2014年03月22日

春闘とサービス残業

今日は週末でもありヒマネタです(笑)。

今年の春闘は大手が賃上げを行い普通なら労働組合も「賃上げバンザイ!」となるところだが今年は一般職員が「安倍様バンザイ!」であろう。

 

何故なら今年の賃上げ闘争は政府が労働組合の代わりに賃上げを企業に要求したからなのだ。そして更に「賃上げしないと痛い目に遭わせるぞ!」とストライキ以上に怖い担当大臣の脅し付きでやるんだから一般的には強要、脅迫罪が成立するのではないかと思うが(苦笑)自分個人の儲けの為にやってるわけではないので政府が正義を要求するという視点から見ればこれも「あり」だと思う。

 

これに対して世間一般では「国が民間企業経営に口を出すのはおかしい」とか「国がやるべきは労働基準法の順守でありサービス残業の取り締まりであるべきだ」とかの意見を聞くことがある。

 

しかしぼくはこの点では民間側の視点がずれてると思う。

 

まず「国が民間企業を〜」と言うが日本政府(官僚)の視点では日本では国が日本株式会社であり会長は総理大臣で社長は官僚次官で取締役は各官庁だ。トヨタなどの自動車産業は製造部にしか過ぎない。だから社長が製造部長に「お前の部署の賃金を上げろ」というのは自然な作業である。

 

実際どこの産業においても対応する各省の官僚が通達や法律を通じて民間企業を支配しているのは明確だ。銀行業界、金融業界、建設業界、自動車業界、医療業界、どこもすべて政府の認可がでなければ手足も動かせないのが日本の民間業界である。日本株式会社から逃れて本当の意味での民間企業になるのであれば規制のゆるい外国に行くしか無い。

 

社長や会長は日本株式会社全体を見渡しており今回の消費増税で景気が腰砕けにならないように大手企業だけでも派手に賃上げをやって増税や政府赤字を隠したいのだから製造部の実働部隊(民間企業)に賃上げを要求する。今回の春闘の賃上げは日本という大きな地図の一部分にしか過ぎないことを「製造部」は理解すべきだ。

 

そして日本の労働組合はそろそろその寿命を理解して解散してストライキ用と称してがっぽり溜め込んだ組合費を返却して(もちろんその際は幹部連中が組合費で買ったヨットも没収ですね)組合員に対するボーナス支給として(このボーナスは税金の対象にならない、すでに納税した後のカネだから)更に今後は組合費を徴収しないのだからその分約3〜5%賃上げになる。こうすれば来る消費税増税に対応出来る。

 

実態としては今だ賃金が下がっており(世界の標準化)不景気感は抜けてないのだが東京だけは景気がよくなり高級時計が売れてマスコミは景気の良い記事を取り上げることで世間を「何となく」好景気に見せたいのだから今回の賃上げ要求も当然と言える。

 

そして労働基準法、特にサービス残業が問題になり「ブラック企業!」等という言葉が社会に飛び出して様々な企業が叩かれている。

 

だが21世紀の現在働き方が多様化しているのに1945年の工場作業感覚で作られた労基法が果たして今それほど順応するものだろうか?

 

もちろんこれは職種による。ただ多くの業務が次々とロボットに置き換わっている現在、長い時間をただ黙々と働くよりも一瞬のひらめきで新しいアイデアでビジネスを革新的に変化させるか又は今この世の中に存在しない製品をゼロから作り出す人間の方が余程効率的である。時間で計れない仕事が急増しているのだ。

 

それなのに「サービス残業は違法だ!法律だから絶対守らねば!」と言うならその労働効率をどう公平に評価するのだろうか?チャップリン時代の工場ではないのだ。

 

「サービス残業は違法だ!」という意見に対しては「給与はそもそも労働者の生みだす労働価値によって決定される。労働時間と関係のないマーケティング業務などの分野で時間内できちんと実績を出して残業しない人と、同じ職場でも要領が悪く手が遅くてだらだらとしか仕事出来ず長時間働いて残業手当を請求する人が公平と言えるだろうか?」

 

無思考に「法律だから!」と叫ぶ人に対しては、まず法律が時代に合っているかを考えて議論すべきではないかと思う。さらに「法律絶対遵守!」なんて言う人には今まで人生の中で一度も法律を破った事がないのか?と聴きたい。

 

労基法の一番の問題であるサービス残業であるが、例えばニュージーランドでは職種によって明確に残業手当がもらえる職種もあれば年収制度になっており残業手当が全くない職種もある。

 

例えばバスの運転手などは自己効率化をすることが出来ない職種だから決められたルートを決められた時間で回って労働時間を過ぎれば当然残業手当が請求出来るし未払いはまずあり得ない。未払いなんてそんな明確な労基法違反をすれば会社は速攻で訴えられて労基署がやって来て大変な騒ぎになる。

 

しかしこれがいわゆるマネージャー職だったり個人の創造力や企画力で業績が変化する職種であれば自分の力量でシステムを作り替えて効率的な活動で売上を伸ばすことも出来るし労働時間が長ければ良いという職種ではないので長時間労働しても意味はない。逆に長く働いても実績が出なければ「無能」となり次の人事で降格またはクビだ。これがホワイトカラーエグゼンプションである。

 

だから日本の硬直化した労基法など、本来は国会で議論して雇用のあり方や解雇のあり方すべてを含む「21世紀における労働とはどうあるべきか?」を決めるべきなのに肝心の国民が未だもって自分の都合の良い時だけ「労基法信仰」では国家も変わるわけがない。

 



tom_eastwind at 11:38│Comments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

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