2014年07月09日

新日本人社会

僕の書き殴りブログでも読んで頂ける方がいるようで有難い。クリーニング屋の惨状を書いたらすぐに「近いうちにニュージーランドに行く予定です、クリーニング師です」とコメントを頂いた。

 

千里の道も一歩から?一里から?どっちでも良いが5万人社会たっていきなりオークランド港に大型客船が到着して5万人が降りてくるわけではない。毎日数十人とか少しづつ日本から飛行機に乗ってやって来て、それが現地で永住権を取得して現地に根を据えて子供が小学校に通い、いつの間にか自宅にかかってくる電話はお母さんの代わりに子供が取るようになる。

 

この繰り返しが次第に積もり積もって現在は約15千人の日本人がニュージーランドで生活をするようになった。

 

そう言えば1973年に発表された小松左京のSF大作「日本沈没」では沈みゆく日本から少しでも多くの日本人を脱出させようと日本政府が世界中に人員を派遣して受け入れ要請を行う。

 

オーストラリア政府もその一つであったが1970年代初頭の豪州は実質的に白人しか移住出来ない白豪主義を取っておりいくら名誉白人の日本人でもあまりの大人数に拒否された場面が、今も頭に残っている。

 

多くの日本人が小型船や大型船、大型客船、大型貨物船に乗って日本を離れていくがそれでも多くの日本人は沈みゆく島に残されたままであった。沈みゆく島にしがみついて生きるか、船に乗ってあてのない旅に出るか。

 

今の日本はまだ沈んでおらず少なくとも安倍長期政権の下で経済がよくなってるように見える。ただこれはあくまでも「見える部分」だけであり見えない部分がどうなっているかが今の日本の問題である。

 

話は戻って15,000人というのは日本人が独立完結した日本人社会を作るにはやはり不足する。早い話住宅管理が一番分かりやすい例だ。電気工事、水回り、塀の修繕、瓦の貼り直し、台所のリフォームなど、日本人基準でやってもらいたい事はたくさんあるけど、肝心の働く側の給料が賄えるほどの仕事量がなければいけない。

 

前回も書いたけど5万人いれば、そこには日本品質のクリーニング、美味しい日本のお魚の刺し身、大工、工務店、そういった身の回りのビジネスが成立する。その為の5万人計画である。

今の日本の職種によってはビザ取得は難しい。けど少し発想を変えてみよう。例えば今30歳で奥さんが一人(これはNZでは立派なジョークです笑)。

これからの人生はまだ50年あるわけだから職歴を変えてみよう。今まで8年または12年社会人をやったのだから自分の好きなことがわかってるだろう。だから学生としてもう一度ニュージーランドの専門学校に入りなおして2年ほど通いジョブサーチングビザを取得して頑張って地元企業相手に就職活動をしてみよう。

キーウィ系の会社に就職して2年も頑張れば永住権申請は可能になる。取得出来るかどうかはその時のNZの失業率に関係するがワークビザは延長が可能である。景気が良くなるまで待ってから永住権申請をすれば良いしワークビザと永住権の条件はそれほど変わらない。

だからいきなり日本から永住権を狙うのではなく、
英語の勉強半年→専門学校2年→就職2年→永住権、という流れがスムーズだ。

永住権さえ取れれば手先の器用な日本人であるから食うには困らないし腕が良くなれば客も付くしサービス内容が日本水準を守れれば収入も増える。

当社では留学の仕事を始めてすでに16年になるが最近は殆ど移住を前提とした留学である。3〜4年程前に家族での留学移住を手配したお客様たちが英語を学び専門学校に通い卒業後に就職先を見つけ永住権を取得してちっちゃな子供も出来て今では同世代の日本人家族とちっちゃな子供と一緒にサッカーの試合を観戦して仲良し家族同士で団欒を楽しんでいる。次々と技能移民で永住権を取得して、すでに会員から外れたお客様であるが、こういうのはうちとしてもうれしい話である。

けどこれは最初の最初にどれだけきちんと永住権取得と仕事獲得の両方を見据えて計画を作ったかがすべてである。つまり3年後の就職状況と5年後の永住権取得を視野に入れて外さないように現場の実態を熟知したカウンセラーでなければ絵は描けない。単純に言われた学校を紹介して終わりではない。

大工でも調理師でも美容師でもITでも介護でもどんなコースでも良いが、とにかく学校選びってのは手段であり、永住権取得もしょせん手段、目的は家族の幸せだという事、基本軸を絶対にぶらさない事が肝要だ。

だからこそ安いからとかの理由で学校選びをしたりして3年後に「あ、そのコースでは永住権申請ポイントが不足してますよ」となるのは悲惨である。選択肢がある中で考えるのは良いが安いことだけを理由に探すのは良くない。だって自分の人生を割引するようなものだから。

話が留学にそれたが、5万人の中に入るためにはとにかく急げ、世界はますます狭くなり椅子取りゲームはますます厳しくなっているのが現状だ。 今年は説明会はもう開催しない予定であるが、8月末には東京と大阪で有料であるが個人面談を開催する予定。


 



tom_eastwind at 20:44│Comments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

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