2012年08月20日

キムチとニラと納豆と

うちの奥さんは香港人であり飛行機と机以外は大体何でも食べる人種なので(笑)毎日の食材に困ることはない。むしろ福岡発の豚骨スープにご飯を放り込んででお粥にしてみたり面白い食べ方を教えてくれるので楽しい。

 

その奥さんがあまりキムチを食べない。「美味しくないの?」って聞くと「まあまあかな」つまり彼女の感覚ではあえて食う必要なしって事だ。けど焼肉はdaisukiで、近くの食材店で買ったオーガニックの牛肉を綺麗に捌いてから韓国ショップで買った無煙バーベキュー台を使って屋内で料理している。

 

これさ、部屋が油っぽくなるんだよね、おまけに着てる服とかもさ、そう思っても家庭内の力関係で月に2〜3回は焼肉を要求される(苦笑)、家庭では弱いな日本人って感じだ。

 

焼肉は週末に限定しているのは唯一の僕の抵抗。平日からにんにく臭い息をして接客が出来るわけもないのだが、このあたりは奥さんは何とか納得してくれる。

 

そんな奥さんがどうしても耐えられない味があるのが納豆だ。ぼくが健康に良いからと納豆を買って朝ごはんで食べたりすると、最初は何もない顔をしているが、そのうち本当に鼻を押さえて「ねえ、お父さん、それってどうしても食べなくちゃいけないの?」と聞いいてくる。

 

「いや、絶対とは言わないけどそんなに臭くもないしいいじゃん」というと奥さんほぼ我慢の限界を通り越した顔で「死人の頭!(広東語の怒声です)」と怒り出す。

 

ましてやぼくが家族のいない時に納豆食ってパックをゴミ袋に入れてると、家に帰った奥さんがまさにカウンターパンチを食らったような顔で鼻を押さえて「お願いっだから二重のパックにして捨ててよね」という。そんなに臭いか〜。

 

ところがその奥さん、自分ではしょっちゅう“韮=にら”を買って来て料理している。この匂いが、あ、うちはダイニングキッチンなのでキッチンの匂いがそのままテーブルとリビングに届く、こりゃ臭い!そう言うと奥さんはけろっとした顔で「匂いなんかしないじゃない〜」って答える。

 

同じ東北アジアの地域で生活しながら、食い物の匂いの感じ方とか好き嫌いだけでもこれだけ違うのかと思う毎日。ここにりょうまが入ってくると、あいつはキーウィ生活が染み付いてるから「芋持って来い!ステーキはどこだ〜!」となる。国際家庭の面白い一面である。

 

あなたは何処の国の人ですか?

★抜粋開始

沖縄出身の思想家、友利雅人は少年時代に「あなたは何処の国の人ですか?」と問われると困惑して声が出なかったという。「そのときにまず最初にあらわれてくるのは、よくわからない、という意識であった。わたしたちにとって質問じたいの意味が、非常に不明ようで漠然としていたことはたしかである」(新沖縄文学28号1975年4月29日)

★抜粋終了・日経ビジネス8月6−13日合併号より

 

沖縄は多くの日本人が「日本固有の領土」と思うかもしれないが、歴史的に見ると元々は独立国であり薩摩藩の時代に併合して現在に至っている。だから沖縄人が自らの意志で日本から離れて独立することもあり得る。

 

沖縄返還の際には沖縄人が「これで日本に戻れる」と言ったが実際に返還されてみると本土の食い物にされた。基地は沖縄に集約されて海洋博では本土の土建会社だけが儲けて祭りの後の海洋博記念公園近くには廃墟となった宿泊施設が並んでいた。

 

古い話であるが沖縄から集団就職で大阪の工場で働き始めた若者たちが寮生活をしている時、朝食の味噌汁に味気がないためにバターを溶かしていれた。すると料理を作ってたおばさんたちが「またオキナワが汚い食べ方している」と文句を言った。片方では日本の領土に組み入れようとして片方では沖縄人を差別していた日本。

 

当時は社会党も強くて日本を振り回すために沖縄問題を取り上げて政府から裏金を受け取り、結局儲けたのは労働貴族、つまり組合幹部だけであった。

 

沖縄問題に取り組んでいた作家が沖縄に住んでいた頃の話だ。ある時いつも届くはずのヤクルトが玄関の箱に入ってなかった。翌日やってきたヤクルトおばさんに「昨日入ってなかったよ」というとふーっとため息をついて「何本欲しいんですか?」と聞いて翌日からは配達に来なくなった。

 

本土人が自分たちの儲けだけの為に沖縄を利用して補助金漬けにして補助金で作る建物は本土企業が請負い結果的に金は東京に還流して沖縄は日本で最も貧しい県の一つになっていた。

 

それでも沖縄の人々の幸せ度は高い。これからの沖縄は成長していく。もし沖縄が「こんな日本とは付き合いきれん」と独立するとなったら日本政府は軍隊を送り込んで阻止するだろうか?

 

もちろん何処の国もそれぞれに歴史的な民族問題がある。朝鮮半島は南北に分断されているし韓国の中でも光州や済州島は差別されている。中国などはチベットなど火種だらけである。

 

現在の国境線は様々な歴史の中で移動しており、戦前の韓国や台湾は日本領土であった。それは欧州でも同様であり特に陸続きの東欧では王様が年中戦争をしてその度に国境線が変わったし第一次世界大戦後も「領土返還」とかで、要するに勝った方が土地を自分のものにしていた。

 

だから東欧の人々は自分の出自を説明する時におじいちゃんの代まで戻れば数カ国の血統が続いているなんてごく普通だ。偶然にも日本は純血主義が連綿として続いてきたが、それでも過去を辿れば半島や中国からやってきた人間の方が縄文人よりも圧倒的に多いだろう。

 

現在の国境がどうなっているかを国家として考える事は国益として大事だが、国境や国籍や人種を混ぜこぜにした議論になってしまえば話は全然違う方向にいってしまい「おまえの母さんでーべそ!」レベルのガキの喧嘩に成り下がる。

 

りょうまくんのような立場の人間からすれば「国境?それって食えるのか?」程度だと思う。いろんな先祖の血と環境が混ざって出来上がったのが今のりょうまくんであり、彼は日本人でも中国人でも香港人でもなくアジアンキーウィだ。だから「あなたは何処の人ですか?」と聞かれればアジアンキーウィと答えるだろう。

 

国籍や出生地は「ついで」の話であり日本人が他人の血液型を聞くよりも「大したことのない話」になっていく時代が来ている。小さな話に拘泥して大局を見なければ将来苦労するのはあなたの子供だ。



tom_eastwind at 13:36│Comments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

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