2012年10月05日

転職できる仕事

昨日の地元ニュースでオークランドに電力を供給しているハントレー炭鉱で労働者約105名に対して職場待機命令が出た。そのうち63名が解雇になる予定だ。誰が解雇されるか分からないがハントレー炭鉱は発展を続けるオークランドに電力供給をしており経営は順調である。

 

今回は今まで24時間操業を行なっていたのを技術進歩による操業時間短縮により人件費削減でさらなる利益追求をして株主への配当を増やすというべきか、このあたり株主最優先が経営陣の使命であり一般国民である株主に安い電気や配当を提供する考え方が目立つ。

 

日本だと企業は自社の利益を削ってでも無駄な雇用を守りこれが社内失業者を増加させて欧米に比較すると企業の利益率のゼロが一桁違う状況を生んでいるのだが、欧米ではここはドライに考える。企業の利益は社会へ貢献する。その為に無駄な人件費は削減する。しかし解雇された人は社会全体で守る。

 

NZ社会では失業保障は最高65歳まで受給出来るし65歳以上は老齢年金対象なので労働者が首を切られたとしても日本のような山手線ジャンプをする必要はない。

 

そのうえ退職パック(redundancy Pack)というものがあり今回の場合は半年程度の給与は保証されてその期間に会社による再雇用斡旋も行われるだろう。これはNZでは一般的である。

 

ただここで忘れてはならないのは、鉱山労働者はそれ以外に労働力としての価値がない人が多く他の労働市場においては殆ど使い物にならず、NZ国内では炭鉱は数少ないから結果的に豪州や英国など他国の鉱山で働くか、または専門学校でゼロから何かの技術を勉強して労働市場で一番競争力のない「見習い」から再度社会に戻るかしかない。最低賃金である。

 

その意味で潰しのきかない仕事くらい年を取るに連れ辛いものはない。仕事バカってのは何となく格好良く見えるが自分を労働市場で客観評価する場合は非常に危険である。まるでディーゼル機関車時代の窯焚き職人みたいな、デスクトップパブリッシング(コンピューター入力)時代の写植工(活字を棚から拾って枠を作り新聞印刷の版とする仕事)みたいなもので、特別な技能ではあるが時代や技術が変われば全く無用となってしまう。

 

こういう時間をかけて学んだ知識をサンクコストというそうで、自分がつぎ込んだ時間と手間と勉強はすべて無駄になるのだが、それを嫌がって技術革新後も古いものを残そうとすると日本の企業内失業者やもっと多くの規模で言えば時代遅れの技術部門を残して国際競争に負けてしまうって事もある。

 

その意味ではニュージーランドのような解雇は企業が社会のものではなく個人や一部集合体のものであると明確に位置づけていることが分かる。企業は個人や一部集合体が自分の利益のために作るものであり倒産しても自己責任だが雇用を無理やり守る義務はなく、それは社会全体で補佐するものと考えている。

 

ちょっと話はそれるが米国で危機に陥った民間金融機関を国家が直接救済するという「民間企業でありながら大きすぎて潰せない」というのは本来資本主義社会ではあってはいけない矛盾した理論である。企業や個人はリスクを取ってリターンを得る。失敗すれば自己責任だ。倒産した会社は退出するしかない代わりに成功した際の利益を多く得られるのが資本主義だ。

 

日本も同様で自分の都合の良い時だけ資本主義自由経済を主張して大金を稼いでおいて失敗したら大きすぎて潰せないからと政府に守ってもらうのはリスクを取らずにリターンだけを得ようとする反社会的行為である。

 

何故なら社会全体のパイの規模は同じであればリスクを取らずにリターンを取る人間がいれば、どこかでリスクばかり背負わされてリターンが貰えない人々が出てくるからだ。それは結局人から独立自尊のやる気を奪い誰もが長いものに巻かれろになり社会の進歩が止まってしまい結局いつの日か他国に滅ぼされるからなのだ。

 

本題に戻ると西洋型の個人会社が良いのか日本型の企業は社会の公器が良いのかは難しいところだが個人に引き直して考えてみれば炭鉱夫という仕事を選んだ際にそれが転職の機会の多い仕事か、つまり現役で働いている間に身についた知識や知恵が転職の機会に役立てるかどうかである。

 

転職出来る職業、転職先でも仕える技術や知識、そういうものを個人でしっかり身に付けておくことがこれからの時代に生きていく支えになると思う。

 

About 105 Solid Energy staff will stay home today to wait anxiously for letters advising them whether they will lose their jobs.

 

The letters will be delivered to all Huntly workers after the company confirmed last week that 63 redundancies will be made at the Huntly Mine and 230 at the Spring Creek Mine. There is a separate process running for corporate support and development roles where redundancies have also been proposed.

 

Solid Energy spokeswoman Vicki Blyth said coal would not be extracted from the mine for 24 hours so workers could be notified. She said workers who received letters saying they were "tentatively" being made redundant would be consulted during the next week. The redundancies would be confirmed on October 12.

 

Brian Lynch, the union delegate for the Huntly mine, said it was probably the best way to handle the situation given the circumstances and workers who were laid-off were not expected back at work.

 

"It's best people stay at home and get their letters and they can open them at home in their own privacy. It might save a bit of embarrassment for some ... Only the people who get the jobs will show up on the Friday."

The Engineering Printing and Manufacturing Union organiser Ray Urquhart said management had the right to keep their most qualified staff and this was what Solid Energy's process was doing.

 

Ms Blyth said mine managers had been consulting employees and the EPMU to select who stayed on in the reduced number of roles.



tom_eastwind at 15:00│Comments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

トラックバックURL

この記事にコメントする

名前:
URL:
  情報を記憶: 評価: 顔