2012年11月14日

24時間働けますか?

昔ふとある取引先から聞かれた事を思い出した。「tomさんは一日何時間を自分のための勉強に使っているんですか?」え?仕事=勉強だし、寝てる間も仕事って24時間するもんじゃなかったの?

 

「24時間ずっと働けますか?」って昔の栄養ドリンクの宣伝にあったけど、実際自分はそうしているのでてっきり他の人もそうしているものと思ってましたよ(笑)。

 

ぼくは平日夜の9時過ぎにベッドに入る場合は大体朝の3時に起きる。その場合ベッドの中で色んな仕事の組立作業をする。ワードとエクセルを脳内に大きな絵の中に描いてそこでスキームの組立てをする。

 

これで2時間程度絵描きをしたらそれから1時間程度寝て6時過ぎに起きる。起きてからは龍馬くんの朝ごはんを作り一緒に食べながらTV1のメインキャスター?ジョン・キーの「首相が語る今日のNZネタ」を観る。

 

もちろんその間に反対側の隣に置いたパソコンでメールチェックと日本のニュースも同時に目を通している。それから会社に行き実務としての仕事を開始するわけだ。

 

でもって午前中は主に内部打ち合わせと外部との会議を行う。午前中は何かを考えて組み立てたり人と話して新しいアイデアを作るのにちょうど良い時間だ。

 

でもって午後は事務仕事をしてノースショアの交通渋滞の起こる前にとっとと家に帰る。でもって半身浴をしながら読書の時間開始。ここからは読書や映画やウェブサイトで系統だって情報を時系列やテーマ別に仕入れる。この時間帯がデータ収集としては一番まとまりがあるかな。

 

夕食の間は家族と団欒するがそれが終わればまたパソコンを開いて今度は散漫なテーマだけど少し広がりをつけてネットサーフィン、ちょっと興味のあることを探ってみる。ここで出てきたおもしろネタはとりあえず頭の中に仕舞っておいて寝かせておく。

 

こういうネタが大体一週間か一ヶ月くらいで花を咲かせて何かの形になる。それがブログネタなのかビジネスモデルなのか経営に関する方向性なのか分からないがとにかく何かの形になるので面白い。

 

つまり朝起きてから寝るまで基本的にすべて仕事である。もちろん料理の手伝いや皿洗いはするが、それ以外の仕事は奥さんや娘が自発的にやってるのでぼくの自宅内の立場は濡れない程度の落ち葉か(苦笑)?

 

それから出張。「そんな毎月ニュージーランドからあちこちに出張して疲れませんか?」と聞かれるがぼくにとっては戦略、戦術、戦闘と3つの段階があり、出張は戦闘だ。だからオークランドで行う出張前の準備は戦術として何処でいつ誰に会って何を話すかを決める事になる。

 

一番要領よく回れるように飛行機を手配して戦闘の際に足かせにならないように予定を組む。戦闘をするのに刀振り回しすぎて「疲れた、ちょっと休むか」なんて思ったらバサっと斬られて終わりですよ。

 

実際に出張に行ってる間は一切難しい事は考えない。戦術で作った予定通りの戦いを現場で行うだけだ。戦闘の現場では来年の事なんて考えてたらナイフでぐさっとやられて終わり、現場は甘くないのだ。

 

じゃあ戦略は?というと、出張から帰ってきて移住チーム会議で報告と担当者決定と方向性決定を行い具体的なデータ整理をするのが大体一週間なので、戻った翌週くらいから戦略を練るようになる。

 

もちろん戦略が一番むずかしい。世界の動向を考え日本の動向を予測しニュージーランドの今後の動きを予測して、さて僕らはどこに向かってどのような戦略を組むかを考えるわけで、まさにこの時期は大きな決定が多い。

 

何しろ方向性を読み間違えたら終わりだ、スタッフ全員の努力が水の泡になる。スタッフが最低限の力で(つまり残業せずに昼飯食う時間がある)最高の仕事が出来るようにお膳立てするのも僕の仕事だ。

 

このあたり日本の経営者はどーもスタッフをこき使って残業させるが、その作業の何十%が本当に必要な作業だろうか?毎日残業で子供と一緒に夕食食べられない時点でビジネスモデル、やばくないか?って思う。

 

とにかくまあ戦略作り。これが出張と出張の合間に行われる。大体月に一回の出張なので出張前一週間は戦術的にどこをどう手当するか、どのような戦闘を行うかを練る。出張という約2週間の戦闘から戻って次の一週間は戦闘の結果分析と次の一手を考える。そして二週間目が戦略作り。そしてまた次の出張の為の戦術作りとなる。

 

ぼくがビジネスをしていて一番感じるのは、軍隊における戦闘、戦術、戦略決定と会社におけるビジネスモデル構築から実行まで、やってることは理論的には全く同じだって事だ。

 

戦争とビジネスを混同するなって言われそうだが、原理的には同じなのだから戦争という言葉を毛嫌いせずに戦争で勝つ論理を学べば良い。そうすれば浪花節的な経営が継続できないってのはすぐ分かる事だ。

 

まあこんな感じで、ぼくは基本一日中働いている。ただ僕は自分の家庭における立場はしっかり認識している。家庭がちっちゃな国家だとすれば国家の運営者は奥さんだ。毎日の食事から洗濯、掃除、住宅管理、家族の送り迎え、子どもの学校の問題など、とにかく家庭=国家における毎日の仕事を分析して判断して決断して実行している。

 

じゃあぼくの仕事はと言えば外交、その中で最も大事な部分、つまり国家が自分の意思を他国に強制する際に最終的に必要となる軍隊の役目である。戦争とは自国が他国に対して自国の要求を通すための最終的な外交手段であり、これが弱ければどんな交渉も相手の譲歩は望めない。

 

だからその意味でぼくは常に強くあらねばならない。戦いの舞台が北極であろうが南極であろうが砂漠だろうが香港だろうがニューヨークだろうが東京だろうが、常に勝ち続けなければならない。

 

その代わりぼくは家庭に戻れば奥さんの日常業務を手伝う必要はなく(手伝うとかえって邪魔になるとも言える・・・)、朝から晩までパソコンを叩いて次に起こるであろう戦争を予測して、どうやれば次の戦いに勝てるかを分析研究する。

 

奥さんも子どもたちもお父さんの役目ってのは自宅にいる時はテレビ番組でやってる世界の政治や経済ニュースに関して分からない時にぼくが説明役をすることであり、ぼくが出張中して不在時は「あ、また海外に行って戦争しているんだな、米国テレビのUNITみたいなもんだな」と認識している。

 

日本人サラリーマンでよく見かけるのは「女はバカだ、男が全部わかってるんだ」みたいな男尊女卑があるが、どの世の中で総理大臣より偉い軍人がいるものか?そんな組織だと一発で崩壊するよ。あ、そうか、だから最近の日本では家庭内別居とか濡れ落ち葉父さんが急増しているのかな?

 

それにしても我が家の総理大臣である奥さんは本当に偉い。ぼくが外に出てしっかり戦ってきたら、ちゃんと「GoodBoy!」と言って褒めてくれるんだから、それだけで幸せだ、あはは。

 

24時間戦えますか?」

戦えますよ、良い奥さんさえいてくれれば♪



tom_eastwind at 21:39│Comments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

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