2014年08月20日

大きな黒い雲

今日のTVONEも総選挙ネタ一色である。ジョン・キー首相もさすがに切れた様子でマスコミの取材に「僕は君らに会いたくない、君らがいつでも好きな時間にインタビューできる事は分かっているが!」と、普段の笑顔は全く消え去り相当な怒りを感じる。こりゃほんと、選挙後にどれだけ首が飛ぶのかって感じだ。

 

けど、何だかその風がもろに移民局にも吹き付けている。移民局はキム・ドットコム事件や中国人投資家事件でマスコミから「誰が彼らに永住権を発行したのだ!」「いくら貰ってるんだ!」などと激しい突き上げを喰らっている。

 

ウィンストンピーターズ元副首相も「投資家ビザなんて廃止しろ!」と主張しているし、やっべーな、これ来週の説明会にも影響出るんじゃないか?かなり不安。こういうのってスコールのようにさっきまで快晴だったのに突然ドーン!って激雨が襲ってくるようなもので見当もつかないが、何となく嫌な気がする。

 

ほんと、こんな時は首をすくめてじっとしておくしかないけど、それは他のたこつぼで首をすくめている移民局やらも同様であろう。

 

それにしても政治の世界でここまで激しい戦いになるのは今まで観た事ない。こちらの総選挙でも日本と同様に空き地に立て看板と立候補者の写真が貼られるのだけど、今回は国民党のジョン・キーの写真だけに次々といたずら書きや目を潰されたり汚いシールを貼られたりしてて最悪である。

 

品がないというか、どうもどっかの広告代理店が絡んでるなってのが見え見えな選挙戦だ。まともに戦ったら勝てない労働党が広告代理店にカネ払って様々な作戦を時系列で打ち込んでる。

 

国民党としてはまさかの足をすくわれたような状況だろうが、ジョン・キーは政治家である前に長年民間金融企業で修羅場をくぐってきたのですぐに対処策を打つだろう。

 

まず最初はダメージコントロール、現在受けている被害はどれだけか、最大どこまで被害が広がるか、それを抑えるにはどのような手段が有効か?

 

次に反撃策。相手の戦い方をコピーする方法がまず一般的ではある。誹謗中傷告訴デマ、ついでにチンピラ雇ってポスターへの落書き、スキャンダル本の発行(時間的に無理か)、ブロガーを使った宣伝。

 

ただこういった低レベルの反応は逆に質の良い選挙民には嫌われる。相手がどんな汚い手を使おうともやはりきちんとした対応をするとなれば、ジョン・キーにとっては両手を縛られたようなものでもやはり経済成長や海外との取引増加やTPP推進を話し「みなさんがこれだけ豊かになるのです」と主張するのが筋だろう。

 

それにしても今回の黒い雲、嫌な感じだ。



tom_eastwind at 06:43│Comments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

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