2014年05月10日

尖閣、ほんとにやばいかも

中国とベトナムが南シナ海で衝突した。今まではお互いに遠慮する部分があったが今回はガチで船同士の体当たりとかやってる。やっばいなー、あそこ昔一回大戦争(中越戦争)やってるから、今回もガチなんだろう。

 

元々ベトナムの漢字は越南(えつなん)と書きその意味は南に越える、つまり中華帝国から見て南に越えた遠いところにある国という意味だ。

 

ベトナム人も大きく括れば中国人、なんて言えばベトナム人は相当に怒るだろうし人種的にはキン族と呼ばれている。ただ秦の時代から中国の影響を受けており漢字も使い、インドシナ半島、つまりインドと中国の間にありながらインドの影響は殆ど受けていない。

 

中国と国境を接する隣国であり古い歴史では中国相手に独立戦争やってるが欧州の植民地主義の時代に中国が助けを出せずフランスに占領されたためフランス文化も混在している。

 

第二次世界大戦中は日本がフランスを追い出して後にベトナム人によりベトナム政府を樹立させた経緯もある。日本の敗戦後にフランスがまたやって来たが今度は社会主義者ホー・チミン率いるベトナムが自分の手でディエンビエンフーの戦いでフランス軍をほぼ殲滅させて追い出した。

 

その後南北に別れていたベトナムを統一するために活動していたホー・チミンを米国が目の敵にして軍事団を送り込み「宣戦布告のない戦争」を仕掛けた。世に言うベトナム戦争の始まりである。

 

この戦争は約5年続いたが最後はフランスと同様に戦いに疲れた米国がサイゴンから脱出してホー・チミンの勝利に終わった。

 

そしてベトナムは社会主義国として独立した。この際に南ベトナムに住む中華系ベトナム人は北の社会主義者による迫害を恐れて夜間に小型ボートに乗って香港やオーストラリアに渡ったのである。

 

ぼくは1991年に香港に移住したが、当時毎日通勤するバスの中からボートピープル収容所を目の当たりにしていた。

 

高さ5m位の有刺鉄線に囲まれた収容所はまるで建設現場のコンテナを2階建てにしたような作りで、その中で多くの人々は香港政府から与えれた朝食を食べてからはすることもなく外側にいる僕達を眺めていたものだ。

 

結局これが欧米の人道主義の結果であり植民地主義の結果であり好き勝手にアジアを蹂躙した結果であろう、当時はユーゴスラビアの崩壊によるコソボ紛争なども欧米の処理のまずさに被害が拡大してた時期でもあり、いかに欧米の言う事が嘘だらけかを感じていた頃だ。

 

話はそれたが、ベトナムの場合は相手が中国であろうと怯むことはない。フィリピンだと中国の船が来るとすぐ引っ込むしかないけどベトナム人は歴史的に根性があり特に隣国である中国相手なら遠慮することはない、ガンガンいけって感じだ。

 

同じベトナム人であるがここ数日ベトナム鉄道省の高級役人が日本のJRから賄賂もらって次々と逮捕されているのを見ると、ベトナムもいろいろってところだろうか(苦笑)。

 

何にしても中国もベトナム相手なら日本ほど遠慮することはない、ガンガンいけって事で遂に両国の船同士が体当たりしたり放水したりして大騒ぎである。

 

さあそこで問題は日本の尖閣諸島である。中国の味方であるはずの民主党政権時代に日本の国有化をやったのはわざとか?と思うくらい上手い事中国に攻め入れられて最近ではすっかり押され気味である。

 

これで中国側の内政が安定していたら適当なところで手打ちもあるのだろうが、あいにく中国はここ30年で最も危険な状態にある。

 

それは天安門事件でさえ「学生による小さな政治行動」と言えるほどに今の中国は複合的に問題を抱えているからだ。

 

まずは影の銀行問題。これが一つ処理を間違えばリーマン・ショック以上の爆発力で世界に影響を与える。もちろん中国経済は一気に収縮して次々と連鎖倒産、仕事や土地を失った農民は地方政府に対して反乱を起こすだろう。

 

ウイグル問題も全く先の見えない出たとこ処理をしているが、元々無理筋のウイグル略奪なのだからどこまでいっても結論は出ない、これから先もしどこかの政府が本気でウイグルに武器を供給し始めたら確実に市街戦が発生して中国内内戦につながる。

 

そして肝心の習近平体制がまだ弱い。軍部をうまく抑えきれておらず、いつ彼ら軍部が政府の指示を無視して戦いを始めるか分からない。中国は様々なメディアで「一つ」と思われているが、この国は共産党政権始まって以来最も分裂して主導権を握る人物がいないのではないかと思えるくらいだ。

 

今までの中国であれば毛沢東対その他、小平対敵なし、江沢民以降は経済も上昇して地方軍部も十分に稼げたから何も言うことはなかった。

 

ちなみに中国の軍隊は日本やその他の国と全く違う組織である。彼らは元々ゲリラであり自分の飯は自分で用意するのが基本だったから軍隊ではなく軍閥でありそれぞれの支配する軍区に民間企業をたくさん作りそこから得られる利益で軍隊を賄っている。日本や米国のように政府から予算を貰って部隊活動をしているわけではないのだ。

 

だから中央政府の命令が来ても自分に損になることはやらない。しかし自分の利益になることであれば中央政府の反対があっても無視して貫く、自分の財布を分厚くするために。

 

そうやって分厚くした財布は軍部の幹部クラスになると数十億円、高級幹部クラスで数百億円の蓄財を海外で行っている。

 

歴史的に見て中国北部の人間は竹を割ったような性格であり良く言えば素直、悪く言えば単純であるから兵隊として使いやすい。これに対して南部は商人であり良く言えば賢く悪く言えばずる賢い。

 

この両者は歴史的に見ても常に駆け引きをしており駆け引きでは南部人が上手だから北部人は最後には銃を持ちだしてバンバン撃ちまくるという事になる。そして南部人は孫氏の教えに素直に従って「三十六計逃げるに如かず」という事になる。

 

実際にぼくの香港生活中でもギャングに弱く市民に強く武装ギャングが来ればすぐ逃げる警察は愉快な存在であった。

 

小平ほどの人物であれば南と北をうまく取り持って自分に権力が集中するように出来たし実際に軍部も商人も制御出来ていた。

 

しかし今の習近平は太子党であり、仲間は軍部にもいるけどあくまでも同格であり指導力を発揮するのが難しい。

 

そして最近出てきた問題が習近平暗殺の話である。約一ヶ月前にもウイグル駅で党指導部を狙ったと見られる爆発事件があったが今回の暗殺事件は北京の中南海で指導部内部でのクーデターになりそうな勢いである。

 

実はすでに去年一度暗殺未遂事件が起こったがそれは殆ど報道されず香港の一部華字新聞のみが掲載したが習近平が車で移動中に攻撃された事件である。

 

その後習近平は行方が分からなくなり数日後に公式な場に現れたが不在の期間は警備の厳重な軍隊の病院で治療していたのではないかと噂されている。

 

経済崩壊、地方の独立、軍部の反乱、自分に向けられた暗殺、今は何が起こってもおかしくない中国国内事情だ。

 

そんな中で北京はベトナムと本格的にドンパチやる姿勢を明確にした。これは国内問題から国民の目を逸し軍部の「戦争し隊」連中の気持ちに応え中南海の指導力を発揮しつつ、もし経済が崩壊してもそれはすべて日本や周辺国家のせいであるとすり替えてこの危機を乗り越えようとする。

 

そうなれば次は当然フィリピン、そして日本となる。

 

尖閣諸島に遭難という名目で漁船を送り込み上陸させ日本が海上保安官を派遣させればそれに対抗する形で中国の官憲を送り込み「中国漁民を保護する」名目で日本と交戦に入るだろう。

 

そしてこれが更に日本自衛隊を呼び込み人民解放軍を呼び込み本格的な戦闘になることが予想される。

 

もちろんこうでない筋書きもあるだろう。しかし現在の中国国内情勢を観る限り楽観視は出来ない。戦争は一旦始まるとどのような理由で拡大するか誰にも分からない。

 

1982年、サッチャーはフォークランド諸島を巡ってアルゼンチンと戦った。

     319:アルゼンチンの「解体業者」がアルゼンチン海軍輸送艦「バイア・ブエン・スセソ」で入国手続き一切を無視して、サウス・ジョージア島に上陸。アルゼンチン国旗の掲揚などを行う。

     322:アルゼンチン海軍輸送艦「バイア・ブエン・スセソ」、イギリス側からの抗議によりサウス・ジョージア島より撤収。イギリス、氷況巡視船「エンデュアランス」に海兵隊員と軍用ヘリを積載し同島海域へ派遣。

     326:アルゼンチン海軍砕氷艦「バイア・パライソ」がサウス・ジョージア島にアルゼンチン軍海兵隊と補給物資を輸送。

     330:アルゼンチン軍、「ベインティシンコ・デ・マジョ」を旗艦とする艦隊をフォークランド諸島海域に派遣。

331:イギリス首相が、極秘情報により、アルゼンチンのフォークランド侵攻が本気であることを知る。「(侵攻を)計画するだけでもばかばかしく、そんなばかげたことをするはずがない」と思い込んでいた。イギリス首相(当時)の人生で最悪の日であり、取り返せるかもわからなかったと証言(イギリス非公開委員会議事録)。

 

42:アルゼンチン軍がフォークランド諸島に上陸し、これを占領。イギリスのレックス・ハント総督以下イギリス軍を捕虜とする。イギリス、アルゼンチンに国交断絶通告。

 

アルゼンチンが長期間塩漬けであったマルビナス諸島(フォークランド諸島)を自国領と主張して軍隊を送り込み占領したのも実は内政問題であった。その後戦争は約3ヶ月続き英国の勝利に終わった。しかし今もアルゼンチンは「マルビナス諸島は自国の領土である」と主張している。

 

いつ第二次フォークランド紛争が起こるか誰にも分からないが、政府は内政が悪化すれば国民の目を逸らすために領土戦争をするのはその生存本能のなせる技である。

 

中国政府だけはそのような生存本能はなくて紳士的であると思えるほど楽観的に考えられないのが現状の中国である。

 

 



tom_eastwind at 18:03│Comments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

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