2014年08月19日

総選挙:中国に近づきすぎた政治家たち

ニュージーランドの総選挙まで約5週間だ。毎日何が起こるか分からないものすげー状況で誰もが自分にだけは泥がかぶらないように、そして国民党としては絶対に選挙に負けられない状況。

 

今年初めには国民党圧勝だった予測が、ここ3ヶ月の移民政策のスキャンダル、次々と発覚してすでに大臣級が2名首を飛ばされて今日も元移民大臣がスキャンダルを喰らってる。こりゃでかくなるな、時期が悪すぎだ、3名目の首か。

 

マスコミなんて記事を取る時はどこも似たようなもので最初に筋書きを作りそれに合った記事だけを「編集」して一般大衆に見せる。マスコミ対策で国民党は完全に甘く見てたのは?ってな感じである。

 

今叩かれているのはJudith Collins、まさに中国人に近づきすぎた政治家である。おまけにフリージャーナリストが2011年の総選挙で国民党がやった選挙活動を暴露する「Dirty Politics」という本をつい3日前、まさに総選挙に合わせて出版させて国民党叩きを始めた。完全に広告代理店の入った選挙ですね。

 

「選挙」はメディアとしては最高のネタで選挙民としては自分に何の影響も出ない「派手な映画」を観ているようなものであり、肝心の政治家にとっては一分一秒が背中に入れた氷柱がグルグルと動きまわり次に何が起こるか誰にも分からず、誰もが一番ピリピリとしている5週間だ。特に今は中国ビザネタが一番売れる。Judithがどう動くか、毎日ニュースから目が離せない。

 

こういう時は法律的に合法か民主的か、推定無罪かなんて関係ない。つまり選挙時期には民主主義が働かないのだ。メディアが書いたその日のニュースがすべての事実であり、後日検証される事実なんてどうでもよいのだ。選挙民にとってはメディアを無視するか信じるか、しかない。

 

そこで誰に投票するのも本人の自由なのだが、野党の中には勘違いしてこの時期に国民党にとって不利な、それも選挙民にとって本当かどうかを判定出来ないような情報を発する場合がある。

 

すでに上記本を上梓した作家はNZ国家情報部によって捜査が開始されており報告書が内閣に上がっているようだ。特に今年は移民が重視されており、移民局も相当ピリピリしている。要するに訴える方も裏で捜査されているのだ。

 

だから移民局に持ち込まれる情報も「何で?選挙?」という視点から見られる。こいつ、俺たち(移民局)を巻き込む連中かと疑われる。

 

中国人はある意味覚悟してNZの政治家に賄賂を渡してビザを取る。その結果として滞在許可が剥奪されてもある意味「まあそんなもんか、じゃ次行こう」くらいの感覚だ。それにくっついた政治家、今は本当に大変だ。

 

ところで日本人が一番勘違いしやすいのは「まだ最高裁がある!」的な、政治や法廷は常に正義を貫こうとしていると思い込む事だ。しかしニュージーランドの現実はそうではない。正義とはすべての人にとって違う顔を見せるのだ、特に選挙期間は(苦笑)。だから彼らは訴える人々の背景も洗うのだ。そして移民局にとって都合の良い結論を作るのだ。

 

自分の正義だけが社会唯一の正義であり絶対に間違ってないと思うのは自由だが現実の社会はそうではなく、むしろ100人いれば100個の自由があり、それを時系列に合わせて調整するのがニュージーランドの政治や法廷である。是か非かではなく秩序が優先される。

 

これから5週間、上記に挙げた政治家だけでなく多くの突発的事項が起こるだろう。その意味では日本の選挙とあまり変わらない。ただ言えることは多分今回国民党は勝つだろう、そうなれば政権取得後の国民党はまさにジョン・キーのアダ名ではないが「笑顔の暗殺者」になって今回の選挙で敵に回った連中を次々に殺しまくるだろうって事だ、確実に。

 

この選挙、接戦になるだろうがなぜ最後は国民党が勝つか?それは一般的国民が外国人投資の現実を知っているからだ。国民党の政策でなければ経済発展はなく、経済発展がなければこの国は1984年の再来になる。そうならないように国民党は戦っている。移民政策も同様だ。

 

だから移民政策に手を出すような野党、移民局で問題作るような案件は選挙後に確実に排除される。今あなたがもし有りもしない夢物語とか「あなただけの正義」を語るのであれば、選挙後に苦しくなりますよーって感じかな(笑)。

 

それにしても3年に一回のお祭りとでも言うか、もう20年以上この国に住んでいるが総選挙の時だけはキーウィがキーウィでなくなるようだ、怖い怖い(苦笑)。 



tom_eastwind at 20:43│Comments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

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