2014年07月24日

DNA リトル福岡プロジェクト

 

Macを前にいつもキーボードをカチャカチャさせて文章を作る私は、ほんとはブロガーである前に経営者なんです」時々そう思う。が、仕事が山ほど立て込んでるのに何故かちょこっと時間を見つけて駄文を書くのは、女性が料理をしつつ電話をするようなDNAなのだろうと思う。

 

父親が禅寺出身で元共産党員でそれから新聞記者、最後は組合潰しの総務労務屋、その大元は関ヶ原合戦時代からの木曽川沿いの武士家系の禅寺、要するに書いたり話したりするのがぼくのDNAなのだ(苦笑)。

 

そう考えれば今やってる仕事も主なものは今ここに存在しないものを書いたり話したりの仕事である。世間で言うマーケティングが僕の仕事だ。街を歩いて何かを感じてそれを頭のなかで描いて紙に落として人に伝え、そこにないものを見せて説明して実現させる話である。

 

今取り組んでる企画は大きく4つあるがそのうちの一つが以前もちょっと書いたがリトル福岡プロジェクトだ。夢物語みたいなバカ話を周囲の馬鹿にする目を気にせずに去年6月くらいから取り組み始めてやっと現在軌道に乗ってすでに一軒目がシティに「富士の金太郎」として出店に成功して現在は二軒目の出店契約交渉中である。

 

「福岡の美味しい食べ物をオークランドで食べてもらいたい!」

 

これなど最初はまさに街を歩いてた時に「ここにこれがあればいいな」だけではなく「ここにこれが不足している!」という、僕の脳みその中で閃いた思いつきである。ひらめきでもそれを紙に書いて現実的な問題点を潰しながら見てみると段々企画書に仕上がっていった。

 

「リトル福岡プロジェクト」は思いっきり単純に書けば福岡で流行ってるB級グルメをオークランドにそのまま持ってきて地元の人々に本当のB級グルメを味わってもらう事だ。それは居酒屋、豚骨ラーメン、博多餃子、焼き鳥、焼き肉、カレー、うどん、等など普段皆さんが日本で生活して普通に食べているものだ。

 

しかしそれには片方にきちんとしたレストラン経営が出来るプロ、流通会社と流通ルート、片方には資金を用意する投資家、真ん中には現地の法律やビジネス習慣を熟知した経営陣が必要となる。なので現在はまさに人間中心に様々な組み合わせを作っている最中だ。

 

大事な点は短期に一点集中で店舗展開をすることでスタッフの流動性を確保して総務経理部門を集約化させて単なるパパママレストランではなく年間計画を持ったレストラン展開ができる事で店舗継続性と活き活き性を確保することだ。

 

こういうチームを作るには誰がトップではなくこれまたシンジケート、全員が横平等で利益の方向性が一致して参加者に不公平感がないような組織作りが何よりも肝要となる。これが実は一番むずかしい点であるが、同時にぼくが得意とする分野でもある。

 

普通多くの日本人がニュージーランドで「あったしー、にっぽんとー、ニュージーランドをー、繋ぐ架け橋になりたいんんん、でーす!」というが、そんなもん金としてビジネスとして成立しなければ意味はない。

 

何よりも打ち上げ花火や自己満足ではなく実態のある継続が命なのだ。どんな立派な言葉も実現して継続出来なければ何の意味もない。素人の思いつきがプロの企画になるためには実現可能性を数字で計測しつつ夢を描けるかどうかである。

 

夢物語でありつつも「やりたい!」と思った事に向けてそこから逆算してじゃあ今ナニやるかって考えていく過程を作り、一つ一つをきちんとこなしていくのはすべての段階で非常に厳しい常識の壁や法律や商習慣にぶつかるが、その都度解決策を見つけてまるで重い石を持って急な階段を上るようであるが、出来上がった完成品が頭のなかにあるので道を間違う事はない。

 

よく使う例えだが、ある時大きな石を削っている芸術家に一般人が聴いた「何してるんですか?」すると芸術家はこういった「この石の中に閉じ込められている美しい女性を掘り出しているのだ」と。芸術家の頭のなかにはすでに美しい女性の顔形すべてが刻み込まれているのだ。

 

僕の目の前には福岡の町並みが見えている。国体道路沿いの屋台、住吉の居酒屋、ちょっと奥まったところにあるワインバー、常連しか来ないカウンターだけの小料理屋、旬の料理だけを出す和食屋、いつも美味しい肉を用意しているステーキハウス、どれもぼくが20代の頃に経験したものだ。

 

けれどそのような店は今現在オークランドにはない。

 

ならば作るのみ。

 

完成形はすでにぼくの頭の中で見えている、ただ他人には見えてなくてバカ呼ばわりされる(苦笑)、それがリトル福岡プロジェクトだ。



tom_eastwind at 16:50│Comments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

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