2013年01月01日

私を那覇に連れてって♪

元旦の朝の飛行機で沖縄に向かう。去年は数えてみると1987年の最後の出張以来二十数年ぶりに訪問する沖縄に続けて3回も行ったものだから家族も少し興味を持ったようだ。

 

龍馬くんには米軍基地が日本の領土内にあるって事実を嘉手納基地や普天間基地を見せることで理解してもらい、奥さんと娘には尖閣諸島がどれだけ台湾に近くて沖縄ってのが歴史的に日中の間でどのような位置づけにあるのかを知ってもらえればと思って那覇に連れて行くことにした。

 

元旦初日の朝だというのに飛行機は満席。2ヶ月ほど前に予約をしたので通常運賃の3分の1で取れたのだがその際5席押さえてた。その後予定していた親戚の子が香港で実家に帰ることになり日本に来なくなったのだが割引運賃で取り消しをしても予約の都合上一旦全部予約を落として取り直しなのでかえって高くなる、なので席はそのまま押さえて荷物置きにしようと思ってた。

 

ところが当日は満席でキャンセル待ちが出るほどで、ぼくの家族4人なのに5席分使おうとすると「そんなのだめ!本人しか来てないし」とか「約款によりますとー」とか言い出した。けどこの娘、横浜の子ではないかな、羽田から田舎もんがジェット機に乗って初めての沖縄旅行なんて、だっさとか思ってたのではないか、最初からかなり高飛車発言。

 

なのでぼくは懇切丁寧に航空約款の中に席を余分に取って一人が使う例があることを説明して約款では一人が何席使うかに制限がない事、現実的に払い戻しをすれば追加で費用が発生するわけだからこれは予約システムの問題でしょとも、受付の可愛い女の子に丁寧に説明した。

 

すると最初は「はまっ子の一撃で田舎もんはぐ〜のねも出ないでしょ」戦略で来てたのが尽く論旨を潰されてしまったのでちょっとびっくりした顔で「しばらくお待ちください・・・」そこから先の浜っ子は判断も行動も素早い、すぐに女ボスを呼んで事情を説明、女ボスはなるほどと言った顔で話をこちらに振って、まさにこちらの言語能力を図るように少し「担当からお話をお伺いしました、実際に乗るのは4名様なんですね」と笑顔で聞いてくる、こっちが特割で乗ってるなんて自分で墓穴を掘るような話は絶対にしない。

 

でもってにこっと笑って「そうですか、実はキャンセル待ちのお客様もいらっしゃいまして、それなら規定の通常航空券の払い戻し手数料のみで扱わせてもらいますがいかがでしょうか?」と来た。アタマが切れますねさすが羽田空港だ。

 

「この客の言い分も分かるしどうもこいつ同業か似たような業種のようだ、こっちは規定を盾に突っぱねても理論のぶつけ合い喧嘩になるし混み合ってる今ここで喧嘩するよりもこいつから座席買い戻して他の客に正規料金で売れば大儲け、よっしゃそれで決まり」という心のなかが見え見えだから楽しい。

 

顔はニコニコしながら「本来は^」とか言ってるが腹の中が見えるのがとても楽しい。ぼくとしても無理やり5席欲しい訳でもなく払い戻しが「常識の範囲内」で行われるならお互いに儲け物だと思ったので、てゆーか不平等な扱いではないので何も気にせずに商談成立。

 

その間約5分だが娘はいつものようにずっと聞き耳を立ててお父さんの交渉のどこがポイントで相手の主張のどこにぶつけて交渉しているのかを聞き取ろうとしている。お母さんは日本人同士の価値観の共有する部分が、つまり交渉の際に「ここはお互いに一致しているよね」という点が何かを理解しようとしている。

 

日本人同士が交渉する場合、その内容の50%以上はお互いに事前の暗黙の契約が存在している。それは同じ民族であり同じ価値観を持っているから成立することだ。これが民族や価値観や宗教観が違った場合、まずお互いが使う言葉の定義から整理していかねばならない。

 

例えば僕が何の気なしに「じゃあまた明日この会議室で朝10時に会いましょう」と言ったら相手に「もしアッラーの思し召しがありましたら(会えるでしょう)」などと返されると、お前は自分の意思がないのか、もしアッラーがダメと言ったら会わないのか?そんなんじゃお互いの信頼関係出来ないでしょ」と思ってしまう。

 

しかし彼らからすればアッラーの神が会わせたくないと思えばそいつを病気にするかもしれないし家族に不幸があって会議に参加出来ないかもしれない。もちろん仮定の特別な事情があれば僕らでも会議が流会することもやむをえないと思ってる。その点でお互いの言ってることにそれほど違いはないのだが言い回しが違うと悩ましくもなる実例だ。

 

オークランドのシティのうちの会社のある「クイーンストリートとビクトリアストリートの交差点」と言えば確かに広いが渋谷のハチ公前ほどではない。ある時ユダヤ人ビジネスマンと「じゃあ交差点で会いましょう」と言ったら真面目な顔で「交差点は4箇所あります、どこのポイントを指していますか?」と言い返された。これなどまさに理論的には彼の方に分がある。

 

もっとびっくりしたのは1980年代初頭に印度に出張した時の事だ。今日の予定が終わりガイドは明日の朝9時にホテルに迎えに来ることになっていた。ところが9時30分になっても来ない。バスも来ない。おっかしいなと思ってたら10時になってやってきた。

 

「遅刻・・・だよね」

遠慮がちに聞く僕(そりゃそうだ、印度で日本語ガイドなんてそんなたくさんいやしない時代だ、もし相手に逃げられたらその方が痛い)に対して彼は澄ました顔で

「え?ぼくは遅れてないよ、予定通りに10時に来たよ」というではないか。

びっくりして

「おれ、時間間違えたかい?」と聞くと

「いや、君も間違っていない。ぼくは自宅に帰った後に行程を見なおしたら10時に出発したほうがよいと分かった。だから10時にした。けど僕の自宅に電話がないから君に伝えることが出来なかっただけだ、気にしなくていいよ」だって・・・。

 

世界に出れば一事が万事こんな感じである。日本国内での話し合いとか交渉とかがいかに暗黙の了解の上で成り立っているかが分かれば日本国内の揉め事の5割以上は笑って終わるのではないかと思ってしまう。

 

いつもの如く話は大きくそれたが、ぼくらを乗せた飛行機は満席の機体を抱えて約3時間で沖縄到着。奥さんからしてみれば未だに一つの国家で富士急アイランドのように関東なのに雪が降って気温2度とかあるのに飛行機で南に行けばそこはまだ日本なのに気温21度、東京で着てた皮のジャンパーやコートが不要ってのがなかなか理解しづらいようだ。

 

日本人もそういうところがある。ニュージーランドから来たというと「え?じゃあ今の季節は逆だから夏ですよね?」と質問されるが、同じニュージーランドでもオークランドは現在20度前後、郊外の家なら窓を開ければ心地良い風が吹き抜けてくれてクーラー不要である。クイーンズタウンに行けば日影に入るとひやっとするくらいだ。

 

ひどいのになると「え?ニュージーランドですか?英語圏ですよね?て〜事は新聞も英語で書かれてるんですか〜?子供も英語をしゃべるんですか〜?」って本気で聞いて来る人がいる。

 

沖縄の問題として在日米軍問題、オスプレイなどが本土マスコミによってよく取り上げられるが、ぼくは30年前から現場で関わってきた経験から言えるが、日本人は沖縄を植民地から支配地にして挙句の果てに本土の常識を押し付けて、それでいて本土の常識を分からない沖縄のひとが間違っていると言い出す傾向がある。

 

これは右翼もサヨクも全く同じだ。沖縄は元々独立国家であった。琉球王国を無理やり支配下に入れたのは1600年代の薩摩でありそれは貿易(抜け荷)で江戸幕府に内緒で儲かろうとしたからだ。その後明治政府が出来ると琉球の独立そのものを否定して沖縄を日本に併合した。

 

これは今の時代にも続いている。沖縄を日本領土と外国に説明しながら沖縄を差別して沖縄は所詮別民族と割り切ってより東京に近い民族だけを守ろうとしている。これは支配層が普遍的に持つ特権意識の裏返しでしかないのだが、右翼もサヨクも特権意識の都合の良い部分だけを誇張してアジ宣伝をやる、肝心の沖縄のひとの声を聞きもせずに。だからこそ今は右翼もサヨクも沖縄の目に見えない攻撃を受けているのだ。

 

正月3がにちは沖縄を見て回り家族に話をして沖縄料理を食ってたらブログUPの時間取れずでゴメンナサイ。今日からまた復活します。さて、沖縄の旅は続きます。



tom_eastwind at 13:53│Comments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

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