2013年06月29日

脱税資産?

移住を希望されるお客様の目的は様々だが、中には本当に日本政府に愛想を尽かした人もいらっしゃる。所得税を毎年50%納税をした挙句に次は相続税で50%持っていかれれば残ったお金は当初の25%、ところがその25%を得るために倒産するかもしれないビジネスリスクを取って頑張って働いてを考えれば到底費用対効果に合わない。

 

もちろん目先の数字だけで言えば25%でも世間から観たら大きな金だろうかもしれないが、そこに至るまでに本人が受けたストレスは半端なものではない。

 

一般世間で言えば精神分裂症(古いか?統合失調症の方が良いか?)になってもおかしくないストレスを受けながらビジネスを成長させ、その間も赤字は本人負担、倒産も本人や親族負担なのに、儲かった時だけ政府が金を獲っていく。どういうことよ?誰もが疑問に思うが誰もがそういう立場に立つまで気付かないのが現実だ。

 

出来れば調子の良いうちにいくらかでも個人資産を作っておけばよいのだが、現役のビジネスマンに限ってなかなかそういう事を思いつかない。そしていざ年を取ってそろそろ相続でもと考え始めた時にはもう時間が限られている。

 

おまけに相続税は毎年条件が厳しくなりとにかく税務署は取れるところから取ろうとするから真面目に働いてきちんと納税していた人たちが真っ先に狙われることになる。彼らは下手に真面目に納税しているから「あ、もっと取れそう」と思った税務署に狙い撃ちにされるのだ。

 

でもって合法的に節税をしようとすると「あなたがやっている事は節税ではなくて租税回避行為です、あなたの持っている資産は脱税して作った資産、脱税資産です、なので追徴課税を取ります」となる。

 

これが本当に合理的な社会なのか?働けば働くほどバカを見る仕組みの社会で自分がリスクを取って起業したら税務署に狙い撃ちされるのでは働く意欲も出ないってものだ。

 

ところが日本人は真面目だし明治以来会社は社会の公器という位置づけにされているから政府の代わりに新社会人の礼儀作法の教育を施し年を取って使い物にならなくなった50代を政府の代わりに雇用し続け社会福祉を提供し続けている。

 

実にバカな話である。企業とは本来独立した法的人格であり政府の意向を忖度して礼儀教育や老齢年金を払うなど有り得ないことだ。そんな事したら株主から会社の利益を積極的に削減したと経営責任を取らされて社長解雇である。

 

つまり元々日本で起業をするという事自体にリスクがあり更に利益が出れば政府に持っていかれ政府の代わりに福利厚生を提供して頑張って働いた最後には相続税でどかっと金を持っていかれるのだから馬鹿らしいことおびただしいわけだ。

 

けどそうは言っても実際に起業して経営を開始してしまい利益が出てしまえばどうしようもない、後はどのように対策を講じるかしかない。上に政策あれば下に対策ありだ。

 

ではどのような方法があるか。

 

ここでよく例に出るのが例えばユニクロの柳井氏が行ったように自分の財産を海外の持ち株資産管理会社に移すという方法だ。これだと海外の会社に売却した際の株式売却益や不動産を売却した際の譲渡益だけ納税すれば良い。通常は源泉分離課税の20%が適用される。相続税の50%と比べれば30%以上の節税になるのがこの方法である。

 

上記の方法は現在の法律の範囲内であるが、政府は身内に対しては非常に甘い、というか違法行為を教えている。例えば西武の堤康次郎が税務署の署長から教えてもらってやったような(詳細は略すが)社員の印鑑を使って上場会社を保ちながら実質的に息子にすべての株を集める仕組みを作ったり、株を譲渡する際に会社を赤字にさせて株価を下げたり脱税行為を繰り返した。

 

それにしても日本政府はすごい、堤康次郎という政府の身内に対しては堂々と脱税指南をしていながら一般庶民の合法的な節税に対しては厳罰で処するのだから。

 

これを日本語では自分勝手とかわがままとか卑怯者とか身贔屓とか脱法とか違法とか犯罪と呼ぶが法律を作っている者には犯罪行為を犯している感覚はない。

 

何故なら彼らは法律を作っているのだから自分たちは常に法律の範囲外にいると思っている。もし違法と認識した場合は法律を変えて自分の行為を合法にするし脱法を節税にする。

 

身贔屓を相互扶助と呼ぶし東大法学部卒しか知り合いがいないから一般社会の東大卒以外の民衆の目が気にならないから恥ずかしい行為だ卑怯者と言われても耳に入らないし、耳に入ったとしても「悔しかったら東大を卒業しろ!」で終わりだ。これは政府のわがままではなく支配者側の財政的組織防衛なのだから一から十まで「正しい行為」なのだ。

 

ともあれどうしても自分の稼いだお金を一文も残さずに日本政府に献上したいのであれば何も言うことはない。ただ日本政府のお金の使い方に健全な疑問を持ち現在の納税システムに対して納得出来ないのであれば法律の認めた範囲内で戦うべきだと考えるのは僕だけではないだろう。



tom_eastwind at 17:33│Comments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

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