2014年10月01日

時代

民主主義という胡散臭いシステムはチャーチルも言ったように、人間が造った最も下らない仕組みであるが、少なくともこれ以上にまともな政治システムがない以上仕方なく受け入れるしかない。

 

ぼくは個人的には日本の古代の原始共産主義が良いと思ってる。出来る人ができる事をやり適材適所、皆が手をつないで上向きの平等を目指すのだ。例えば日本の漁村で若者が船に乗ってクジラ漁に出れば奥さん達が網を引き料理の支度をする。

 

子供たちは港の後片付けをして老人は骨を削ってお皿などにして再利用して脂を灯りにして内蔵を漬け込んで保存食にしたり。その間漁で疲れた若者はおばあさんの沸かしてくれた風呂に入り疲れを取る。

 

さあ夕方に慣れば奥さんたちが作ったくじら料理を皆で集まって楽しむ。こうやって村の夜は過ぎていく。

 

だが資本主義が導入され私有権や所有権が認知されている現代では人間に実現不可能な政治システムでなり下手に導入すると民主主義以下の独裁主義「動物農場」を招いてしまう。それはRussiaと中国で歴史的に証明された。

 

ただ日本型民主主義=一部の支配層を除いて国民皆が下向きの平等、つまり皆が競争し合い他人の足を引っ張る結果としてリスクを取った革命的な発展が起こらず昨日と同じ今日を過ごして何も変わらない明日を待ってるだけで他人の努力に目をつけてジロジロ見てちょっとでも失敗するとすぐに批判して誰も幸せでなくなる状態が良いとも思わない。

 

NZも民主主義であり社会にはある程度の競争が存在しつつも基本的に他人は他人だ。他人の領土にいきなり入り込んで価格破壊なんてやるよりもどちらかと言うと誰もやってない事に挑戦する方が好きな下地がある。

 

自分は適性のあう場所で好きな事をする、その為の社会インフラ(高等教育、医療、老齢年金等の社会保障や法整備)は個人が税金を払って公僕である政府が整えるがそこから先は国民の自己責任である。

 

働かずにぶらぶらしていたら食ってはいけるがそれ以上は何も出来ない。自己責任を取ってリスクを背負って新しいビジネスを立ち上げ成功させれば良い車に乗れるし、更に競合がなかなか出てこないから価格競争もなく予定通りの利益が取れる。いずれビジネスに喜びを感じなくなればビジネスを売って何か他の新しいビジネスをやれば良い。

 

そのような、誰にも平等な「働く権利」を保障するのが政府の役目でありNZでは小さい政府を目指している。

 

最近は民主国家が増えて経済的に世界の二極化が進んでおりそれはニュージーランドでも同様であるが政府の舵取りがうまいので極端な落ちこぼれが出てもそれを受け入れる仕組みが機能しているから他国に比べて格差が小さく犯罪が少ない。

 

だから現在のNZの仕組みのほうが同じ民主主義でも「働く人間にはまだましだ」と思っている。働きたくないけど社会保障が欲しいのなら日本に行けば良い、あなたと同じような働きたくない人がたくさんいるから(笑)。

 

共産主義よりは少々ましな民主主義ではあるがそれにリベラルなどの冠が付くと胡散臭くなる。誰よりも賢くて東大法卒で作った大きな政府が国民を領導して豊かな国家にするとか何とか、それで戦争に負けて東京を焼け野原にしてその次はバブルを崩壊させて日本経済を一気に崖から突き落として多くの死者を出した。

 

50年に一回づつ確実に崩壊するそんな政府なんて不要、最小限の事だけやりゃいい、医療と教育と老齢介護だけやって、それ以外の事は民間に任せておけ。確かに受験能力では東大法学部が上だろうが世間で生きていく智慧においては東大に負けない連中は民間にゴロゴロしている。

 

201492921:00香港に到着。ホテルに荷物を置いてコーズウェイベイの行きつけの店に行くと今日は閉店、あれ?お店が面する大通りは大交通網で普段はタクシーやバスでぎっしりなのに今日は若者の座り込みでぎっしり。そっか、おれ「香港占拠」にぶつかったんだ。

 

なんでいつもこんな場面に出くわすんだろうな、ほんと不思議。いつもすぐ隣で歴史的事件が起こって僕は常にその横にいる傍観者である。

 

1997年香港返還後最大の混乱。中流層が消え去って世の中が二極化して若者に残されたものは何もない。若者の失業率は9.1%。今までの香港人であれば政治に対してドライで「政治が抱けるか?政治が食えるか?」と言って距離を置いていた。

 

しかしそれは結局英国統治体制の積極的放任主義だから出来た話であり、中国共産党がやってきて箸の上げ下ろしから賄賂の渡し方までいちいち命令するようになり、やはり政治は「食い物に影響を与える」事に気づいた。

 

世界が二極化する中で世界中の若者から仕事がなくなっていってる。殆どの国家の人々にとって他国と比較する術もないからAucklandでも50代の人々が「ニュージーランドの今の若者は」と嘆くが今回は「世界の今の若者」に直結してるのだ。

 

今回のデモは基本的に政治でもであり就職でもではない。しかし現実は今まで働いてオイッしい部分だけ先に生まれたってだけで50代が取ってしまい、後から生まれた若者が社会に出る頃にはおいしい部分は殆ど残っておらず多くの若者に残された仕事は単純労働やパートタイム等であり何の知的成長も促さない。

 

そこに中国政府が更に香港から自由を奪い中国化しようとしてるのだから、そりゃ香港人もそろそろ切れる。これ以上北京の言いなりになってしまえば広東語禁止や繁体文字の公式利用禁止とかが出てくる。

 

テレビはすでに北京語の番組が増加しており、広東語、繁体字、香港料理、若者の食い物まで奪われれば香港人のアイデンティティが失われてしまう。そういう若者たちの未来への恐怖が時代の変化と北京政府に対して不満を爆発させたのだ。

 

香港に到着したその夜に香港の若者のデモ、若年世代が社会構造の変化による被害者となっている現実、中国共産党の暴力的な支配に対する抵抗。

 

酒を飲み日系企業の最近の様子でも聴こうと思って軽い気持ちで街に出たのに目の前に起こっているのは全然軽くない話。神様は一体何を僕に見せようとしているのか?

 

デモの若者の様子を暫く見てからタクシーでホテルに戻る。ホテルのバーに置いてあるウイスキーボトルで水割りを飲みつつ「ふー、世の中って絶対に昨日と同じ明日はないよね_」と感じつつ、明日の飛行機が早いのでとっととベッドに入った。



tom_eastwind at 22:31│Comments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

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