまさら改めて議論し討議する必要はない。更にまた全地球上民衆の大部分を代表するわれわれは、相互不信、悪意或いは憎悪の精神をもってここに集まったのでもなく、むしろ戦勝国もまた敗戦国もともに、われわれが関与せんとしている神聖なる目的に添い得るただ一つのより高き威厳に向かって立ち到ることこそ、われわれの意図するところである。

 われわれ各国民のすべては、この場所で正式に引き受けようとする事業の責任をなんらの留保もなく忠実に担当する。この厳粛なる式典を機会として、過去の流血と蛮行からよりよき世界一一信頼と諒解との上に築かれる世界一一、人類の尊厳並びに人類の最も希求する願い、すなわち自由、寛容及び正義の実現のために捧げられた世界が打ち樹(た)てられることこそ、余の最大の望みであり、まさにこれこそ人類の望みである。

 

 日本帝国軍隊の降伏の決定さるべき条項並びに条件は、諸君の前にいま提示された降伏文書の中に含まれている。連合国の最高司令官としての資格をもって、余が代表する諸国の伝統のもとに正義と寛容とをもって余の責任を果たし、一方降伏条件が完全急速かつ忠実に遵守されるようあらゆる必要な処置をとることこそ、余の固き意図であることをここに声明するものである。

 

 余はここに日本天皇陛下、日本政府並びに日本帝国大本営の代表に対して、降伏文書の所定の箇所に調印することを求めるものである。(194593日・毎日新聞)

★終了



tom_eastwind at 12:32│Comments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

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