2012年10月17日

中国人と呼ばないで

月曜日は久しぶりに香港の行きつけのお店に飲みに行く。行きつけのお店は香港と華南地方に駐在する日本人向けのカラオケバーで、地元の情報が一番集まるところ。

 

定点観測が言い訳なのか(笑)単純に飲むのが好きなのか(苦笑)は置いといて、実務的にも現地で生活をする香港人の生の声を日本から来た学生や地元香港人で日本語が出来る女の子がアルバイトで働いてて広東語で直接聞けるので役に立つし日本から派遣された駐在員のお金の使い方や生活の様子がよく分かるので非常に重宝している。

 

うちの奥さんは中国大陸人を大嫌いでいつも「私は香港人よ、大陸中国人じゃないわよ」と言い張る。ぼくからすればむきになって主張する奥さんは可愛いばっかりであるが、本人からすればプライドの問題らしい。日本人か韓国人かって違うくらいでそこまで怒るかって感じだが(笑)本人からすれば真剣である、まさに中国人らしいメンツにこだわる

 

尖閣諸島でどうこうなってるが、いろんな主張をする人は実際にどの程度香港と中国の違いを分かっているのだろうか?実際には香港と大陸中国は日本人と韓国人くらいに違う。つまり見た目全く同じでありながら中身はかなり違うと当人は思ってるが大陸欧州人からすれば日本と韓国の違いなんて英国人と米国人の違いだ程度である。

 

それほどに距離感は大事で、自分は熱くなってるけどちょっと離れて見てみると、何でそこまで熱くなるの?って感じがする。

 

翌朝はチムシャツイのキンバリーロードの吉野家。温玉と牛丼で36.30香港ドル、約360円だ。この立地で家賃も高いだろうに健闘してますね。ちなみに香港では生卵の提供は基本的に出来ない、熱帯地方なので衛生署の許可を取りにくいからだ。

 

大戸屋も結構人気なようで、家賃がどんどん値上がりする香港でよく頑張ってるなって感じだ。頑張って欲しいが香港では日本人は食い物にされるケースが多い。しかし香港人が日本人を好きなのは日本人を食い物に出来るからではなく日本人が信頼に足る民族であると知っているからだ。

 

行きつけのカラオケバーの一軒は2ヶ月ほど前に暖簾を下げた。聞くとどうも「家賃の値上がりについていけない」という事だった。そうだよね、コーズウェイベイのどまんなかだから家賃はどんどん高騰してるのだろう。

 

道路を挟んだ反対側には旧三越の場所に新しいショッピングモールが出来て大繁盛、行列を嫌う香港人が行列を作って日本食のお店に通ってる。日本人が普通にやってるビジネスモデルでは家賃にくわれて利益を出すことはかなり難しくなっている。

 

今は大陸中国と密接な関係になっているが香港は元々は英国の領土である。だから1997年までは英語が主体だった。けれど今ではマンダリン、中国語を学ぶ人が増えている。

 

そうでなきゃ飯が食えないからね、それが香港人の本音である。1980年代は成長する日本企業で働くために日本語学校が繁盛して今は香港のボスが中国人に変わったので中国語を学ぶって事だ。

 

それでも腹の中では古典的中国を大事にして古典的中国の礼節を実行している日本人に対して「おお、あいつらちっちゃな島国なのに大したもんだな」と感心しているのが実態である。つまり香港人からすれば日本の方がよほど古代中国の教えを真面目に実行しているじゃないかって事だろう。

 



tom_eastwind at 22:59│Comments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

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