2012年11月08日

Forward !

Forward!

 

 

「前進しよう、僕らはどんなに貧しい家庭の子供でも学校の先生にも医者にもなれる、もちろん大統領にでもなれる!」

 

バラク・オバマの演説上手は有名だが、勝利スピーチは特段に力がこもっていた。昨晩19:30からのシカゴからのライブ中継で見ていたが、奥さんも娘も体を乗り出してまるで映画を見ている時のようにじっと聞いていた。

 

うちの奥さんは演説が始まるとすぐ録音を始めた。この場にいない龍馬くんに聞かせたいんだろうね。

 

最初に選挙のライバルであったロムニー候補に対して「立場は違うが同じ米国を良くしようとしている人だ、これからもお互いに意見交換しながら仲良くやって行きたい、彼は素晴らしい人物だ」と、きちんと戦った相手を立てている。きれいだよね、このあたりのスポーツマンシップとでも言うのか。

 

次に自分の陣営の仲間である副大統領の話をしてから「ぼくがここまで来れたのは20年前に僕のプロポーズを受けてそれから僕を支えてくれた人がいたからだ。ありがとう、そして賢すぎるくらいの二人の娘にも感謝している」と、きちんと家族愛を語る。

 

このあたりはいくら常連的セリフとは言え、やっぱり素晴らしいと思う。敵を褒め仲間を讃え家族に感謝して、人々を直接引き込んで自分の味方にして米国をリードしていこうとする気持ちを感じる。

 

移民に対して何度も言及しているのがとても目立った。世界からやってくる人々のために良い国家であろうとする姿勢を見せていた。

 

米国でも議会が与野党混戦で法案を通すのに大変でありオバマの手法を問う米国人も多い。しかし妥協せずに自分の信念を貫くからこそ議会で喧嘩になる。

 

ギリギリまで妥協せずにいるから法案が通らずに大変な思いをすることになるが、それでも自分の信念を曲げることをせずに土俵際まで踏ん張っていく姿勢は、金のためではなく信念のためだという気持ちが遠く離れた国の移民にまで伝わってくる。

 

ニュージーランドと米国は1985年のブキャナン号事件(核搭載疑惑の軍艦に入稿拒否をして1991年まで実質的に米国と断交した)以来、決して蜜月関係ではないが今年になって少しづつ雪解けをしているがそれでもまだ米国が希望するような状態になっていない。

 

ジョン・キー首相がオバマと仲が良いという話はあまり聞かないが英国のキャメロン首相とは仲が良いようだしいずれオバマも時間があればニュージーランド訪問という事もあるだろう。

 

しかしその時でもニュージーランドは核搭載艦を受け入れる事は有り得ない。しかしそれはオバマを嫌いだという事では決してない。オバマがやろうとしていることは実はニュージーランドが100年以上前から実行していることなのだからその意味では同志なのである。

 

これから4年、米国はオバマによって普通の国家として変化していくだろう。おそらく経済は、株価は下がり製造業が根付くまでに時間かかかり変化の過程では多くの痛みが出てくるだろう。これからの4年は米国もきつい事になりそうだ。

 

しかしオバマの方向性は間違っていない。米国が享受した20世紀の贅沢をオバマが清算することになるだろう。大変だと思うが個人的にオバマは応援していきたいと思う。Forward

 

 

 



tom_eastwind at 18:52│Comments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

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