2014年03月30日

汝あれこれ規則を作るなかれ

奥さんが「ショムニ」を見て時々笑いながら僕に聞く、「ねえお父さん、ニホンってこんなの?」(笑)。

 

誇張の部分やお笑いの部分もあるが日本らしさも混ざっているので切り離して説明するのが難しくて、だんだん自分でも日本の意味不明さの説明に言葉が詰まったりする。

 

もっともそれは香港でも同じことで奥さんが見てる香港の番組、例えば今日見ている香港の弁護士事務所を舞台にしたコメディ番組も僕が途中で「香港の弁護士ってこんな事やってんのー?」とからかいながら聞くと、途中までは真面目に話そうとするのだがどうしてもある一線よりあっちは説明不能となり近くにある鉛筆とかティッシュボックスを投げつけられて終わり(苦笑)。

 

そんな時偶然だが日本番組「ショムニ」と香港番組「愛・回家」で同じテーマがあった。「会社内の業務用コンピューターを私用で使った場合は違法か?」というネタ。

 

国が変わってもコンピューター私用の問題は同様なようで(笑)、日本では社員がアダルトサイトを見ててウィルスに感染されたってネタ。香港の番組では社員がフェイスブックにアクセスして友達や家族と会話してたってネタ。

 

それに対して管理職が「なんたることだ!会社のパソコンは公器(この漢字は日本も香港も同じ)である!、君たちがこの一ヶ月アクセスしたページはすべて会社が把握している!これは業務怠慢であり私用であり許されることではない!」と怒鳴る。

 

会社の意見に対して社員は「たしかにそう言われればそうだけど、なんかそれって正しいの?」って疑問を持つ。

 

疑問の内容は2つであり、公器を使って私用するのは何となく悪いと思うけど、じゃタバコ休憩はOKなのか?それならパソコンを私用してなくても何も考えずにぼけーっとしてたら就業規則違反でしょ?って事。そして公器といえど個人の情報まで会社が管理するのかって事。

 

これが例えばトヨタの自動車製造工場の現場であればパソコンを持ち込むことはあり得ないし決まった時間に決まった場所に立って決まった仕事をするだけなのでフェイスブックやエロサイトにアクセスすることなどあり得ない。

 

けどなー、21世紀になると朝から夕方までパソコンを叩く仕事が増えてるわけで、そういう職場で「公器である!」とか「私用である!」とかが通じるのだろうか?

 

パソコンを前に音声やメールで相手とやり取りをする仕事は工場作業のような単純作業ではない。時には息抜きに数分くらいファイルに入れてる子供の写真を見たりあいつどうしてるかなーなんて古い友だちのフェイスブックにアクセスしたりするのもありである。

 

工場のように時間で縛る業務と弁護士のように知識と実績で図る業務は違う。ましてや自分が使ってるパソコンが常に会社によって監視されていると思うとどんな気持ちになるだろう。

 

どちらの番組でも出てくるのが「就業規則」である。就業規則があることが当然と考える人も多いだろうが、もともと就業規則とは価値観の違うものが一箇所で働く場合の共通した守りごとである。

 

しかし価値観が一致している職場であれば就業規則がなくても「何となく、それ、だめだよねー」というのが一致する。紙に書かなくても全員が何となく納得するようになる。

 

例えば仕事の途中にタバコを一本吸いに行くのも半日に一回程度ならありだろうけど1時間毎に20分も席を離れればそりゃだめでしょ。接客商売なのに昼間から酒のんじゃダメでしょ。業務時間中に彼氏とずーっと私用電話してたら、例え個人のケータイとしてもダメでしょ。

 

例えば会社の食事会でずーっとケータイでチャットばかりやって職場の仲間の話に入らないのはダメでしょ。日曜日の社員同士の遊びの最中に宗教の勧誘しちゃダメでしょ。

 

等など、価値観が近ければ何となく共有するルールがあるものだ。そこに就業規則を持ち込むと逆に肩苦しくなり社員全体としては「ありでしょ」と思うことでも就業規則がこうなっているからって言われると「それ、おっかしくない?」となる。

 

古代中国ではある王様が自国の中で3つしかルールを作らなかったという。しかしその国は平和で国民同士のトラブルもなかったという。その3つが何なのかぼくは知らないけど、多分「汝殺すなかれ」「汝姦淫するなかれ」「汝盗むなかれ」とかそんな簡単なルールだったのだろうと推測する。

 

21世紀の現代、多くの職場ではパソコンを使うわけであり就業規則で私用禁止などとやるよりも「好き勝手に使ってもらって結構、けど与えられた仕事はきちんとこなして周囲の仲間に“それは駄目っしょ”と言われることのないようにね」という決まりだけにしておいた方が良いと思った夜でした。



tom_eastwind at 14:10│Comments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

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