2013年04月14日

「日教組」森口朗 〜書評〜

最近まとめて買った本の中にここ数年で発行された「日教組」「創価学会」「日本共産党」などがある。それぞれ歴史的背景や社会的背景を丁寧に書き込み客観的な事実とデータを基にしているので大変勉強になった。

 

森口朗氏のこの本は日本教職員組合に関する歴史的、文化的な背景説明とその後の社会党系と共産党系の確執、1970年代の労働組合運動における日教組の位置づけ、その後の日教組の活動の変化や地域ごとの労働運動のバラツキ、現在における日教組の存在価値、今後の動きなどを、非常にわかりやすくまとめて説明している現在本。

 

決して日教組憎しで書いているわけではないので先入観念なしに読めば勉強になります。自分で日教組について考えることも出来るお勧めの一冊です。

 

現在本って意味は今の時期に通じる旬の本って意味だ。この本は民主党政権時代に書かれておりその後の自民党の新しい日教組対策が出てくると内容に齟齬が出てくる可能性がある。つまり本書内で取り上げた内容が自民党時代の日教組対策ではあまり意味がなくなったりするからだ。なので興味がある人は旬のうち、今年のうちに読むべきだろう。

 

日教組は一般社会から批判の強い組織であり嫌われ度は一般社会人がその組織とどれだけ直接の繋がりがあるかによる。

 

例えば子どもを持つ親からすれば日教組が直接嫌いになるだろうが、それも各県ごとに日教組の組織度は随分差があるのですべての市町村で総スカンというわけではない。

 

文中では日教組と言えどもピンきりで本当に共産主義を信じて(というか学生の頃からそればかり信じて主張してきてジジイになった今更自己否定をするほど勇気もないから言い続けてたら定年になってこれでますます言いたい放題になった)隠れ共産党として行動する狂信的コア連中とそれに振り回されて今更やめられない弱虫がいると説明している。

 

どっちも酷いが例えば闇専従で革新的に共産党やってる連中に払ってる税金は公金横領で金銭犯罪だが弱虫として寄生して時々集会や組合活動をして子どもにまともな事を教えないのも教師としては最低であり、彼らに払っている給料の方が合計金額としてケタ違いに大きい。

 

なにせ日教組は親の見てない授業時間に共産党の歌「インターナショナル」を歌わせたり彼らの主張する「正しい歴史認識(中国とソビエトが自分たちのやった事を棚に上げて日本がすべて悪かったとするいいがかり)」を子どもたちに教えていたりする。

 

共産党にとっては世界は一つでありその中心にいるのはソビエトでありそれ以外の国は存在そのものが間違っている、だから日本の「国歌」なんて存在自体が悪であるものの歌を歌うなんて、シラフで両親の前でエッチな替え歌を歌うようなもので、有り得ないのだ。

 

それは国旗も同様であり国旗とは世界に一つだけしかなくソビエトの国旗以外はすべて間違い、だから日本の国旗なんて振り落として当然、なのである。

 

皆さん、入学式や卒業式で国歌を歌ったり国旗掲揚をしてました?これは年代や県別で随分と違ってます。先生がストライキに行き授業放棄された経験はありますか?これも年代と県別で全然違います。

 

日教組が出来た当時は校長先生も教頭先生も日教組に加入していたとか歴史的事実も沢山出てくる。日教組が今までやってきた事、今やっている事、これからやりそうな事を客観的に描いているのだが、今まで日教組を嫌いだけどその存在がどうやって創りだされたか、から始まって何故学校の先生が生徒を放り出してストライキをしてきたのかがどうしても理解出来ない人、是非お読み下さい。



tom_eastwind at 12:07│Comments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 | 最近読んだ本 

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