2013年11月12日

出張の中の日帰り出張

今日は朝からウエストの肉卵海老天入りうどんと牛すじおでんを食べる。ほんと、福岡に来ると朝飯はいつもウエストのうどんだ。勿論福岡の名物といえば豚骨ラーメンでありそれに何の代わりもないのだが、しかしうどんも実に美味い。

 

福岡に住んでた頃は牧のうどんが大好きで車で移動する時はしょっちょう牧のうどんでお昼ごはんを食べてた。ここのうどんはご存じの方も多いと思うが、うどんを食っても食っても丼の底から沸き上がるようにうどんが増えてくる現象だ。

 

勿論どんぶりの下に自動製麺機が付いてるわけではない。加水率ってのが関係しているのだが、麺がつゆを吸ってどんどん膨らんでいくのでまるで麺が湧き出てくる感じがするのだ。

 

ウエストは1980年代の味は近くに他のどんな店が開いてなくても絶対に入らず家でラーメン作った方がよいくらいだったが2000年代に入ってすんごい美味しくなった。付け合せのおでんやかしわ飯も美味い。うちの家族も大好きで福岡に来ると必ず家族で食べている。美味しいものに国境なしとでも言うべきか。

 

今日の訪問地は久留米市である。福岡の南部にある人口約33万人の地方都市であり福岡から新幹線で20分、西鉄電車特急で30分のところにある。昼までメール整理をやって昼過ぎには仕事用の道具をカバンに入れて出張の中の日帰り出張だ。

 

町の歴史は長く米の産地としても知られている。「久しく留まる米」が久留米の語源とも言われている。特に有名人を輩出している街としても有名で、JR久留米駅では駅内放送でいつもチェッカーズや松田聖子の歌がかかっている。

 

この街は何か一種独特な「気」が流れており人々が普通に大きな事を考えて自分を100%信じて苦労するふりもなく何かを成し遂げるという性質がある。それは久留米内にいると周囲が同様なのであまり感じないが、例えば東京や海外などに出るとその性質の違いは明らかである。

 

同じ日本でも東北や北陸地方は非常に保守的であり生まれた村から出てくなんて考えもしないし、あえて出るとしても行く先は東京であり、東京が移住先であり海外なのだ。

 

ところが福岡県ってのは京都政権が始まる前からすでに朝鮮半島や沖縄経由中国の貿易文化を持っており、福岡から東京に行くよりもソウルや上海の方が近いという距離感である。第一1500年には江戸城なんて存在してなかった。だから東京に目を向けることもなかった。

 

早い時期から仏教が伝来して街にはたくさんのお寺がありどこも軽く数百年の歴史を持っている。だから海外に出ることに何の抵抗もなく、むしろ東北にある東京よりも南西にあるアジアや世界に向けて広がっていったのだ。

 

福岡の方言で「出虫(でむし)ですけんねー」というのがある。体の中にある何かの虫が海の外に出たがるという意味で、現代においては遺伝子として知られている要素が九州人にはあるようだ。

 

今回の久留米、実はとんこつラーメン発祥の地でもある。日本全国から見れば豚骨は博多ラーメンとか福岡発祥と思ってるかもしれないが、本家本元は久留米の豚骨ラーメンである。福岡のとんこつラーメンの場合、特に長浜ラーメンなどは豚骨でもあっさり系で魚介類も使っているが久留米の豚骨はほんとに豚骨だけが中心で、これはもう日本で一番美味い。

 

東京で豚骨スープを使ったなんちゃら系とか家系とかあるが、その原点は久留米である。さらに東京でとんこつラーメン店「なんでんかんでん」を大流行させたのは福岡出身の河原さんだ。

 

ということで本日は新幹線に乗りJR久留米駅に到着したのだが、これが寒い!丁度日本中を寒波が覆っておりコートを持つ習慣のないぼくは駅から出ていきなりふきっさらしの中、お客様の経営するレストランに向かう事になった。

 

今回の目的は来年の計画のリトル福岡の第一回説明会である。説明会と言っても硬苦しくなく、まずお客様の経営する居酒屋でわいわいがやがや酒を飲みながらヨモヤマ話をしましょうって趣旨だ。

 

お客様といくつか打ち合わせをしてからちょっと時間があったので西鉄久留米駅をぶらぶらするが、ここって昭和がそのまま残っているよねってお店ばかりで、受けたなー!駅内にあるレストラン街も何故か甘味屋なのにちゃんぽんや焼きそばがメニューにある。

 

座ってみると椅子も昭和の時代の設計なのだろう、まるで大人が小学校1年生の椅子に腰掛けたような感じで、ソーダフロートを注文したらまさに昭和のソーダフロートが出てきた。

 

久留米にはマンションと言う名前のアパートがたくさんあるなーとか思いつつ商店街は昼間からシャッター閉まったところが多いのだが、ちょっと表通りに出てみるとお洒落な居酒屋、焼き鳥屋、とんこつラーメン店が軒を連ねている。

 

地元の人の話では人口比率で焼き鳥屋が最も多いのが久留米だそうだ。そう言えば以前は久留米でB級グルメ大会やってたのに最近はどうしたんですかって聞くと「ああ、あれですね、何か元々は久留米で始まったんっですけど今は久留米が外れてるんですよ、何か方針が合わんかったみたいですねー」と言われてた。

 

その人曰くは「久留米人は独立心が強い分他人と組むのがあまり得意じゃないんでしょうね」。てーことは久留米は中国人と同様のビジネスマインドなのかな?とか思ったり。

 

久留米はブリジストン発祥の地でもある。他にもお菓子の銀のスプーンも久留米が本社、ほっかほっか亭を凌駕したホットモットも久留米が本社だ。街はちっちゃいのだが世界に通用するビジネスをやっているのも事実。感覚的に世界と日本の区別がつかないのだろう(苦笑)。

 

僕は1980年代には久留米によく飲みに行ってた。最初は中洲で飲むのだが久留米から痛勤してる仲間もいたので夜の11時ころからタクシーに乗って約1時間かけて久留米に行き、屋台で飲んだり文化街で飲んだりして朝まで遊んだものだ。

 

この日も夕方になると皆さんそれぞれの仕事を終わらせて三々五々お集まり頂き、集まった人から適当に飲み始めてずーっと馬鹿話をしたり最近の情報交換とかやりつつ最後のお一人が揃ったところで今回の企画趣旨を簡単に説明、また飲み始める。

 

これもなー、九州文化が中国文化と近い行動パターンである。「まずは飲みましょ!」が基本にあり、酔っ払っても皆あまり気にしない。どんどん次の店に行く。全員が何かのビジネスの経営者であり片手で忙しそうにケータイかちゃかちゃやりつつ仲間と大騒ぎして、まあとにかく元気が良い。

 

こうやって初対面同士の、まるで異業種交流会のような久留米の飲み会は真夜中過ぎまで続く。



tom_eastwind at 21:23│Comments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

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