2012年12月12日

権利あって義務なしっておかしくないか?

北陸電力は7日、志賀原子力発電所(石川県)の原子炉建屋直下にある破砕帯が活断層かどうかを確認する自社調査で、「活断層であることを示す結果はない」とする中間報告を原子力規制委員会に提出した。

 志賀原発は、原子力規制委員会が現地調査を行う対象の一つ。北陸電は1号機原子炉建屋の地下にある破砕帯「S―1」の延長部分を調べ、地下深くまで達していないことや、上側にある新しい地層に活動を示す変形がないことなどを報告した。

同社は今後、1号機原子炉建屋直下まで掘削し、この破砕帯を目視で確認する方針だ。

20121272156  読売新聞)

 

これはもう、泥棒に犯人探しをさせるようなものだな。話にならん調査だ。

 

原発再稼働ありきでその筋書きに合わない事実は一切受け付けないのだろう。役人は自分がた担当の時には何も起こりませんようにって頭をタオルでくるんで下を向いているのだろうが、そして何か起こったら民間の責任に転嫁出来るように民間企業に調査させたのだろうが、ここらあたりで日本の法律を変更して公務員も職務責任を問うべき時期ではないかと思う。

 

「いやいや、調べたのは民間企業である北陸電力であり公務員は関係ない」など今更子供っぽい言い訳をしても国民は大体のところは把握している。経産省と財界が支配する原子力村が「活断層はないことにしろ」と言えば北陸電力だってNOとは言えない。けれど責任は被りたくないから「活断層であることを示す結果はない」という玉虫色の回答を作ってきた。

 

これならいざ大型地震が発生して原発が吹っ飛んでも「調査時には見つからなかった」とか「原発が吹っ飛んだのは活断層が原因ではない」と言い訳出来る。しかしどんな言い訳をしようが活断層が再度ずれれば地盤そのものが崩壊してその上に建っている建物=原発が吹っ飛ぶのは常識で考えれば分かることだ。

 

ぼくは3・11以前から原発に関しては何度も反対記事を書いてきた。それは原発の構造が結局は弱い者を苦しめる仕組みでしかないと思ったからだ。数年前に外人記者が山谷や釜ヶ崎あたりで調査を行い、当時の原発の定期点検時の釜を洗う仕事などは身寄りのない浮浪者を集めてやらせていたという特集記事を作った。

 

その頃からすでに日本の原発の構造的問題は指摘されており、核燃料の最終処理方法も結局ゴミ捨て場所が作れないどころかゴミをリサイクルする仕組みさえ作れないことが分かっていた。浜岡原発が非常に危険な位置にあり大地震が来れば東京に死の灰が降る事も指摘されていた。

 

ところが経産省はまともな地震対策もせず原子炉の掃除は下請けの下請けに丸投げして当然現場に派遣された浮浪者たちは身寄りがいないから放射能によって病死しても事件になることもないままに、自分たちは霞が関のビルの中でひたすら原子力村の利権だけを守っていた。

 

今の原発は安全であると言われて「はー、そうですか」と無邪気に信用出来る日本人はもういない。危ないけど引越しも出来ないから知らんふり、ないふりをしているだけだ。

 

同時に行われた反原発団体は新潟大学名誉教授(地質学)の立石雅昭氏にお願いして調査してもらい「活断層の存在が強く疑われる」という結果を発表する予定だ。ここまでやっても、それでも政府は「その調査には調査内容が疑問であり〜」とか言うのだろう。

 

このような状況を改善させるにはやはり法律を変更して公務員の刑事責任及び民事責任を問えるような条文を導入すべきだろう。そして刑事及び民事責任については調査時点での責任者まで何十年でも遡って氏名を公表し全員を告訴する。更に公務員による犯罪が確定した場合は使用者責任を問う。つまり該当公務員の上司及び最終的には担当大臣もすべてを調査の対象とする。

 

実はこのような責任の取らせ方はすでに暴力団対策として行なっており、組員が事件を起こしたら直接関係のない組長が逮捕される仕組みになっているので「法的に出来ない」などとは言わせない。

 

また大阪の電車脱線事件では事件当時だけでなく遡ってJR西日本の元社長まで告訴されているのだから遡って当時の責任者を犯人として告訴することは出来ないなどとも言わせない。

 

法的強制力を持たせる、それくらいしないと公務員は自分たちの責任を絶対に取ろうとしない。このような法律であれば国民も賛同する。てか、今、原発で被害が出て自分の街に戻れない住民がたくさんいて国民全体が熱くなっている現在しか公務員法改正の動きには繋がらない。

 

選挙まで残る所後少しだがどこかの政党が公務員法改正を政権公約に入れれば随分と票は取れるのではないかと思う。

 

などと書いてたら敦賀原発はどうやら廃炉の様子。よほど隠しようのない状態だったのかな。けどその方が日本の百年の計には合ってる。やばい場所にある原発は即刻停止廃炉にして緩やかに原発から離れていくべきだろう。とおもってたら続報で「おいこら、活断層の存在がほんとかどうか証明しろ」って政府からいちゃもんがついたようだ。まったくなー。

 

ニュージーランドで実用化されている地熱発電は九州大学が作った技術だ。大分の八丁原という地域でも実用化が進んでいる。日本では原発ありきの「自然エネルギーはコストが高い」という理屈がまかり通っていたが、一旦原子炉が崩壊した場合の被害の大きさを考えると到底コストが合うものではない。

 

自分たちの子どもたちに何を残すのか?そのためには政府に要求し政府が間違えば厳罰に処すという姿勢を国民全体が共有することであろう。政府はちょっとした事で一般市民を厳罰に処すし自分たちの都合で冤罪まで捏造する。

 

ところが自分たちがやる犯罪については一切責任を取らないのであれば権利あって義務なしという殺せない化物を生み出したようなものだ。

 

日本国籍を持つ人々はこの際原発をキーワードにして行政すべてに関して民間オンブズマン制度を導入し行政責任を取らせる法改正を行うべきではないだろうか。



tom_eastwind at 11:03│Comments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

トラックバックURL

この記事にコメントする

名前:
URL:
  情報を記憶: 評価: 顔