2014年05月09日

KYC


 

K空気Y読めないC子ちゃんではない。Know Your Client という意味の略語である。「あなたは自分の顧客を知ってますか?」である。

 

ニュージーランドの金融界では普通にKYCと略しているから初めて聴いた人には意味が分からない。もちろんキーウィでも金融界にいなければ分からない言葉である。KYCと聴いて「何だ?KFCの間違いだろ?」みたいなものだ。

 

昨日は地元ニュージーランド最大手級のプライベート・バンク(正確に言えばプライベートバンキングサービス)の社長およびGMとミーティング。

 

うちは元々旅行屋だったのが日本政府が1999年に金融ビッグバンで金融緩和を行い、個人が海外投資や海外口座開設が出来るようになったからこんなミーティングも発生するようになった。

 

1999年のビッグバン以降、うちでは旅行や留学や移住に必要な海外送金、学費支払い、不動産購入、投資など様々なファイナンスビジネスを手がけて金融免許も取得した。その内にいつの間にか地元オークランドキーウィの間では「日本人市場に強いファイナンシャルプロバイダー」の位置づけになった。確かに日本市場には強いと思う、けど本業は旅行屋です(苦笑)。

 

今回の面談も偶然先方からうちの弁護士を通じて連絡があり一度会いたいとの事。

 

彼らからすれば自分たちのファイナンスビジネスを脅かさないか?つまり「お前は敵か?」という気持ち半分、けど「もしかしたらこいつらの提供しているサービスはうちが必要としてるけど提供出来てないサービスじゃねーのか?じゃ組めるぞ」という期待半分だったと思う。

 

ぼくも会ってみるまでどんな話になるか分からず、とりあえず硬軟両面の資料を用意してミーティング開始。

 

最初はお互いにちょっと緊張しつつジャブの打ち合いをしていたが、話をしていくうちに彼らも当社が元々旅行会社であり、移住という長い旅の添乗員兼現地ガイドをやっている、そのサービスの中にビザ取得、不動産探し、子供の学校探し、医療サポート、就職、投資先助言などが含まれている、それぞれのビジネスは免許を持った企業と取引している、だからあなた方は私にとってサービス・プロバイダーですって事がお互いに理解出来た。

 

彼らの提供するサプライ分野は「投資」であり当社としても必要なサービス・プロバイダーという位置づけ、つまり「組める」という事が何となく分かってきた。

 

ファイナンスもこのレベルになると金融当局による様々な規制があり一つ間違うと大変な事になるのでなにをするにしても慎重に行く必要がある。なのでKYCと言う言葉が頻繁に出て来る。

 

うちは何をするにしてもまずライセンスと法律を考える。このビジネスはどんなライセンスが必要なのか?法的問題はないのか?常に日本とNZの弁護士、会計士と打ち合わせを行い方向性を決める。

 

なので実はうち、かなり保守的ビジネスである(苦笑)。1千個のアイデアを思いついても法的面免許や将来性を考えていくと実際に使えるのは3つしかないなんてしょっちゅうだ(苦笑)。

 

今回の彼らとの話し合い、彼らキーウィビジネスパーソンと話してていつも感じるのがその積極さである。社長が働くのは当然だが社員も自分の仕事をしっかり把握して元気なのがうれしい。

 

KYCKnow Your Clients,「あなたの顧客を知りなさい」、これが今の世界の流行である。あなたの顧客はアルカイーダではないか?ロシアのオリガルヒではないか?米国のCIAではないか(笑)。

 

日本で生活をしていると思いもつかない話であるが今では金融英語標準になったようだ。

 

今日はちょっとネタ話でした(笑)



tom_eastwind at 14:52│Comments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

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