2014年04月10日

居酒屋「富士の金太郎」オークランド店

今日のネタはオークランドの物価ネタですが宣伝になってる部分もあるので予めご了承下さい。

 

シティのスタンフォードプラザ内にある高級居酒屋である福岡県久留米出身の「富士の金太郎」、お客の入りも良くさすがに日本で居酒屋経営を成功させて頑張ってきた人々であると感心した。

 

価格は居酒屋並みに安くして味は日本並みに美味しく仕立てておりキーウィのお客にはワインも揃えて好評だ。

 

昨晩などはシティの英語学校に通う若い男女学生十数名が早速パーティをやっており、ここでは日中韓+アジア諸国の学生たちが楽しく騒いでた。シティの住民や学生はどんどん増えており彼らが今までは敷居の高さで遠慮してた店が居酒屋スタイルになったので若い人たちも遠慮なしにやって来れるようになったのだ。

 

店側でも盛り上げ方が上手いね、やはりプロは違う。ちなみに久留米は医学部を抱える大学が他都市に比べて多く店側が宴会慣れして得意なのも特徴だ。

 

僕は2月末に約一ヶ月の出張を終えて(12月も約一ヶ月不在でした・・・)オークランドに戻って来てから昼食を食べる時間があれば大体この店で昼飯を食ってる。(例えばカツカレーライスなしとか、、、はは)

 

とは言ってもこの3日間昼飯を食べてない。出張前で忙しくて食べる時間がないのだ。その代わりと言っては何だが夕食はこの3日間富士の金太郎で奥さんと一緒に食べている。

 

えっと、今日は富士の金太郎の宣伝ではなく昨日までのネタだったオークランドの物価についての続編だ。日本の居酒屋とオークランドの居酒屋の価格比較である。

 

まずは下記のウェブサイトを比較して欲しい。

 

これが富士の金太郎オークランド店の夕食価格だ。

http://www.kintaroonfuji.co.nz/menu_dinner.php

 

そしてこれが本拠地である福岡県久留米市にある富士の金太郎の価格だ。

http://r.gnavi.co.jp/f091908/menu4/

 

例えばオークランド店では昨日僕が食べたモツホルモン焼きは14.90ドル。約1490円だ(1ドル100円計算、実際は小売95円程度なので5%のずれがある)。普通にホルモンが焼かれてて(もしかして最初に揚げてるのか?味が二重に感じる)突き合わせの野菜と一緒に出てきて大皿の端っこに美味しい味噌が乗っかってるのでこれを付けて食べる。これ、旨い!今までのオークランドになかった味ですよ!

 

問題は値段ですよ。本拠である福岡久留米店ではモツ鍋が421円(税込み、以下も同様)!鍋にはもちろんモツだけでなく野菜やスープが付いてくるわけでどう考えても安い!そして全く同じ料理である「ピリ辛ホルモン」でさえ421円!

 

オークランド店の揚げ出し豆腐は9.90セントだから約990円。これに対して久留米店の厚揚げステーキは313円!

 

オークランド店のカレーは9ドル90セントだから990円。久留米店の黒カレーは313円!3分の1だー!

 

豚骨ラーメンに至ってはオークランド店が12ドル90セント=1,290円なのに対して久留米店は313円!と、何と4倍の違いである。

 

一体これをどう考えれば良いのだろうか?全く同じ系列のお店で同じメニューを出しててもオークランド価格は久留米の3倍である。

 

勿論日本の飲食店の家賃、人件費、食材費など様々な要素があるが、皿単価としてはオークランドの方が数倍高く取れるのは間違いない事実である。

 

そして3倍と言っても富士の金太郎オークランド店の価格は同じシティ内にある他店に比べて安い、だって居酒屋だもん、むしろサービスや量を考えれば他店より思いっきり安い。

 

例えばkatsubiという韓国人経営のテイクアウェイショップがあるけどここはSubwayの日本食版である。最初に丼にご飯を盛ってお客の好みの野菜を乗せ肉を乗せ最後にソースを掛けてカウンターの端っこでお金を払うのだけど普通に10ドルを超す。

 

店内には座りの悪いハイカウンターや外側にビニールで囲まれたパイプ椅子とテーブルがありそこで食べることも出来るが、このお店が大人気で昼食時になると行列が出来るのだ!

 

日本では普通のカフェや居酒屋がランチでワンコイン勝負しているのにオークランドではテイクアウェイでも1,000円なのですよ!

 

つまりオークランドの日本食業界では日本国内よりも高い値段で勝負が出来るのです。

 

ブルーオーシャン戦略という言葉があるけど、日本の飲食業界はもう飽和状態であり値段の叩き合い、その結果として従業員は疲れ社長は利益が出せず客は文句ばかり言って誰も幸せにならない。

 

オークランドでは富士の金太郎にやって来たキーウィ白人グループが楽しく刺し身を食べてワインを飲みメインコースで肉を食い一人あたり100ドル(約1万円)くらいのお勘定を払いにこっと笑って「美味しかった!また来るねー!」と言ってくれる。

 

送り出す店の側でも居酒屋で1万円取れる?それも普通のメニューでー??という感じでびっくりであるが、何よりも食事をしてくれた“外人”が「美味しかったー」と言ってくれるのだ。これがオークランドの現実である。

 

日本人が真面目なのは分かる。職人気質も分かる。しかし時代は21世紀である。人口が減少する日本で酒を飲まない若者が増える中でこれからもサメが泳ぐレッドオーシャンを泳ぎ厳しい競争をしていくのか?

 

少し視点を変えて海外で日本食レストランを広める、それも普通に誰もが幸せになる原価を積み上げてそこに適正な利益を乗せ提供することが出来る、そういう店作りが可能ではないか。

 

ぼくは今年の目標の一つとしてリトル福岡プロジェクトを作った。アルバートストリートのスタンフォードプラザを中心として半径100m以内に十軒のお店を出店してもらう事だ。夢物語かもしれないが夢を見ない人間に楽しみはない。

 

投資家と起業家とプロの飲食企業とが組んでいけばやれる。オークランド最終日の夜、奥さんと二人で富士の金太郎で美味しい食事を食べながらいろいろと考えた夜でした。



tom_eastwind at 23:27│Comments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

トラックバックURL

この記事にコメントする

名前:
URL:
  情報を記憶: 評価: 顔