2012年10月16日

猿の惑星〜もう一つの未来

一昨日書いた事で「そこまで日本人が悪くなるはずがないじゃないか」とご意見を頂いた。もちろん悪くならないで欲しい。しかし現実は振り子の針は一旦左に行けば次は確実に右の端まで行くのだ。

 

だから日本では古くから中庸という言葉があり極端に走らない教育や道徳や社会制度があった。特に江戸時代は世界の環境も幸運だったのだが徳川政治の「世の中を安定させる現実的な政策」が効果を見せて約300年続いた。

 

ところが古代中国古典から転用された江戸時代の徳智教育が戦後教育で滅んでしまい、現在においては「俺さえ良ければいい」となり「道得」とは日ごろ道を歩く時に他人を押しのける事が「得」であると学び弱者救済のための社会制度が次々と崩壊(年金、医療、安月給の常態化、不正規採用の拡大)している現状では社会がおかしくなっていくのが物の道理だ。

 

水は低きに流れる。教育のない者は目先の感情で行動する。そして今、不正規採用が増えて給料が安く抑えこまれ結婚することが出来なくなる現状で現在の20代が本気で反乱を起こしたらどうなるのだろうか?

 

現在の社会のシステムは団塊世代という日本の中心で団結スクラムと内部競争を生き残ってきた世代であるが間もなく社会の現役から去っていく。年を取って優雅に暮らす彼らを見ながら若者が「働けど働けど猶我が暮らし楽に成らざりじっと手を見る」とLED電球の下で「じっと我が手を見る」時代がやってくる。

 

「大学は出たけれど」という戦前の日本を描いた映画も有名だがそれはすべて現実に起こった事だ。このような時代になると自然と若者が共産主義に近い考えを持つようになる。自分たちの不公平をどうにか平等にしようと勉強会を始めて行動を起こすようになる。

 

この活動はある一定線を越せば燎原の火のように広がるだろう。政府の読み違いの原因は「百姓は生かさず殺さず」五公五民にしておけばお上に逆らうことなく黙ってついて来ると考えていた点だ。たしかにそうだ、社会が安定して取り分が十分であれば明日の将来も安心出来る。なぜ安心出来る将来を棒に振って今を危険にさらすか?

 

しかし現実の不満はそんなものではないのだ。まだ見えない火口の遥か下のマグマであるが、少しづつしかし確実に沸々と煮えたぎり始めているのである。

 

非正規雇用が増加して彼らの半分近くは一生結婚出来ないという調査が最近出てきた。もしかしたら結婚出来るのは3割以下ではないかって話もある。

 

そうなると彼らは今まで描いていた「頑張ればどうにかなる」という将来が無いという現実を身にしみて理解するようになる。今はまだ目先の数字の調査であり当の本人も強い認識はないだろうが、いずれそれが肌で感じるようになると社会体制の変化を求めて行動を起こすようになる。

 

猿の惑星では地球にやってきた最初の猿は物珍しく扱われたがいつの間にか猿が人間並の知識を身に付けて自分の地位が不安定で不平等である事に気づき人間に対して抵抗を始める。

 

この場合人間とは霞が関の特権階級にいる「普通の人々」の生活を知らない役人及びその家族である。猿とは社会に出てきた当初は物珍しく扱われたフリーターであり次にニートが出てきてそれから引きこもり、次にオタク、そして非正規雇用者である。

 

彼らは発生当初は猿と同じような地位であったが次第にその数が増えて自分たちの労働の多くが一部特権階級に奪われているという現実を理解するにつれ権利の闘争段階に入る。

 

最初は低次元だろう。金がなくて結婚できない罰則としてソープランドの割引券を発行しろとか、熱海温泉で1泊1千円で泊まれる非正規雇用者専用の宿を作れとか。けど最初はバカみたいな話でもインターネットと同じであり次第にリテラシーが高まっていくとそれはもっと根源的な闘争の段階に入っていく。

 

それがまさに戦前の日本共産党が行なっていた反政府闘争であり地下運動である。今回はネットの発達で運動の拡大速度は政府が予想もしないほど早くなる。日本社会に暴動が起きて喜ぶのは韓国や中国だ。

 

これを機会に日本の反体制派を支援して日本政府を乗っ取れと思うだろう。その反対に日本の安定的平和植民地を望む米国は言えば何でも言い値で買ってくれる日本政府を支援することになるだろう。

 

この内部抗争こそ国が割れる時であり場合によっては内戦が始まる状態を招くことになる。韓国だって大東亜戦争が終了したら一つの国になると思ってたが蓋を開けたら2つにわかれて戦争をするようになった。そして誰も望まなかったし誰も想像もしなかった国家の分裂が起こった。

 

世界の歴史を振り返ってみれば、歴史がまだマグマの下で胎動している時は誰も気づかないが吹き出した時にはもう遅い。ロシア革命でさえ革命の最中でさえロマノフ王家が崩壊するなんて世の中の殆ど誰もが思っていなかった。フランス革命も同様である。

 

世の中は突然変わる。ある日、ほんのちょっとした事がきっかけでそれまでの日常生活が吹っ飛んで、全く違う時代に突入するのだ。

 

そして革命と闘争と遂には戦争まで起こし多くの国民が亡くなった後になってやっと人々は言うのだ「平和が大事だ」って。そして社会全体が平等になるように仕組みを作るのだが、それがいつの間にか制度疲労を起こしてまた数十年後に不平等社会が出来上がって格差が固定化してまた戦争になるのだ。

 

「政治は腐る、長期政治は確実に腐る」とは英国の政治家の言葉であり独裁はいつか滅びる。そして日本が間違いなく官僚の寡占支配になっており長期にわたって民主主義の名のもとに一部だけが儲かり損をしたら一般国民に押し付ける不平等がまかり通ってきた。

 

それでも過去はまだ良かった。生み出したものが多かったから取り分が少なくても絶対量が多かったから国民は文句を言わなかった。今は取り分も少なく絶対量も不足し始めているのだ。それこそ革命の第一歩なのだ。

 

徳川時代は「百姓は生かさず殺さず」で時には百姓が喜ぶ徳政を実施することでガス抜きをする知恵があった。ところが今の時代は官僚に中国古典の知識がないから100年の長期展望に立った発想が持てない。政治家は理想ばかり語り現実を見ずに間違った方向に国民を押し込んでる。

 

2015年に消費税が10%になる。マイナンバー制度も同時に導入される予定だ。相続税増税は今年か来年のうちだろう。医療改革に名を借りた「年寄りは健康保険の金を使わずに自然死しなさい」も間もなくだ。老齢年金は数年ごとに後送りをして最終的には75歳まで現役社会とか言いながら年金支給を減らす方向だ。

 

と言うことはここ数年で一気に増税と社会保障の切り捨てを行うわけでその一つの完成時期が2015年であると思って良い。そしてもちろんそれまでも給料は下がり続ける。日本のサラリーマンの給与が毎年下がり続けているのはネットで検索すればすぐに出てくる。

 

ぼくが2015年が転機になると書いているのは上記のような現実があるからだ。2020年に共産党政府が革命または選挙によって日本で設立されても僕は不思議ではない。その時に革命の嵐の刃は既得権益階級に向かうだろう。

 

中国でもロシアでも起こった事が日本で起こる。一部の腐敗官僚だけでなく官僚制度そのものが襲撃の対象となりお金を持っているだけで反社と呼ばれて政府に没収されて逆らえば殺されるようになる。

 

最終的には一時期のロシアのようにすべての社会活動を国家が運営する「完全に平等」で「完全に公平」で「誰もが飯を食える生活」と「誰もが無料で教育と医療を受けられ」て「国家の愛によってすべての国民は老後を働かなくても良いように保障され」て、まさにビッグブラザーの時代になる。

 

何度も書くがもちろんこれは仮定である。しかし今まで世界で繰り返し起こった事実を基礎とした未来の一つのカタチである。起こるかもしれない。起こらないかもしれない。けれどそれは猿が地球を支配する確率よりは間違い無く高い。笑って済ますもよし猿の惑星を観るのも良し、けれどここから先は自分で判断するしかない。



tom_eastwind at 15:03│Comments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

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