2014年01月21日

肥満大国ニュージーランド?


ニュージー大好きは日本人向けの情報サイトでおそらくいちばん情報が多い。地元ネタを見るときにもよく利用させてもらってるが、今日も面白い記事を見つけた。


***記事開始***

 Oxfamの調査で、ニュージーランドは世界でも最も肥満の多い国の一つにランクづけられた。この調査は、国民が何を食べたかを含む、Oxfamの最初の食物事情調査で、125カ国を対象に行われた。


 この調査は、国民に充分食べ物があるか、買える範囲にあるか、食べ物の品質、不健康な食物の度合い、の4つのカテゴリーに分類される。ニュージーランドは国民に行き渡る充分な食べ物はあるが、値段的にはそれほどよくはない。


 肥満に関しては、アメリカ合衆国や南アフリカよりはマシだが、悪い方にランクづけられる。これは、食物価格がやや高めであり、多くの国民が健康な食品を買わないことに一因があると思われている。

生活   2014120

***記事終了***


こういう記事は思考訓練として役立つ。つまり書かれたものをそのまま真に受けて「へー、ニュージーランドって肥満が多いんだ」って思うのではなく「あれ?シティを歩いててもそんなに肥満が多いとは感じなかったような?」と健全な疑問を持つ訓練だ。実際にニュージーランドを訪れた事がない人には判断が難しいだろうが、今ニュージーランドで生活をしている人には役立つ訓練である。


ニュージーランド全体で捉えると対象がぼやけるのでオークランドで考えてみよう。この街は世界でも有名なLes Millsと呼ばれるスポーツジムがありシティのオフィスビルでも空き室を利用したスポーツジムが盛んである。


そのようなスポーツジムは朝の6時位から賑やかになる。ビジネスパーソンは朝早く起きてオフィス近くの駐車場に車を駐めてジムに行きランニングとかストレッチングで一汗流してから8時30分ころにオフィスに出勤する。


朝6時、日の出前から自宅近くを走る人もたくさん見かけるし昼食時間を利用してスーツと革靴ををロッカーに放り込んでTシャツに短パン、運動靴でシティを走る人々もよく見かける。


そのような人々は細身とまではいかなくてもきりっとした体型を保っているし女性などはそうとうに磨き上げた体型をしている。これのどこが肥満なの?と不思議に思うくらいだ。


ところが同じシティでも身体に悪そうなジャンクフードを腹一杯に食った挙句に運動もせずにジムにも通わずだぶだぶと太ってまるで西洋ナシのようになった人々もたくさん見かける。


両方を足して2で割れば、確かにオークランドに肥満が多いとも言える。たぶん彼らの頭のなかでは自由と無責任の区別がつかないのだろう。


「この国は自由なんだ!何を食べてもいいんだ、何をしてもいいんだ!」くらいに開き直ってバクバク食う人もいるだろうが、多くの人々はそういう事さえ考えずにとにかく安くて腹をふくらませる食い物ばかりを選んで食っているのだろう、それが自分の身体にどのような影響を与えるかも考えずに。


高級スーパーマーケットに行けばオーガニック食品が売られているが低価格を中心とする店ではコーラやチップスがよく売れている。


統計で見ればニュージーランドやオークランドは肥満の国や街といえるかもしれないが、今起こっている現象は二極化である。これを一つの国家統計として捉えようとするから無理がある。



シティで働き収入もありオーガニックフードをシティの高級スーパー「ニューワールド」で購入してジムの年間会員に入って毎日運動しているような人か、または上記に書いたように低い収入または定収がなく全く運動もせずにコーラの1リットルボトルをがぶ飲みしジャンクフードばかり食べてディスカウントショップで大量のチップスを買い込んで値段だけは高いタバコをブカブカとふかしている人々か、どちらかなのだ。


だから統計で言えば米国より「まし」であっても肥満層は米国並みに肥満である。ただそれを補ってあまりあるLes Mills教徒(このジムに熱心に通う人々は時々宗教団体と間違えられる→半分冗談、半分ほんと笑♪)やスポーツ習慣を身につけた人が多いという事だ。


一般的には一定以上の収入がある親の助けで子供が十分な教育を受けて食育の大事さを理解して出来るだけ自然な食品を購入する両親を見ている子どもたちは、自分の健康の大事さを理解してタバコは吸わず常に運動をして健康な身体を維持しようとしている。


もちろん太る体質の人がいることは理解している。そういう人は知性があっても太めの身体になるが、それなりにきちんとしている。だらだらではないのだ。


「国民に充分食べ物があるか、買える範囲にあるか、食べ物の品質、不健康な食物の度合い、の4つのカテゴリーに分類される」とあるが、「ニュージーランドは国民に行き渡る充分な食べ物はあるが、値段的にはそれほどよくはない」と言っても食糧価格は買える範囲に安くて良い物がたくさんある。


値段的によくないって意味が何なのかよく分からないがニュージーランドのタバコは世界的に見ても非常に高いのに低所得層の喫煙率が高い、つまりタバコを買うカネやビールを買うカネはあっても良い品質の食べ物を買うカネはないという現実は無視出来ないはずだ。


不健康な食べ物、これはコカ・コーラやチップスが世界中で売られてるわけで度合いの問題ではなくそれを買う人の個人的問題である。ちなみにぼくは週に2回くらいはコーラを飲む。砂糖が不足していると感じる時に昼食時にちょこっとである。


ただ肥満の問題、ぼくは価格とか以前の問題で個人の資質、つまり労働に価値を置かず人のものを盗んでゲラゲラと笑うようなバカ親を持った子供が親の真似をして仕事もせずに万引きや置き引きを遊び感覚でやって、毎日ブラブラしてコーラとチップスばかりの生活の挙句にタバコと酒を覚えて全く自分を尊重しようとしない、ひいては人間の尊厳を無視するような生活環境に問題があると考えている。


今のところ政府は様々な施策を取ってはいるが肝心の肥満層が自分自身にも自分の子供の教育にも何の関心も持たずにいる限りは手のうちようがないのが現状だろう。


数カ月前のオークランドのニュースで、朝ごはんを食べてない子どもたちが授業に集中出来ず問題になり企業が無償で子どもたちに朝食を配るという記事があった。その時に出た批判は主に「親が生活保護で十分なカネを貰っているのにそのカネを酒やタバコや博打に遣っている現状が問題であろう、朝食を無償提供すれば親はますますタバコや博打にカネをつぎ込むだけで意味がない」と指摘があった。


単純に肥満だけの調査を見てもその原因を食べ物だけの一面を見ていては答は出てこない。まず机上の数字を知ることは大事だが健全な疑問を持ってその裏にある全体図を読み取る訓練をしていれば、簡単に数字に惑わされることは少なくなるだろう。



tom_eastwind at 20:07│Comments(0) 諸行無常のビジネス日誌 

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