2013年07月12日

高度人材

21世紀の現代、世界中の国家が国境の壁を越えて優秀な人材を探す時代になった。日経ビジネスの特集で扱っていたのが「人材流出」だ。

 

特集の舞台はシンガポール。このちっちゃくて資源のない国では明るい独裁国家として次々と新しい政策を打ち出して国家の繁栄を築いた。この国に多くの若い日本人が移住して、日本に向けた商品ではなく世界に向けた商品開発を行い成長する東南アジアで様々なサービスを提供している。

 

21世紀はコンピューターとインターネットの発達により世界で通用する高度人材か地元でしか雇用のない地元密着の世界同一賃金仕事の2つに分かれる。高度人材とは世界を飛び回る英語力と人種を超えた理論構成と交渉力を持つ人材であり、そうでなければ地元密着で成立する肉や魚や野菜を製造・販売する仕事である。または髪を切るとかコンビニのレジをするとかのサービス産業である。

 

中間の仕事はすべてなくなった。これはいつも僕が書くことだが、本当に自分の子供がいて今が5歳くらいだったら何を教えて将来の生活を維持していくのか真剣に考えないと、子どもたちが21世紀の半ばに社会に放り出されて誰の助けも得ずに今と同様の生活が出来ると思うか?

 

各国政府は口では調子良い事を言いながら実のところ国民を昔のように国境の中に閉じ込められない事に気づいたものだから国境を越えて優秀な人材を集めている。

 

これは日本も同様であり安倍首相の指示下で世界の優秀な人材を集めようとしている。オーストラリアやカナダでも同様の政策を取っており、世界で通用する優秀な人材はある意味自分のライフスタイルに合った国を選び放題になる。

 

しかしこの高度人材とは日本で普通に考えられている「優秀」とは全く意味が違う。日本は暗記教育であり試験用の回答が現実と違ったことでも「これが試験用教育」として学ばされ、結果的に試験に通るが実社会では通用しない人材となる。

 

おまけに大手企業に入ろうものならそこではその企業でしか通用しない稟議書の書き方や根回しばかり覚えて、銀行員でありながら国際融資を知らないとかメーカーでありながらモノづくりの現場を知らないとかで、他社では全く通用せず、更に言えば国際企業では絶対に通用しない事ばかり覚えて年を取り、40歳過ぎる頃には全く使えない「廃材」となっているのが現実だ。

 

しかし今の時代に要求されている高度人材とは企業奴隷ではなく自分の頭で何かを想像して何かを創造出来る人間だ。

 

日常の何もないことから何かを思いつきそれを現実の形として創造して商品化して売れる技術を持った人間が高度人材と呼ばれるのだ。

 

では今の日本の普通の教育を受けてそのような能力が身につくだろうか?すべての子供を同質化させることで金太郎飴のような教育システムの中で従順に生きていく人間に創造性を要求するのは無理な話である。

 

やれば出来るとか望めば叶うってのは現実であっても、決してそのような道を選ぶな、失敗したら一生終わりだくらいのことを学校でも自宅でも教えられた子供のやることは猿真似にしか過ぎない。

 

もちろん子供を猿にしたいなら何も言うことはない。親子二代にわたってバカが続くだけだ。他人に迷惑をかけなければそれで良い、自分で選んだ道なのだから。

 

しかしどんなに自分の考えを持っていても時代はどんどん先に進む。21世紀が高度人材の時代になってあなたの子供が高い教育費を使って優秀な大学を卒業して得た仕事が時給900円のコンビニで割が合うのか?

 

日経ビジネス特集ではカナダに渡った映画業界人が半年で永住権が取れたなんて話もでてる。それはこのニュージーランドも同様で、タレント性=特殊な能力を持っていると判断されると失業率に関係なく永住権が取得出来る。

 

どこの国も優秀な人材が欲しいのだ。ただ単にこの国に生まれたというだけで特権が得られた20世紀はもう終わった。これからはどこの国で生まれたかではなく何が出来るかが人生の分かれ目になる。

 

子供を持つ親に聞きたい。あなたが子供に与えている教育は、それは20世紀の発想ではないか?日本でしか通用しない試験に合格して世界的には非常識と思われることを正しいと信じて社会で通用する為に一生懸命勉強してやっと入った大学では実務の勉強をせずに社会に出て全く使い物にならない人材が21世紀の後半を22歳から80歳までただメシを食うためだけの人生を送ることをあなたは奨めているのか?



tom_eastwind at 17:29│Comments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

トラックバックURL

この記事にコメントする

名前:
URL:
  情報を記憶: 評価: 顔