2013年10月24日

盲信

ガンとガンモドキ、DNA研究者の医者、両者がガチで癌治療に関する医療哲学を語っている。どっちも面白い。

 

ガンには良性のガンと悪性の癌があり、良性のガンは体内に存在するものの宿主を殺して自らも死ぬようなガンではないので身体にメスを入れたり悪い影響を与える投薬などで治療する必要はない、かえって体を壊すだけだという。

 

そして悪性の癌であればどれだけ治療しようと確実に死ぬのだから無理に放射線治療をして身体を壊してぼろぼろになった挙句に死ぬよりは痛み止めだけもらって寿命が来るまで普通の生活をしていれば良いというのである。

 

反対に治療派閥のいうことは医者は「ヒポクレテスの誓い」から始まり医療は人を治すことであると主張して人の病気を治すことをせずに自然死を認めるようであれば医者は自分の存在を自己否定しているようなものだと主張する。

 

自然派はガンというテーマに区切っての話であり、怪我や結核などの治療可能な病気まで放置しろって言ってるわけではない、あくまでもガンが不治の病であるからだ。

 

これ、結構大きな問題である。人生の根幹の部分だ。

 

ぼくの行き着いた答は自然死派である。人はいつか死ぬ、ならば治療の副作用で苦しんだ挙句に身体をぼろぼろにしてから死ぬくらいなら尊厳死を選びたいものだ。

 

それでも、だからと言って医学の進歩を否定するものではない。常に医学は進歩すべきであり戦前であれば死の病と言われた結核も医学の進歩で咳の延長くらいになった。

 

遺伝子治療が進めばガンもいずれ痛みもないままに治療出来て人間はピンピンしたまま90歳まで普通に歩きまわって生活出来て、肉体が完全にガタが来る90歳過ぎにある日突然コロリと眠るように死ねれば、それが一番良いと思っている。

 

うちの奥さんの母親は亡くなるまでうちの家族と同居してくれてた。オークランドで孫の面倒を見ながら70歳過ぎだったかな、それまでピンピンとして料理も洗濯も掃除も全部やってくれてたのだが、ある日突然「何だか指先がチクチクするね」と言って奥さんと一緒に近くの病院に行ったらそのまま緊急入院。

 

特に悪いところもなさそうなのに医者は「この体はもう寿命です」みたいな事を言った。その時はなんだろう?って思ったが、普通にベッドに座って食事をしながらその4日後に一言何か言ってふと息を引き取ってあの世へ旅立った。

 

中国南部で生まれて戦時中は日本軍の支配下に置かれ戦後はすぐに共産党がやって来て、その為に中国から命からがら逃げ出して香港にたどり着いた難民なので旅券もなく「避難民証明書」だけを持って生活をしてた。晩年は娘と孫に囲まれてオークランドの日当たりの良い部屋で暮らしていたので、終わりよければすべて良し、、かな。

 

中村天風も死ぬまで生きてた???じゃなくて、息を引き取るまで周囲に気を使い92歳の長寿を全うした。

 

話は逸れるが現代の人間の体の肉体的寿命、いわゆるガタが来るのがこれくらいの年齢なのだろう。以前見た夢の中でぼくは2044年のチベットで元気に銃を振り回しつつ私立探偵やってた。85歳である。その頃は多分医学がますます進歩して100歳くらいまで元気で生きているのかもしれない。

 

いずれにしても医療は医者の問題というよりも本人の死生観の問題である。元気な時は何も考えずに健康に悪いことばかりやっていざ病気になったら急にびびって死ぬことが怖くなって、周囲の他人にすぐに口出しして「あのな、病気ってな、大変なんだぞ」なんて、みっともないぞ。そんなこと言われなくても知ってるって。君と僕の死生観が違うだけだから。

 

そう言えば医療保険に関するお問い合わせをずっと以前に頂いてたがなかなか書く機会がなかったのでこの場でぼくの事をお話しておくと、うちの家族は誰も民間の医療保険に加入していない。政府の医療が手厚いニュージーランドで健康なんだし、病気になったらその時に実費を払った方が良いと考えている。

 

その理由として一番には費用対効果がある。民間の保険会社はビジネスとして保険を販売している。つまりお客が支払った保険料から保険会社の社員の給料やオフィスの家賃や株主への配当があるわけで、例えばぼくが100ドル払えばそのうちの30%くらいは間接経費である。残って残留資金が保険金として支払いされているわけである。

 

ならば自分が稼いだお金を銀行に貯金しておき利息を稼いでおいていざ病気になったらその中から取り崩せば良いと思ってる。それに大病の場合は政府が費用を負担してくれるので、わざわざ民間の保険会社の会ったこともない人の給料を払う必要は感じてない。

 

ついでに言えばこの国では定期健康診断という考え方がない。人間50歳を過ぎたら大体どこかにガタが来るものだ。それを健康診断でいちいち見つけ出しては修理なんてしてたら国民の税金で賄われている医療費が増大するわけで、不要不急の病気であれば放置しておけって考え方である。予防にお金を使うよりは治療にお金を使った方が安いという医療経済学である。

 

もちろん男性の前立腺がん、女性の子宮がんや乳がんなど病気になる確率が高く医療費が高くつく病気は無料で健康診断をやってくれる、そのほうが費用対効果が合うからだ。

 

日本は税金を払う時は文句ばかり言うくせに自分が病気になった時は大した事なくてもすぐ病院に行き保険を使いまくって、それ税金だよって言う意識がない。中にはタクシー代わりに救急車を使うバカもいる。病院をデイケアか老人ホームか何かと勘違いして病気でもないのにしょっちゅう病院に通う人もいる。

 

いずれにしても、健康な間に自分の死生観を持つ。その結果として治療を受けるもよし拒否するも良し。一番みっともないのはその時になってオタオタすることだ。



tom_eastwind at 14:47│Comments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

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