2013年07月30日

今日から出張だ。

現在のニュージーランド経済は基礎収支ではプラスであるがリーマン・ショック時に全てのファイナンス会社を救済した。そのおかげで投資家は守られたが政府が負債を抱えることになった。その後2011年のクライストチャーチの地震で更に政府の負債が増えて復興予算を確保する為に国営企業の株を民間に売却するなど特別措置を行なっている。


何で自己責任の徹底している国がファイナンス会社の救済とか地震被害を国家で賄うのか?


金融に関しては普段は銀行やファイナンス会社の保証はしませんと言いつつ実際には国民に金融不安を与えないための現実主義の発想が十分ある。


その代わりにリーマン・ショック以降は金融法案を厳格化してFSPR(適格金融サービス提供者登録、当社も取得済)がすでに導入され今年6月からはAML法(資金洗浄取締法)も導入された。


地震に関してはニュージーランドは日本と同様の地震国家でありEQCという国家直属の組織が地震の際に国民負担を極力最小化するために作られており、地震以外にも例えば崖の上にある家が暴風雨などで地すべりを起こした場合にもEQCの支払いが行われている。これはニュージーランドが社会主義だった時代に導入された法律であるが現在も継続している。


しかしその結果として現在のNZ国債の発行残高はGDPの約20%を占めており、これがジョン・キー首相からしたら気に食わないところであり、次の総選挙を有利に勝ち抜くためにも何とかこの赤字国債を解消したい。来年の財政年度では黒字化を目指しており実行可能だというのも国民党の訴えてるところだ。


だからこそ国家が実質保有する企業の株を放出したり投資移民を世界中から呼び寄せて復興予算を確保しようとしているのだ。


例えばニュージーランド航空が売りに出ているが、笑えるのがこれに対して労働党や一般市民が「国家の資産を外資に売るのか!売国奴だ!」などとほざいている事だ。


何故ならニュージーランド航空は元々国営だったがあまりにお役人仕事で効率が悪く1984年に政権を取った労働党が自ら民営化したからだ。自分たちが民営化しておいてニュージーランド航空が経営不振に陥った時に再度国営化したのも労働党政権時代だった。それが今になって民営化反対など、まるで日本民主党のような物忘れのひどさだ。


そんな中、ニュージーランドにとって大きな資金源であった中国に対してウィンストン・ピーターズ元副首相などが「外国人に地元企業や土地を売るな!」と訴えてる。分かりやすく言えば最近までの中国人の土地や企業の高値買収に対しての政治的怒りだ。


これが何故今出てきたかというと、今までは黙っていても中国から金が流れ込んで来たが中国の成長減退、外国への資金持ち出し規制強化、つまり共産党幹部が賄賂で作った金を海外に持ち出せないようにしたからだ。


どうせ中国マネーが減退するのだから、ならばこの機会を利用してチャイナバッシングをやってしまえって事だろう。政治的には良い時期の判断である。


しかしそうは言っても政府としてはどこかからの資金が欲しい。そこで最近急に目をつけている国の一つが実は日本である。日本のお金はきれいだと知っているキーウィからすれば、今日本から脱出しようとしている投資移民やビジネス移民に対して呼び込みを行いたいのだ。


その結果として移民局から当社の取引先の弁護士事務所経由で当社に連絡があり、ビジネス移民部門のプロモーションマネージャーと合同で日本で説明会をしないかって話が来たのが昨日だ。


そこで弁護士事務所が主催して移民局が後援する形で当社が10月後半にビジネス移民及び投資移民向けセミナーを開催することになった。ただ日本国内の法的問題もあるので詳細を詰める必要はある。開催方法などによっては財務省からダメ出しをくらう可能性もあるからだ。


ちなみにこのあたり、全く日本の法律を無視して平気で堂々とやってた会社群が2011年から2012年にかけて関東財務局に摘発されて業態転換したり撤退したりした。


当社からすれば以前から移民局とは弁護士事務所を通じてやり取りをしてきたから実質的に何が変わるわけではないが、移民局が表立って動き始めてくれればこちらも顧客の信頼を得られるのは事実だ。


今まで中国市場は主にBNZ銀行が中国各地でセミナーを開催していたが投資移民を受け入れるにしても中国の投資家の資産はその源泉が明確でない、てか普通に賄賂でしょって事で問い合わせがあっても半分以上は却下されていた。


それが更に厳しくなるなら人口は10分の1でもきれいな資金を持っていて地元民にも人気のある日本人の方が良いってなるのは当然の判断だろう。


この点、ニュージーランド人が記事に書く「悪いアジア人」とは中国人であり「きれいなお金を持ってきてくれるのは日本人」という印象が出来上がっているのは幸運である。


しかし、だからと言ってニュージーランドがいつまでも門を開けっ放しにしているわけではない。一定の数が集まれば当然門を閉めてしまう。日本人はこのあたりの時間感覚が随分と遅いから、決断した時はすで他の人の申し込みで満席になってしまい門が閉じられた後になってしまう。


さ、今日から気温差30度の日本出張開始だ。あ、ところで週末のスキー場に関するジョーク漫画を見つけたので貼っておきます。タイトルは「南島メディアは状況をいかに見ているか?」です。

1995年に噴火したルアペフ山はぼくらの行ったワカパパスキー場とトロアスキー場がありNZ最大の規模である。その山が噴火したものだから「煙のない南島にスキーに来ませんか?」と皮肉っている。

もっと面白いのは、その「南島の新聞社」のクライストチャーチにある本社ビルが2・22の大地震で崩壊したって事実だ、ばーか(笑)。


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tom_eastwind at 11:29│Comments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

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