2014年03月01日

土曜日の朝



金曜日は朝からそれなりに重くて面倒くさい案件を一つ一つぐさぐさと片付ける。午前中の案件でビザ関連の話をして方向性を見つけて地元銀行から提案があった分についても道筋をつけて、その合間に週末の個人的な大作業である洗濯機の使用方法の仕様手引をネットで見つけて「よあっしゃ!これで週末に洗濯出来るぞ!」とわかり、たぶんこれが一番嬉しかった(ははは)。

 

ぼくが初めて炊飯器を使ったのは今から5年位前ではないだろうか。洗濯機に至っては海外生活開始以来おそらく明日が人生初デビューである。人には誰も適材適所があり、ぼくはどうも電気を使った家事が得意でないようだ。

 

何故ならいつも家電メーカーの話を真剣に聞いて結果バカを観ることの繰り返し。だって彼らは全自動洗濯機だってのに出来上がったものはしわくちゃのシャツだ。どこにもアイロンがかかってないし折りたたんでないしタンスにも入ってくれない。一体どこが全自動だ、単なる電動たらいじゃんか。

 

「この掃除機はほーら!何でも吸い取りまーす!」なんて漫画の猫が吸い込まれるが実際には猫が吸い込まれることはあり得ない。嘘つきめ。

 

トースターだって彼らが焼いたら綺麗なきつね色になるのに同じように僕がやると焦げる。

 

たぶんぼくは他人の言うことを真面目に受け止め過ぎるのだろう、それが営業トークだなんて言われても僕には理解出来なかった。営業トークと言えば嘘をついて良いのか?

 

その頃からだろう僕の仕事スタイルは「良いこともわるい事も含めて本当の事を、相手に分かる言葉で言う」ようになった。

 

仲間には「それさ、格好良く聞こえるが大変だよー」って皮肉そうにからかわれながら言われたが、じゃあ他人に嘘言ってモノ売って、それで次にその人にどんな顔をして会えるのか?ぼくはそのほうが大変だ。

 

結局ぼくが料理で唯一覚えたのは小鍋でラーメン作って卵落として食べることだけだったが、それは今でも良い思い出だ。洗濯に関しては今でも出張中、例えば今回のように24日の旅をしても下着は3日分しか持ってない。毎日ホテルのお風呂に入る前に手水で一つ一つ手洗いしてハンガーにかけてこまめに乾かして使いまわすから3日分でも余裕だ。

 

それ以降ぼくが電気の通ったものを使って何かをすることよりもその道のプロに仕事をしてもらい、ぼくは昼間働いて納税して残ったカネでそういう店で飯を食ったり服を洗ってもらう方が効率的と思ってそう実行している。

 

ぼくの考えが実現されている国で住んだことがある。それが香港だ。あの国では1960年代から70年代の公共アパートに台所はなく、食事は毎朝階段かエレベータで一階に降りて飲茶をするのが朝食であり、昼は仕事場の近く、夜はアパートの敷地内の大きな中華レストランと相場が決まっていた。

 

そりゃそうだ、お粥なんて少人数をちょこちょこ炊くよりも何十人分を一度に炊いた方が美味しいに決まっている。夕食にしたって同様で、家族5人で食える量は決まってるしそれならレストランで食ったほうが良いとなる。

 

問題は価格だが、こういう公共住宅は台所がないのでアパートの一階のレストランは確実に客が確保できるから価格競争がしっかり働き、結果的に住民は栄養があって美味しいものが食える。

 

その結果として香港の一般家庭では家事の時間から開放されて夫婦や家族生活を楽しむためにフィリピン人のアマさんを雇う習慣が出来上がった。

 

日本でもこれはありじゃないかと思う。戦前の日本では家政婦がいたわけだし、ただ日本人だと価格が合わないからってことでフィリピン人のアマさんを雇うってのもよいと思う。

 

ニュージーランドではまだすべてが自分でやる文化だ。たぶんこの国でそれが変わることはないだろう。お隣では今日もガーデニングしてて、窓越しに草いきれな香りが飛んでくる。何もかもが手作りの国。

 

そんな国で洗濯機の回し方を考えつつ、やっぱり正しく、人の為に仕事をするからこそ今まで約20年生きてこれたんだよな、やっぱ愚直が一番だよなーって思った今日でした。



tom_eastwind at 13:56│Comments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

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