2012年10月18日

100ドルなんてあっという間ね

「100ドルなんてあっという間ね」アクセントからして多分米国から来た4人家族だろう、ちっちゃな子供たちはホテルのエレベーターの箱のなかで賑やかそうだが、お母さんからすればうんざりしたような声で「何て物価の高い国!」って嘆いてるところだろう。子供たちがこれから向かうであろう電器店でゲームソフトを買うと財布の中はどんなことになるんだって感じかな(笑)。

 

火曜日の午後2時過ぎに香港から羽田に飛んで(それにしても羽田は便利だ!成田は早いとこ「東北及び北関東地元野菜売りもやってる一応国際空港」と早々に名前を変更すべきだろう)夜の9時に到着。

 

入管はあいも変わらずダサくて、大体到着カードの書き込み枠の狭さ!僕の場合は外国人なので英語で記入するのだが、とにかく5メートル離れた5センチの輪の中に直径3センチのボールを放り込めってくらい書き込み枠が小さい。これでどうやって「ようこそ日本!」なんて言えるのか??

 

それこそ20年前にシンセンから中国に入国する時に書き込んだ、顕微鏡でもなきゃ書けないような狭さの到着カード並だ・・・あ、そうか、日本は中国のコピーだもんねって思わず苦笑。海外旅行に行かない人間が作った入国カードなんてどんなダサさだ。政治と現場が全然リンクしていないのがこのあたりから丸見えである。

 

今の日本円は本当に強いってのは、この米国人奥さんの声でもよく分かる。香港では1990年代は1万円出すと600香港ドルもらえたが、今は一万円で900香港ドルもらえる。時代の違いですね。

 

幸運な事に今はNZドルも強いので日本円で払ってもそれほど痛みは感じないが、米国から直接来た人が米ドルに換算したら、そりゃまさに「100ドルはNothing!」だろう。

 

この円高を悪い苦しいと輸出産業が言うがそれは言葉を返せば海外投資をする人たちにとっては非常に有利な条件でありこの1年で日本の飲料メーカーがニュージーランド企業を買収したりして健闘している。

 

今は世界的な影響で円に避難している資金も長期的に見れば日本ブランドの地位低下で40%程度は下落していく。つまり今が1ドル78円でも近い将来には1ドルが120円くらいになる。そうなると海外投資をするにしても厳しくなる。

 

だから円高の今のうち海外投資をして海外事業で利益を出して日本に還元すれば今度は日本円が安くなった場合に受け取り配当は増える。その意味で今は積極的に海外投資をすべきであろう。

 

いっその事世界の通貨を一つにしてしまえば為替の問題はなくなるのだが既存システムをぶっ壊すには強大なエネルギーが必要なので実現には相当の時間がかかるだろう。当面はアメリカ大陸で通用する通貨、欧州のユーロ、そしてアジアで通用する通貨(元なのか円なのかユアンなのか名称は分からないが)くらいに三分割されるだろう。

 

米国人は戦後すぐにやってきた時は強いドルを享受していたが今の時代になるとドルが安くなっている。50年経てばいろんなモノが変わる。日本も変わる。僕らはいま間違いなく激動の時代に生きている。もしかして日本円が紙切れになる時代が突然やって来るかもしれない。その時になってどうにかしようと思っても手遅れだ。

 

なんて事をいつものホテルのバーで一人ぼやっと考えながら東京の初日終了。



tom_eastwind at 23:54│Comments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

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