2014年05月04日

オークランドのエスカレーター

 

今日は週末なので暇ネタです(笑)。

 

今週は随分忙しくて半日でクイーンストリートを4往復する時もあった。一往復で10分程度だけど僕の場合足が短いせいもあり(苦笑)人より回転が早いようで結果的に早足になる。普段奥さんと街を歩く時も振り返ると奥さんはずっと後方に取り残されていつも怒られる「あんた、あたしを捨ててどこ行くのよ!」(苦笑苦笑)。

 

ぼくはジョギングやマラソン等いわゆる足を回して走る運動は日頃あまりやらない。けど多分、普通の人が軽くジョギングをするくらいの運動は普段のぼくの徒歩移動で同じくらいの筋肉使っているのではないかと思ってる。

 

ちなみに以前も書いたが動物の中で自発的に運動するのは人間くらいではないか?腕立て伏せするライオンもダンベル上げるクマもまだ見たことがないからだ。

 

でもってこのクイーンストリートであるが、いくらクイーンストリートがニュージーランドで最も栄えている地区であるのは間違いないけど実際の規模で言えば福岡の姪浜以下であり札幌の駅前以下であり、東京で言えば多摩駅前くらいの雰囲気である。

 

ただ幸い空は明るくオープンカフェがたくさんあり街のど真ん前に青い海と空が広がっていて人々の顔が明るいのでそれなりに楽しいのだけど、基本的に海辺に開けた田舎。田舎しか知らないキーウィにとっては「うおー!おれはオークランドのシティにいるぞ!」って感じだろうけど、北半球人からすれば「け、かったるー」である。

 

昨日は会社で使うハサミとピンセットを買うために道路の向かいにあるニュージーランドで一番大きな文房具兼書店のウイットコルに行った。

 

このビルは歴史的遺産に指定されているほど古いビルで毎年クリスマスには巨大サンタが飾られるビルだが数年前に大改装されて一階から三階まで売り場になり四階以上は居住用フラットになった。

 

でもって一階から三階までは何と!上り用と下り用のエスカレーターがある!

 

こんな事書くとびっくりするかもしれないけどニュージーランドは日本の本土並みの広さの土地があるのに人口は400万人である。だから土地がたっぷりあるわけでわざわざ高層ビルを作る必要はない。

 

だからエスカレーターなど広いスペースを上下に移動する「電気の階段」は不要なのである。シティでは一応古くからの5階建てのビルには手動式の「電気の箱」であるエレベーターが付いてたりして、開いてるカゴに乗り込んだら自分でジャバラ式の鋼鉄製のシャッターをガラガラって閉めていくのはあったりするが、エスカレーターはシティではまだまだ少ない。

 

そうは言っても商都であるオークランドの、それも中心部であるシティにだけは最近高層ビルが次々と作られて、これがキーウィたちの問題になっている。何故ならこの国ではエスカレーターの右に立つのか左に立つのかの「標準」が確定していないのだ。大型モールにもエスカレーターがあるが、どっちかってっと子どもたちの遊び場所になっている(苦笑)。

 

ワイテマタ湾を正面に見下ろすPWCビルは最近出来たのだがそこに2階分くらいの長いエスカレーターがある。しかし朝や夕方と言ってもどっちかに行列を作るほどの混み合いが発生してない。設備は立派で受け入れ体制もしっかりしているけど、まだ想定範囲内のお客がいないってのでまだ確定してないと言えるだろう。

 

だもんでウイットコルのエスカレーターに乗って3階まで上がろうとすると地元の人は右に立ったり左に立ったりして人によって違う。日本ではないので急いで上に登る必要もないぼくは彼らの並び方を見つつ人種別、年齢別による区別をしようとしたけどサンプル数が少ないのでいまいち不明。

 

結局3階まで辿り着くまでに右立ちがアジア人中心、左立ちがキーウィ白人、かな、けど総数が20名程度なので統計までいかない。

 

3階まで上がってオークランドのシティの一等地にある文房具屋に入り、そこでまつ毛きりなんかに使うちっちゃなはさみもちっちゃなものをつまむピンセットもないという事実に直面してますます「田舎だなー」と嘆息(苦笑)。まあ、だからこそ空気がキレイで海が青くて自然が守られてるんだ、なーんて気を持ち直してまたエスカレーターで一階まで降りてオフィスに戻る。

 

そう言えばふと前回の日本出張の事を思い出した。あの時ぼくは新大阪駅から博多駅まで新幹線で移動したのだが、新大阪駅始発の「みずほ」は乗車時から7割くらいうまってて、2時間半後に博多駅に到着してエスカレーターに向かうとほとんどの人が何と右に立っている。

 

そう、新大阪始発の新幹線に乗車するお客は多くが関西人であり他の都市でさえもあえて大阪立ちを実行しているのだ。

 

ところがお客が半分くらい降りた頃になると今度は自然と右立ちが増えてきて最終的には皆が右立ちになった。つまり福岡の基本は東京と同じ右立ちであるという事だろう。

 

では話が飛ぶけど、一体どっちに並ぶのが合理的なんだろうか?

 

ここでちょっと頭を切り替えて・・・車の通行ルールで言えば英国、豪州、ニュージーランドは車は左側を走る。米国は独立戦争の時によほど頭に来たのか右側を走る。アジアでは日本と香港とシンガポール等が左側通行だが世界的には左側通行はマイナーだとされている。

 

ただこんな話を聴いた事がある。人間は目の前に危機が生じた場合本能的に左側に避けようとするって話だ。これはたぶん心臓が左側にあって心臓を守るために本能的に左に体を傾けるとのこと。

 

であれば対面交通の道路で相手が自分の右側を走ってて何かのトラブルがあったり、例えば相手がこっちの車線に突っ込んできたとかだったら運転者は本能的にハンドルを左に切るのではないか?

 

左であれば少なくとも相手の車線にこっちが突っ込むわけではなく路肩に逃げられる可能性もある。だったら車は左側通行が正解なのか?どーでもいいって話もあるが(笑)。

 

そんな事を考えてたらこんなのを見つけた。

***

「あんな、こっちではエスカレータの右側に立って左を空ける。東京と逆やろ? なんでか知ってる? 片側に並ぶのは、そもそも大阪万博の時に外国を見本に定着させたマナーなんや。日本では関西が一番先に取り入れたことになるわな。その時に決まったのが、左側空ける方式。これが国際標準。ほんでな、東京が後から真似した時に、右と左と間違えよってん、なんでか知らんけど。せやから、関西の、右に並ぶちうのがもともと正しいんヤ。東京モンは、間違えてるの知らんと、ずっと左に立ってるがな。」

***

 

それから東京が左並びなのは江戸時代の武士はお互いの刀がぶつからないようにと道の左側を歩いててそれが今も習慣として残っているとか、諸説あるようだ。

 

そう言えばぼくが住んだ国すべてが左側通行なので運転には不自由はしなかった。それからぼくは道を歩くとき基本的に左側を歩く。それは利き腕である右腕を自由に使えるようにしておきたいからだ。

 

車の左側通行、エスカレーターの左側並び、それぞれ諸説ある。そしてオークランドでは車の左側通行は定着しているがエスカレーはまだ定着していない。オークランド以外の田舎に行けばエスカレーターさえない街がたくさんあるのだ。

 

ニュージーランドは未だ田舎でありこれからもエスカレーターで他人を追い抜くほど忙しくはならない社会で在り続けるのかもしれない。なんて事を考えた週末でした。



tom_eastwind at 11:08│Comments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

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