2014年09月03日

Black Rain 大阪その3 さえずり

弁護士の彼は好奇心があり東京でもNZの銀行から来たメンバーと英語しか話せないのに六本木に繰り出すようなタイプだ。大阪で個人面談終了後、どっか連れてけーって楽しんでる(笑)。もちろんです!Deep大阪まではいけないがJR大阪駅の三番街の昭和の居酒屋群に引っ張っていく。

 

彼は夕方の人通りの多さにびっくりしてるので「途中で迷ったらすぐホテルに戻れ、そこで再合流だ」と伝えて何とか昭和の三番街までたどり着くと彼はびっくり、Wow!である(笑)。

 

あそこの飲食店はどこもDeepでありつつそれほど柄が悪く無いから外国人でもガイドさえいれば楽しめるレベルだ、飛田や新世界とは違う、安全なDeepである。

 

彼と二人でぶらぶらしつつ、よしここにしようと決めたのが江戸時代から続く「関東炊き」のお店である。カウンター16席、小上がり8席のちっちゃなお店だがフロアで5人位、キッチンで5人くらいのスタッフがいて彼からすれば「何てスタッフが多いんだー」とびっくりしてた。

 

オークランドでは普通このサイズの店ではあり得ない人員配置ではあるが彼らが知ってるのは所詮キーウィワールドであり様々な日本社会の事情など理解出来ない。だからぐちゃぐちゃ言う彼に「うるせー黙れ」と最初に口に押し込んだのがクジラのさえずりだ。ははは、参ったか!

 

関東炊きとはおでんの事で、この店は江戸時代からやってるだけあって旨い!さえずりでさえ徹底的に脂を落としてことこと煮込み更にとろけるほど軟らかくて串に刺して食わせてくれる。

 

彼が「これ何だ?」と聴くとぼくは満面の笑みで「くじら!」ははは!

 

ところが流石に中国人、けろっとした顔で「旨いよね」とか言いながら写真撮ってる。「おい、間違ってもFaceBookUPすんなよ!」「わかってるよ、けど記録に撮って置かなくちゃね」。

 

エキナカの昭和のお店であり列車が上を通過する度にごとんごとんって音がしつつもこの店、時代についていこうとしているようで、何とメニューの英単語帳を作っている。おまけにキッチンスタッフも日本語ながら僕らに「兄ちゃんたちどっから来たん?」と明るく話しかけてくれる。

 

「ぼくらニュージーランドから来ました、ここ美味しいですねー」と話すと喜んでくれて大阪人の人の良さを感じる(嬉)。

 

次に馬刺しを注文する。はは、これまた彼が口に入れるまでネタが何なのか言わない。けどこの馬刺しのレベルが高い!よく冷やして臭みを感じさせないように生姜を使って美味しく食べさせる技である。まさに馬(笑)!

 

彼が「これ旨いね、牛刺し?」って言うから、またもにこーっと笑って「HORSE!」って言うと笑い出して「tomさ、今日君はぼくをからかってる?」と聴く。ううん、全然、すべて本当だよ、君が食ったのはクジラと馬だって言うと彼はもう笑うしかないって顔で「んっまあいいや、ぼく、食べるの大好きだもん」。

 

さすが中国人を祖先に持つ人種である、飯食ってて楽しい。それからも珍しいネタを注文して彼が「いやー、すごいね日本!」と言わせるのはなかなか快感である(笑)。

 

関東炊きのお店を満喫した後、少し大阪駅のあたりをぶらぶらしつつ観光だ。

 

1980年代に制作されたBlackRainというマイケル・ダグラス主演の映画の舞台はまさにバブルどまんなかの大阪であり、まだガイジンがあまり普通でなかった時代、ニューヨークで起こった殺人事件を追って大阪にやって来たマイケル扮する刑事が日本の刑事(高倉健)と手を組み事件を解決する筋書きだ。

 

マイケルの同僚刑事であるアンディ・ガルシアが演じてた場所とかを少し案内しつつ、大阪と東京の違いを説明する。けど僕だって九州の田舎人、両方を客観的に説明することは出来ない。あくまでも「何となく」でしか出来ないが、少なくとも外国人に英語で簡単に説明する程度なら多分問題ない。

 

日曜日だったので北新地の店は殆ど閉まっておりてくてく歩きつついろんな話をする。1980年って昭和なんだよね、でもって僕の知ってる日本は景気の良い昭和で止まっている。だからバブル崩壊後の日本とか少子高齢化ってのも僕の知らない世界だ。

 

あはは、なんだからとりとめのない大阪初日の夜、まさにさえずりでした。 



tom_eastwind at 09:00│Comments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

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