2013年07月13日

泳げたいやきくん

一時期大人気だったお笑い歌である。「毎日毎日僕らは鉄板の上で焼かれていやになっちゃうよ」という言葉が僕の頭の中を繰り返しかかっている。

 

やってる仕事はいやじゃないし楽しくて人の為になるから良いのだが、とにかく忙しい。まさに毎日毎日鉄板の上でじりじりと焼かれている感じだ。この鉄板の上で僕がやっている事は今まで僕自身が積み上げた知識と地元弁護士や会計士から更に専門的な知識を共有して今までになかった全く新しいビジネスモデルを創り上げることだ。

 

お客様の為に出来るだけ早く作り上げようとすると背中がチリチリする。ここはニュージーランド、急ぐ必要もないのにと思いつつも、やはり人生を逆算してこの国で5万人の日本人社会を作ろうと思うとあまり時間がない。だもんでどうして鉄板の上で踊るしかない。

 

現在の僕の担当業務は投資家向けの様々な移住企画作りである。

 

一人ひとりに背景があり、どのようなビザで移住するのが良いのか、どの時期に移住するのが家族にとって最適なのか、すべての要素を組み合わせて振り回したりこねくり回したりして最適の解を幾つか生み出す。

 

最適の解がひとつではない理由は、どの角度から見るかで答が違うからだ。相手が望むものが何なのかを理解するためにも様々な提案が必要となり、お客様の立場がどこかを理解する為に何本かの矢を投げる。

 

そして僕はお客様の話を聴きこんで自分なりの案を作り、話し合った事の議事録を作って相手に確認を取り、じゃあ次は何をすべきかを決める。もしこの議事録に問題があればその時点で指摘が入るので訂正すれば正しい道に戻れる。

 

こういう議事録を繰り返して作成しているうちに次第に相手の望むものが見えてくる。「話している事」ではなく「話したい事」が分かり、そしてやっと「正しい方向性」が見えるのだ。

 

移住の作業で一番大変なのがこの「鯛焼き作り」である。チリチリと鯛焼きを焼きながら、決して焦がさずに決して生焼にせずに丁度良い火加減で焼く。だから火を入れている間は休むことなく見続ける事が必要である。

 

だもんで毎年恒例のクイーンズタウン家族旅行でも半分はクイーンズタウンに移住したお客様やこれからクイーンズタウンに移住するお客様の為に時間を使うことになる。

 

ぼくはやりたい事がたくさんある。オークランドという街にオフィスを構えているのもやりたい事、つまり5万人の日本人社会を作るためであるが、ではニュージーランドのどこで住みたいかといえばやっぱりクイーンズタウンだ。

 

だから後10年くらいして引退すれば奥さんと二人でちっちゃなカフェを開き、昼間は奥さんが美味しい紅茶と軽食、夜は僕がギターを弾きながらお酒を飲めるお店をしたいと思ってる。

 

鯛焼き君はまさに今鉄板の上で焼かれつつ、今日はクイーンズタウンで古い友だちと飲み交わしている。

 

これから約一週間オークランドを離れて家族旅行とクイーンズタウンにいらっしゃるお客様と仕事の話をしながら過ごす。少なくともオークランドよりは気持ちが良い、この感覚をお客様に理解してもらえばと考え中。



tom_eastwind at 17:57│Comments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

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