2014年10月13日

いつかきた道

【ソウル=中川孝之】米国のデビッド・シアー国防次官補(アジア太平洋担当)とダニエル・ラッセル国務次官補(東アジア・太平洋担当)が6日、ソウルで尹炳世ユンビョンセ外相ら韓国政府高官と相次ぎ会談し、新しい日米防衛協力の指針(ガイドライン)中間報告の概要を説明した。

シアー氏らは、自衛隊の役割拡大への懸念が根強い韓国側に配慮し、日本に先立ち訪韓。韓国政府高官によると、韓国側は、日本の集団的自衛権行使を巡り、「朝鮮半島の安保に影響する場合は、韓国の要請や同意が必要」との立場を伝えたという。シアー氏は会談後、記者団に、日米両政府が8日にも公表するガイドライン改定について、「米日関係だけでなく、地域全体の平和と安定も強化するものだ」と語った。

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何がいつか来た道かっていうと軍国主義化である。それも今回は前回と違いかなり速度が早い。

 

戦後約60年平和ボケしてた国民とその国民に対して腹の中で怒りを覚えていたおじいちゃん思いの政治家や「大東亜戦争よもう一度!」の勲章大好き人が墓に行く前に一気にアクセルを踏み込んだ感じでまさに鳥獣戯画だか、それとも手塚治虫の描く比丘尼の世界か(笑)。

 

どっちにしてもやるほうは自分が戦争に行かないんだから見てて喜劇、やられる方は自分が決めたわけでもないのに戦地に送り込まれる悲劇という悲喜劇であるのは間違いない(苦笑)。

 

安倍首相は経済活性化を訴えてるし消費税増税をあまり積極的に突っ込まないのもとにかく消費の冷え込みを避けたいからだ。何故ならそれこそ国民の目を経済に向けさせ唯一彼の軍事大国願望を叶えるものだからだ。

 

人は腹一杯になれば政治を気にしなくなる。食えれば良いのだ。だから安倍首相は取れる経済政策や手段は何でも取る。株価維持政策の為にいよいよ国民の年金を管理する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の資金を株式市場に突っ込む。

 

今までGPIFでは国内株式12%と政府によるポートフォリオ規制があったのを「20%台」に引き上げる事で45千億円の国民の年金掛け金が株式市場に流れ込む。さらにポートフォリオ乖離幅20%を容認する運用方針が決定すれば更に13兆円の追加資金が流れ込む。

 

これは東証一部に上場しているすべての建設業の株価の時価総額を軽く上回り同じく一部上場の食料品会社すべてを買い取ることが出来る金額、東証にある株の総資産価値の約5%にあたる。

 

これで経済を活性化、言葉を変えれば国民のたださえ不足気味の年金財源を博打場に放り込むわけだが、政府からすれば消えかかってる焚き火に国民の札束を放り込んで暖を取る「いいじゃないの〜今が良けりゃ政策」である。これで一時的に国民に暖を取らせてる間に軍備増強である。

 

ちなみに偶然であるが株価維持政策をPKO(Price Keep Operation) と呼び、国連軍として外地に戦争に行くのも PKO(Peace keeping Operation)と呼ぶ。誰が付けたんだこの皮肉(苦笑)。

 

経済を鈍化させず国民に経済のみに目を向けさせてる間に空母(強襲揚陸艦)を2隻に増やしオスプレイを配置することで中国大陸の法人救出だけでなく相手国の国内動乱を鎮圧に行くという理由で空母に乗せて陸上自衛隊の送り込みも出来る。

 

と、途中まで書いて放置してた1006日時点の記事。すると続いて1012日という国民が連休でいなくなる隙を狙って、またも「キター」ですよ。

 

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政府は集団的自衛権を含む一連の安全保障法制整備で、自衛隊の米軍後方支援や海外任務拡大について新たな恒久法の制定を含む2案を軸に自民、公明両党に示し、与党に判断を求める方向で調整に入った。集団的自衛権行使は新法でなく武力攻撃事態法を含む現行法改正で対応する方針だ。早ければ11月にも法制の骨格を与党に提示する。政府、与党の関係者が12日明らかにした。
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どーです、一連の動き、見事ですね。鬼のいぬ間のなんちゃらですか(笑)。最初は自衛隊の海外派遣実現、その段階では周辺事態とか言いつつ中東へ派遣されれば後備と言いつつ実際に戦闘が始まればそんな事は言ってられない。今までは戦後の復興建設部隊として中東に派遣されたが今回は違う。今回は使える武器を持っていくのです。

そして自衛隊員が殺されれば国内世論が出てきてそこには必ず一定の「戦うべきだ、自衛隊員の命を無駄にするな」とか「世界に対して日本だけが尻込みして逃げたと言われない為に戦う」とか色んな理屈が出てきて、要するに戦うための理屈が大本営発表として新聞やテレビで発表される。

すると新聞やテレビしか見ない多くの人々はそこに空気を感じて「こりゃ従わなくちゃKYって言われるわ、早速コンビニで日章旗買って自衛隊基地で出陣式に望む若者に旗を振らなくちゃね」となる。

日本人は流されやすい。空気に捕まって自分で忖度してしまう。その結果として1930年代の日本に戻って出征兵士に「ばんざーい!」とやってしまう事になる。あれ?自衛って何だけってなんて立ち止まって考えることもしない。

今回特に気になるのは動きが早過ぎることだ。どうも背景に米国の影を感じる。「ねー、悪いけどカネがない米軍に代わって中東で日本の陸軍出してもらえないかい?いやいや、形だけでいいんだ、国際的な行動って事にしないと米国だけ突出するとテロられるからだよ」

日本は戦後中東とわりかし良い関係を築いてきた。石油問題があるし中東の人々も日本人に対しては良い印象を持っていたからだ。けれど彼らは今イスラム原理主義によって洗脳されて死霊のはらわたのゾンビーのように何も分からなくなっている。脳が溶けているのだ。

脳が溶けた人々がそこに日本陸上自衛隊を見た時に何をするか?それはテロである。つまり日本はこれから非常に大きな、戻りようのない一歩を踏みだそうとしているのだ。

僕は戦争そのものに何の反対もない。個人レベルで喧嘩というのは時には必要だと思ってる。けれど今回のような米国の仕掛けた方法に乗っかっての軍備再編の危険さは容認の範囲を超えている。

「君死にたもうことなかれ」。与謝野晶子の言葉がこれから5年以内に多くの家族から言葉にならない言葉として発せられる気がする。あくまでも推測ではあるが、海外から見える日本は様々な事象が次第に固まりつつ大きな流れを作っているのが見えている。 

これは安倍首相一人だけの行動ではない、時代の大きな流れだ、その流れは地面に雨が溜まり最初は細い川になり次第に合流して大河となり大きな滝を流れ落ちて滝底にたたきつけられてやがて大海に出て静かになる。大海の水はまたやがて熱せられて空に舞い上がり雲となり地上に雨を降らせて川となり。。。



tom_eastwind at 18:48│Comments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

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