2012年12月31日

2012

今年も今日で終わり。日本に出張する時の儀式として毎回の出張で一回は必ず吉野家で牛丼を食べる事にしている。今年は家族と一緒に朝から恵比寿駅前の吉野家に行く。

 

それにしても吉野家、メニューが広がったな。今ではカレーも扱ってて、やはりすき家との戦いに負けているので価格競争やメニュー競争に巻き込まれていくしかないのだろう。

 

1990年代の吉野家はまだまだ根強いファンを持っていた。狂牛病の時も他社が豪州牛肉を使ったりする中で吉野家だけは味に関する拘りを持ち続けてきた。当時の経営者は学生時代からアルバイトで働いていた安部社長だったがあの危機を何とか満身創痍になりながらも生き残ってきた。

 

しかしその後、ここ3年くらいで社会的構造が一気に変わった。今まで吉野家の信奉者だった若者や労働者が次第に熱情を失ってしまい、安くてメニュー豊富なすき家に流れるようになったのだ。

 

相手が政府や病原菌であれば戦うことも出来るが肝心の顧客である一般の人々が世の中のデフレ化に流され目先の金に流され吉野家をサポートする価値を見出さなくなった。1990年代のように少々苦しくてもまだどうにかなると思えてた時代は自分の支持する対象に熱情を傾けることも出来た。

 

しかし2005年頃、小泉首相が退陣したあたりからまた経済は音を立てて崩落していく。そこに更に民主党が政権を取って世の中を無茶苦茶にして、その合間を利用した官僚が自分たちの権力を盤石なものにしていった。

 

国民はもう政治ゲームで捨て駒にされる自分の立場をひしひしと感じてとにかく義理人情なんて言ってられない、一円でも多く自分の利益になるのなら今までの取引も支持もあったものではないとばかりに節約に走った。

 

これが更にデフレを進めてしまい消費不足による物価下落、その結果としてサラリーが下がり労働者でもあり同時に消費者でもある社会人は益々お金を遣わなくなり、ますます世間は世知辛くなっていった。

 

吉野家はある意味確信的に自社の顧客を信用して自社の方針を守りぬいた。しかしそのストイックなまでの方針に次第に「バカじゃねえのか吉野家?」と思う不信心者が増えたのだろう、彼らは皆牛丼原理主義者である吉野家から次第に何でもありのすき家にシフトして生ぬるい空気と怠惰に共感を抱くようになった。

 

このあたり今回同発音の安倍首相はどのように見ているのか?ぼくが思うに今まさに安倍首相がやろうとしている事は政治家にとって一番大事な票田を取り込むために原理主義など一切言わず現世利益を与える役割を担っていくだろうって事だ。

 

安倍さんは理想を持って首相になったがたった一年で引きずり降ろされた。その後麻生さんも総選挙で負けて退陣した。ヤル気も能力もある血筋もしっかりした二人は今回の政権奪取で今までの臥薪嘗胆を一気に取り戻そうとしている。

 

彼らの目指す道は日本原理主義ではない。戦後の吉田、岸が進めてきた独立出来る日本である。戦後は米国の傘の下で経済成長を徹底し安保闘争の若者を叩き潰して見事に1970年代以降の日本の平和と繁栄を築き上げた。

 

その後田中角栄が日中国交を結ぶが米国によって追い落とされる。日本百年の計を考えれば中国とは対等に付き合って互恵関係にいるべきだ。米国とも等距離外交でいるがいつまでも米軍の傘の下に入ってはいられない。

 

今は米国が日本から撤退してグアムまで引き上げることも決まった。防衛庁を防衛省に格上げして自己防衛出来る日本軍を作り米中と対等の付き合いが出来る日本を作らねばならない。

 

その為にはとにかく安定した半独裁政治を構築しなければならない。野党対策で妥協などしておられないのだ。その為には来年の参議院選挙で圧倒的勝利を納めて衆参両院で絶対多数を取らねば憲法改正も出来ない。憲法改正が出来れば後は安倍首相の描く新しくて古くて良き日本を作ることが出来る。

 

その為には来年の参議院選挙までにどんなカンフル注射を打っても良いから一時的にでも景気を回復させ雇用を創出し人々、特に選挙に感心を持つ団塊世代とその前後の票田を取りに行くしかない。

 

これは組織票も大事だが浮動票の取り込みが何よりも大事である。浮動票の取り込みがこれからの選挙のポイントであるのは小泉首相や民主党政権奪取の際に痛いほど肌で感じた安倍麻生組はこれからこうなると思う。

 

1・社会的弱者である約200万人の生活保護受給者を叩いて真面目に働いている一般労働者の共感を得る。

 

2・社会の5%以下しかいない富裕層から相続税や所得税強化で金をむしり取ることで毎日の生活に四苦八苦している一般労働者の支持を得る。

 

3・後期高齢者は社会保障の大きな問題になっているが彼らに自己負担を「お願い」することで団塊の世代にそれなりの納得感を感じてもらう。何故なら団塊世代はまだ健康でありチューブに繋がってるだけの寝たきりに対して公金を使うのはどうかという認識を持っているからだ。

 

4・そして民主党時代に決定した消費税値上げを「痛みを伴う改革」として一般労働者に受け入れてもらい、更にその際も食料関連には値上げをしない等と飴を付けて労働者の支持を得られやすいようにする。

 

5・最後の仕上げが日銀による企業の株や社債の直接引き受けをやる事で実質的に企業を救う。これで経団連も喜んでくれる。直接引き受けをして日銀がお金を刷ってそのお金を企業の口座に直接入れて上げれば企業は借金をしたわけではないので投資欲が出てきて、それが日本全体の企業活動を活性化させる。

 

6・活性化したからと言ってすぐに給料が上がるわけではない。けれどバブルってのはそんなもので、最初にまずリスクを取って金を借りた(集めた)人間が再投資をすることで周りも次第に「え?そんなもんか?景気が戻っているのか?」と思い込み、次第に人々が投資を始める。

 

7・その結果として株は上がり経済は活発化して、これは推測だが団塊世代退職組が独立して社会起業家に発展していくのではないかと思ってる。彼ら団塊世代は厳しい同世代の競争を生き残って来たという自信があるし、60歳まで無事に生き残った、残りの人生は自分のやりたいことをして過ごしたいと思ってる人が多い。彼らを中心とした起業ブームが経産省の隠れた指導の下に活発化するだろう。

 

8・ここまではすべて予定通りに進むだろう。日本にはまだ体力があるから後一年くらいはこういう政府から企業や起業家への直接貸付が出来る。問題はそこから先だ。シナリオ通りにいけば来年の参院選挙で安倍首相は勝つ。おそらくこれで衆参ともに絶対多数を取れるだろう。

 

9・問題はここからだ。安倍首相のやってることは綱渡りでありこの一年でちょっとでも外交などでバランスを壊したら日中戦争が起こる可能性がある。

 

10・経済面でも日銀が金を企業にばらまいた場合、それが企業を活性化するにしても市場にじゃぶじゃぶと流し込んだ金はどこかに滞留していつの日か必ずバブルになり実態のない経済はいつの日か必ず弾ける。バブルは人の欲望が生み出してひとの理性が破壊するのだ。

 

11・しかしその時にはすでに絶対安定政権を持っている安倍独裁内閣は逆にその騒動を利用して次々と治安維持法、大政翼賛会、公安警察が一般市民を取り締まる特高警察化していくだろう。これは今まで何度も歴史が繰り返してきた事であり、それは日本だけの特性ではなく世界で常に起こっている人間という動物が持つ宿命なのだ。

 

12・このような宿命を一番良く知っているのは民衆による近代民主主義を作った英国である。彼らは知っていた。政治は腐る。長期政権は確実に腐る。魚は頭から腐る。そう言う繰り返しの歴史を目前で見てきた英国人は政治が暴走しないような仕組みを作った。

 

その仕組みの根幹にあるのは民衆が政治に興味を持ち意識を持ち主張を持てるようにするための教育を初等教育から授業の中に組込み、大人になっても常に自分の政治意見を持ち堂々と発言出来る自由を担保しながらも個人が社会に成員として奉仕することも要求する、ほんとうの意味での民主主義を作ったのだ。

 

13・問題は日本人が未だ民主主義を知らず民主主義を実行する方法も知らず実行する気もないという事だ。江戸時代から長いものに巻かれてお上のやることに意義を唱えず「そんなもんだよ、仕方ないんだよ」と呟いてきた。山本周五郎の「長い坂」の冒頭に下級武士がある日突然渡れなくなった橋を子供に対して「ここは前からダメだったんだよ」と言い聞かせるようなものである。そして賢い子供は親の言うことを理解して自分も「長いものに巻かれよう」と思う。

 

14・その結果として日本中にまず広がるのは尖閣諸島での限定戦争で中国に対して勝利してはしゃぐちんどん屋的狂騒である。そして調子に乗った日本人は自民党を賞賛してつつ大政翼賛会に逆らう人々を逮捕する政府に共感して、絶対に勝ち目のない日中全面戦争に突入することになる。第二次世界大戦前夜と全く同じことが起こるだろう。

 

なんで年末にこんな事を書いたか?別に年末だから書いたわけではない。いつも歴史の勉強をしていれば世界中でチューリップバブルから南海バブル、世界大恐慌、日本の土地バブル崩壊、リーマンショック、すべては原因と結果が明確であり、歴史は繰り返すという教訓が繰り返し証明されただけっていう冷徹な事実しかないからだ。

 

ぼくは個人的に日本人の移住が可能なのはあと1年から2年、つまり2014年が最後の年になるだろうと思っている。

 

現在すでに海外送金に関する規制が厳しくなっており2百万円送るだけでその理由を聞かれて拒否されることもある。そして海外資産の報告義務も決まった。次に来るのは海外資産の把握と課税であり、海外に持って行ってもかえって税金が取られるだけだよ、だから日本で黙って納税しなさいって状況を政府が作るだろうと思っている。

 

そりゃそうだ、日本政府からすれば資産家に逃げられては困るのだ、タカる相手がいなくなってしまえば課税も出来ない。国内で生きるしかない一般サラリーマンは彼らの知らない間にボーナスから税金取ったり消費税増やしたりして「生かさず殺さず」で上手く操っていられる。

 

「生かさず殺さず層」にはテレビでAKB48の無邪気で熱心な笑顔や踊り、吉本の芸人からは人間性下品な人の頭を叩く芸でもない芸や意味のない動作を繰り返させて日本は楽しいんだって「低能層」を洗脳出来る。世の中の90%はこういう「低脳層」であるし彼らは小学生の頃から政府に与えられた教育に洗脳されているから仕上げは楽なものだ。

 

ジャニーズも使える。彼らは計算してジャニーズに入り、芸能界で成長する事で同年代の若者がどれだけ欲しても与えられない特権的な立場を得ることが出来る、その彼らが親分の意向によって仕掛けられたスキャンダルで破滅するその日まで・・・。

 

日本という国は表層的に見れば実に良い国だ。治安は良く人々は親切で物価も安く品質も素晴らしい。日本人は嘘を言わず常に他人の利益を考えて行動するからガイジンからすれば何て素晴らしい国だ!となる。

 

けれど、ちょっとジョージ・オーウェルやウェルダス・ハックスリーの事を思い出して欲しい。自由とは何か?何が自分の命を賭けてでも護るべきものか。

 

それは歴史の中にしっかり刻み込まれている。

 

1231日。今日は東京を楽しんだ。恵比寿駅前の吉野家で美味しい牛丼と豚汁の朝食、家族は牛焼肉定食皆生卵付きで満喫しで堪能した。駅では列車の入ってきたタイミングで今の時間が分かるほど正確な運行表、時計不要だ。

 

新宿で降りて伊勢丹でくたびれた靴を買い換えた時の店員さんのサービスの質の良さ、ビックロで買った19千円の龍馬くん用の電子手帳の性能の良さ、奥さん用の手鏡の完成度の高さ、とにかく日本の品質の完成度は益々磨きがかかっている。

 

2013年.言うべき言葉が見つからない時になった。



tom_eastwind at 01:15│Comments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

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