2013年09月30日

大阪秋の陣、橋下氏敗戦

***記事開始***

堺市長選で日本維新の会傘下の大阪維新の会の候補が敗れたことについて、野党各党の幹部らは29日、維新の弱体化が進むとの見方を示した。

 今回、現職市長を推薦した民主党は、維新主導による野党再編を警戒しており、幹部の一人は「維新は今後、分裂含みになるだろう」と指摘。別の幹部も「維新が自民党との距離を縮めれば、反自民票を維新から取り戻せる」と述べた。

 現職を支援した共産党の市田忠義書記局長は党本部で記者会見し、「選挙結果は大阪都構想の破綻を示すものだ。自民党より右翼的な維新への審判でもあり、意義は大きい」と強調した。同じく現職を推した社民党の福島瑞穂前党首は「大阪における維新の不敗神話は崩壊し、党解体の危機を迎えた」とコメントした。

 市長選で中立だったみんなの党の幹部も「維新はもう自民党の補完勢力。衰退していくだけだ」と語った。(2013/09/30-00:11

***記事終了***


民主党からすれば選挙負けのお友達が出来てうれしいわけだ。共産党の「維新は自民党より右翼」のコメントはそれなりに当たっている面もあるので素直に聞ける。ただそれが敗因とは思わない。


笑えるのはみずほちゃんのコメントであり「ほとんど国会議員のいない党解体の危機」になっても救ってくれる他の党がないから残骸だけが残っている「北朝鮮の拉致なんてあり得ないし慰安婦問題では日本人は恥を知らないと騒ぎ中国の利権拡大に頑張ることが大好きな党」が言うことかっつーの。もちっとまともに歴史学べば何が史実か分かるだろうに、一体誰から金もらってるんだって聞きたい。


話は逸れる。上記のような政治的悪口書くとまたも筆禍になるかもしれないが、けどぼくはビジネスマンである以前に人間であり日本人だ。ビジネスに不利益な事を書いて売上が落ちてもそれは「覚悟する痛み」である。金のためにおべんちゃらや思ってもない事を言うつもりはない。だって自分の子供が拉致されたらどうする?自分の国の領土が不当に奪われて黙っていろと言うのか?


ぼくはビジネスマンである以前に人の親であり日本という生まれ育った故郷を大好きだ。だから拉致事件が起こった当時に「北朝鮮がそんな事するわけないじゃないですか、あそこは地球の楽園ですよ」とほざいたバカどもだけは一生許すつもりはない。これだけは、はっきりしておく。

                                                                                                                     

話を戻して、ぼくは橋下氏を好きでも嫌いでもない。感情的にはあの戦う姿勢は嫌いではないがビジネス的には戦い方が下手になったなと思っている。自分の出自に関する戦いは実に上手だったのになー。自分の欠点部分を見事に利用して逆転したあの時の戦いは大したものだったと評価している。


またも話はそれるがうちがTV1(日本で言えばNHKのニュース)とNZヘラルド(読売と朝日が一緒になったような全国紙)の共同ですんげー会社バッシング、メディア攻撃を受けた事がある。


あの時はよく戦って全く売上を落とさないままに結果的に移民局と労働局を味方にして全面勝利したが、戦ってる最中は本当に苦しかった。だってこっちはアジア移民で相手はNZ生まれの白人で日本で言えばNHKのニュース司会者や全国紙の編集委員相手の喧嘩なんだから普通に考えれば勝ち目はゼロだ。


当時は記事に出た時すぐに現地に飛び事実関係をチェックして誰が喧嘩相手で誰が味方に付いてくれるのかをすぐ確認して戦略を立てて戦術を検討して戦闘した。まさに弱い奴の戦い方を実行した結果として成功した。自分が弱い奴として喧嘩をしてきたから、だからこそ戦い方の大事さが分かるのだ。


話は戻って橋下氏、彼は本来政治的には思いっきり少数派であり弱い奴の戦いをせねばならない。なのにいつの間にか自分を強いと勘違いしたのではないか、強い奴の戦い方をやっていると感じた。


少数派の戦いはゲリラ方式である。敵を10人殺してもこっちが1人殺されたら負けである。だから常に自分を守りつつ負ける喧嘩は歯を食いしばって恥をかいても絶対にやらず、大きく勝てる時だけ勝負に出る。


グレーター大阪構想は政治的にはありだと思う。しかしそれは維新の会がもっと経済的に大阪を発展させた上でやれねばならない。政治的理想だけでは一般市民は動かない。


日本の政治が三流なのは国民が三流だからだ(おれは口悪いなー、だからいつも文句言われるんだなーって思いつつ、このくだり書いてます、けど事実は事実です。ちっちゃいけど政治的には一流なNZでグレーターオークランド計画を成功させたオークランドを自分の目で見てますから)。


三流国民に対して「こうすれば議員も減らせる、二重行政のお金のムダも省ける、何より東京と対決出来る」なんて言っても、彼らは足元のぬかるみしか見ていない。遠い明日は誰も見てないのだ。


彼ら選挙民が見ているのは自分の経営するうどん屋の目の前にある堺市役所の職員が減ったら自分の店のうどんの売上が減るって心配である。


議員が減れば議員歳費も減るし行政が一本化すれば職員も合理化出来る、ひいては行政経費が大幅に削減されるって言えば、じゃあ自分の子供をコネで市役所に入れたのにあいつは首になるのかと考えてしまう。


これが例えば堺市民に一般論として「ある会社に3つの異なるシステムがありそれぞれに毎年の経費が1億円かかってます。合計で3億円ですね。けれどシステムの内容はすべて同じです。このシステムを統合すれば毎年の経費が1億円で済みます。もしあなたが社長ならシステム統合しますか?」と聞いてみれば良い。


人は理では動かず利で動く。「竜馬が行く」でも同様の場面があった。坂本龍馬が諸藩を協力させようとした際に仲間の一人が「そんなの、各藩を回るだけでも大変だ」と言った時に竜馬は「そんなの簡単だ、相手に来らせれば良い、理屈で言っても人は動かんが利益があれば人は飛んでくる」と言った。


その通りである。だから堺市民に対して、てか大阪地域全体の選挙民に対して理屈で話しかけることが「強い奴の戦い方だ」と思うのだ。強いやつとは自民党である。


自民党が地域の選挙民全部に対して「統合すれば地方税を半額にします!」と訴えれば、選挙民は今までの自民党の経済的実力を知っているからこれは結構本気で考えるだろう。自民党くらい力があれば理屈も利益もまとめて提案出来る。


しかし、維新の会にはまだそこまでの実績がない。つまり伊丹の、じゃなかった成田、でもないや、痛みのある改革を実行するには、まだまだ弱いやつなのだ。


だから今の時点で大阪都構想を選挙の焦点に持ってくるのはきつい。もう少し大阪の人々の利益を目に見える形で示してから、つまりうどん屋のおやじの売上を伸ばしてから「あのさ、グレーター大阪やるとな、おっちゃんの店、もっと儲かるんやで。」と説得スべきであろう。


そういう細かい現実的な利益を三流国民に見せもせずに理屈ばかり述べてそれで選挙で負けて「維新の会の主張が市民に届かなかった」なんて言っても、そりゃグレーター大阪を戦いの場所にした戦略的失敗であり、戦闘でどんなに踏ん張っても勝てない、準備不足で負けるべくして負けた試合である。


今回の敗戦が橋下氏の勉強になればと思う。孤軍奮闘する彼が自分の戦い方を今回の選挙で学び、政治的にもっと体力を付けてくれればと期待する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



tom_eastwind at 20:51│Comments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

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