2013年11月01日

羊頭狗肉

「投資対象としての魅力を探る」

「みなさんこんにちは。ニュージーランドにある投資銀行のプライベートバンキング部門で〜」

 

最近見た記事で「富裕層に人気のニュージーランドへの移住について」を「投資銀行のプレイベートバンキング部門」で勤務している人がご案内って話だが、勿論書いている本人は現実を知らないんだろうが、よく言うわ。

 

プライベートバンキング部門ってのは顧客の依頼を受けて約8億円の送金をしたら何故か8億8千万円を誤送金してしまい、資金の受け取り先から「これ?8千万円多すぎやしねえ?」と銀行ではなく顧客のエージェントに連絡が来て発覚するまで自分たち実行犯は全く気づかねいヘマをやらかす部門の事でしょ?

 

挙句の果てに「え?それってお客が書き込む金額を間違ったんじゃないの?」くらいの勢いで返信があり、ジョーダンじゃねえぞ、こっちが書き込み内容まで全部チェックしたちゅうのに!もいっぺん調べて来い!と言ったらこそこそと顧客に直接電話して「大丈夫、あなたの必要とされるお金はちゃんと相手に届いたから安心して下さい、ところで余分なお金はどうしますか?あなたの口座に戻しておきましょうか?」などと平気で言うような部門の事だよね。

 

富裕層がニュージーランドに移住するってのはあなた方のような部門にお金を預けて勝手に他人の口座に誤送金させるためじゃないっつうに。

 

先日もあるお客と話をしていたら、どうも日本在住に日本人には「ニュージーランドでは銀行が普通に送金ミスをする、両替したら金額間違える、お客の目の前で一緒にお金を数えて裏に行って戻ってきたら“100ドル不足していますね”なんてのは日常です」って言う現実が信じられないようだ。

 

ロトルアの中国人ビジネスマンが銀行に10万ドルの融資を依頼したところ1千万ドル!が振り込まれ、翌日そのビジネスマンは金を即刻香港に送金して本人も中国に逃げたという有名な話がある。ビジネスマンはその後逮捕されたが送金した側が何かの刑事罰を受けたという話は聞いてない。

 

こりゃまあ、失敗することは当然であり失敗した事が問題ではなくて他人の失敗を利用して金儲けを図った方が悪いのだって理屈なんだろうが、要するに1千万ドルだって他人の金だし俺の知った事かって話である。

 

これだけしょっちゅうミスしてるのに新しいお客にはプライベートバンク部門アジア担当のトップが平然と「当行はオセアニアで最も大きな銀行で預かり資産がこれだけあって、だから安心でしょ!」なんて平気で言うんだから、全く空いた口が塞がらんってのはこの事だ。

 

だったらまず誤送金止めて両替間違いを止めて窓口入金の記載ミスを止めて、少なくとも自分がやったミスくらい素直に認めて謝って誠実に対応してから言えっちゅうに。

 

日本の皆さんが誤解のないように正確に申し上げておくと、まずニュージーランドには投資銀行は存在しない。投資銀行とは米国に存在する(した)証券などに投資をする証券会社的な銀行の事であり、ニュージーランドに17行存在する「銀行」と名前の付いているのは商業銀行であり両替とか預かりとか送金をする機関の事である。そしてその実態は両替金額も間違うし預かりも記載ミスするし送金させれば誤送金する機関のことである。

 

続けて言えばプライベートバンキング部門というのは一般的に理解されているスイスにあるようなプライベートバンクではない、全く違う。あれは単なるパーソナルバンキング、つまり大口顧客対応窓口であり、普段は立派なオフィスに座って立派な事は言ってるがやっているミスの内容は通常の受付窓口でやっていることと変わらない、ただ桁が3つくらい大きいって事だけだ。

 

それがばれないように自分勝手に「プライベートバンキング部門」なんて名前を付けているが、それはマトン肉を出して「これはラム肉だ、だってどちらも羊肉ではないか、名前なんて年が変われば変わるんだ」などと訳の分からん、それこそ阪急阪神ホテルの言い訳のようなものだ。

 

最初から自分の正体をはっきりさせておけばまだ良い。例えば「ぼくはしょっちょうミスをする弱い人間です、けどミスは認めたくないので誤魔化してます、こんな僕でよかったら使って下さい」と言われればまだ可愛いものを、いちいち「投資銀行」とか「プライベートバンキング部門」などと白々しい嘘をいうから勘違いをさせることになるのだ。

 

ことは銀行のみに関わらず、大体においてこの国はミスが多い。路線バスが道を間違えたり(時間間違いは年中無休で起こっている)するのはこの街の日常風景の一つである。

 

それには原因があり、子供の頃から褒めて育てるし何かをトライさせて失敗しても決して失敗した事を問題とせず必ず「次はね、こうするんだよ」と教える文化にある。その文化自体は大変良いことだと思うが、けどそれを大人になっても繰り返されては一体何のために子供の頃に失敗したのか、である。

 

キッザニアみたいにこども銀行でも作ってきっちりと数を数える訓練からしてこいっちゅう話である。

写真は向かいのビルで窓拭きをしている人々です。山登りの趣味と高層ビルの窓拭きを兼用しています。
あ、ちなみに自転車で郵便配達をしているかっこいい人たちはトライアスロンの練習がてら郵便配達をしてます。
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tom_eastwind at 14:25│Comments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

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