2014年06月12日

街の風景  ゴーストタウン(鬼城)

今朝のニュースでニュージーランドの公定歩合(OCR)が上昇して3.25%になったとの事。

 

ニュージーランド中央銀行はRBNZと呼ばれておりリザーブが付いてるBNZだ。BNZは元々国営銀行で日本で言う日銀にあたる。それが1980年代、当時のデイビッド・ロンギ首相による財政改革民営化政策でBNZは民間銀行に生まれ変わったが、その際に国策を実行する銀行部門としてリザーブBNZが付いたBNZが並立して残っているのだ。

 

おとなりの豪州は失業率上昇する予測なのでまたNZドルが強くなる。日本円は弱いままだ。これでNZドルが強くなれば僕の日本出張費用も安くなるってーわけで、1NZドルが40円だった時代に日本に出張してた時の半額の費用で日本出張出来るのでこりゃ助かる。

 

しかしそうなると農作物を輸出してる農家が困るなんてニュースがネタになるのだけどそれは番組編成上のネタでしかなく、実際問題としては中国などではNZ産の乳製品は高級品であり商品に競争力があるので為替で上がった値段はすべて消費者に転嫁出来るから誰も困らない。

 

だから通貨が強いってのはこの国ではそれほど悪いことではないのだ。日本も実は同様で強い通貨が悪いことであるかのようにデフレ退治と宣言して通貨安を狙って成功したら輸入製品、特に石油やガスの価格が一気に上昇して給料が上がらないまま物価上昇で庶民の生活を直撃している。

 

今日は午前中に2件の内部ミーティング(打ち合わせ?会議?ミーティング?)だけだったので、これをガーッと詰めて片付けて最近お気に入りの同じブロックにある韓国系弁当屋で1130分にかつカレーを注文して混みあう前にさっさと喰う。

 

今回の訪問で気づいたのだが前回登場した可愛いウエイトレスさん、元気よいのだけど、どうやらあまり英語は上手ではないようだ。店に近づく人を見かける度に大きな声で“Hi There !”とやってるのだけど、その後はテーブルに座った人のメニューを取るのに一生懸命聞き取ろうとしている。

 

けどやっぱ、こういう元気の良いお弁当屋さんがこっちの顔を覚えててくれて、入り口に近づくとニコッと笑って「いらっしゃい!カツカレー、ライスなし!」と言ってくれれば“おれの名前はカツカレーライスなしではないんだけどな”と思いつつ、一人で昼飯を食うおやじからすれば「じゃ、ここで喰おうか」って気持ちになる。

 

実際問題、昼過ぎのプレゴとかソウル(魂)あたりでたむろってる、あ、失礼、ランチで下らん他人の噂話をネタのお喋り、あらまた失礼(笑)、えっとですね、要するに美味しいブランチを素敵な会話で楽しむ女性の方々も店を選ぶ際には自分の顔を覚えてくれてるイケメンシェフや会話の上手なハンサムウエイターが基準になったりするという、まあ源氏物語の時代から連綿として続く至極普通の社会現象ですな、どうでもいいや(笑)。

 

でもってカレーを食い終わり入り口のレジでお勘定の時に「この店は毎日何時から開店してますか?」とゆっくり聴くと彼女は何か言おうとして目の前の客が韓国人でないことだけは理解したようで、一瞬小首を傾げて何か閃いたように大きな笑顔で両手の指をぱっと広げて大きな声で“TEN!”。・・・え!蒟蒻問答か(笑(!

 

楽しい元気をもらったようでこっちまで笑顔になって店を出て今日の目的であるビザショップに立ち寄る。

 

クイーンストリートの、うちの会社からほんの50メートル程上った道路の反対側にある3階建てか4階建ての商業ビルがある。相当以前は中華料理屋韓国料理屋テイクアウェイ、とにかくごっちゃ混ぜで色んなちっちゃいお店がそれなりにビジネスをしてたのだけど、ここ2年位でその内容が一気に様変わりした。

 

このビルの3階部分の、それまでがらん堂だったスペース全部をすべて一坪ごとベニヤ板で仕切ってそこに壁紙貼ってハローキティのぬいぐるみ3個位置いて店の奥には中国人の若い娘が退屈そうに座ってる。

 

上はジャージー下はミニスカ生足にビーサン、パイプ椅子に堂々と片膝立ててケータイ見つつプラスチック容器に入った弁当を、両手を広げてかけこむようにバクバクと喰らってる姿。

 

多分その商品、100万年たっても売れねーよ、そういうのを並べているのだが、これが中国式ビザショップ、起業家ビザで申請してた連中の「売れても売れなくてもどーでもいい店」なのだ。

 

そりゃさ、起業家ビザのビジネスモデルってのは俺が3年前に発明したやつだよ、でもって地元の弁護士経由で広まったものだ。けどぼくが作ったモデルは大前提として移民局のビザ精神を順守して地元への貢献、雇用の創出、納税、等など移民局の要求するものを叶えることであり、更に将来ニュージーランドで彼らが生活することで消費税を払い住宅を買い地元に貢献するモデル、つまり法の精神を順守するビジネスモデルだった。だからこそ静かに移民局と地元に受け入れられたのだ。

 

ところが去年中国人のやったことは全く脱退完骨・・・違うな、換骨奪胎であり、起業家ビザに付き物の非常に繊細な手当部分が全く存在せず現地への貢献や雇用もなく利益もなく、中国人の中だけで金を回し悪用したのだ。

 

その結果として移民局にとって最も嫌がる案件にして今回の大なたにしてしまったのだ。全く中国人って奴は芥川龍之介の蜘蛛の糸のような連中である。持続するビジネスは常に相手に儲けてもらうことが前提なのに「お前ら付いてくるなー!」とやってまた中国地獄に皆が落ちてしまう。馬鹿だなーって思う。自分だけが良ければなんて長続きしないよ、あふぉ。

 

でもって去年全滅した中国人の起業家ビザ1,000件の申請の結果としてこのビルの3階に構えていたチャイナタウンがどうなったかを見たかったのだけど、上がってみると見事に全滅!ほとんどすべての店が見事にシャッターを閉じてまさにゴーストタウン(鬼城)、残ってるのは自分の家族の食材を経費で落としたいテイクアウェイショップとパソコン修理のお店だけ。

 

ほんと去年はこいつらに振り回されてしまったが、何だかつむじ風みたいな奴らだったなー。

 
長くなったので続きは明日書きます。 



tom_eastwind at 10:11│Comments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

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