2014年12月14日

日本人が日本人であるために

金曜日のクリスマスパーティでは多くの人にご参加頂き楽しんで頂いたと思う。人種で言ってもいろんな人々が混ざっていたがうちのスタッフは皆英語も日本語も問題ないのでその場のメンバーに合わせて言葉を使い分ける。

 

複数の外国人と話す時のマナーとして、例えば10人で会議をする場合で9人が英語の出来る日本人、1人が英語しかできないキーウィって場合は基本的に英語を共用語とすべきだ。けど、じゃどこまで英語が出来れば「英語が出来る」と言えるかって判断基準はない。

 

正直僕も今でも英語で迷う事があるが仕事やパーティで会話に困ることはないので完璧である必要はないと思う。ただしニュージーランドという国で日常生活に困らない程度の能力は必要。

 

昔クイーンズタウンに住んでた頃、面白い日本人がいた。とにかく思いっきり語彙に乏しいのだが何故か見事に地元キーウィと会話を楽しんでいる。HappyUnhappyだけ使い分けてその時の自分の気持ちを相手に伝えるのだが、それが実に上手だ。彼を観てると英語が出来るってのは語彙じゃねーな、伝えようとする気持ちだなって思った。

 

うちの会社のように顧客は全て日本人、取引先はすべてキーウィという場合は顧客との会議はすべて日本語であり取引先と当社が複数メンバーで会議をする場合は英語が共用語となる。なので取引先の、例えば相手が弁護士一人でこっちが3人って場合でも基本は英語だ。

 

これは相手に対する礼儀であるし同時に信頼を醸成する手段でもある。こっちは何も隠し事してませんよ、あなたに分るように英語で話しますってことだ。

 

勿論信頼関係のある相手ならこっち側がてっとり早く日本語でわーってやることもあるが、それも決してベストなやり方ではない。やはり基本は相手に分る言葉で話すって事だ。

 

しかしここまではパーティや会議の必要最小限の話でありここから先は日本人が日本人である為にどうすべきか、である。

 

パーティ会場では僕も含めた国際結婚組や、まだ結婚してないけどキーウィパートナーを連れてやって来る日本人がいる。そうなるとそれぞれの生まれ育った生活習慣が持ち込まれる。

 

キーウィからすればパーティの椅子にザックバランに足を組んで座っているが、普段なら集まった順番から酒を飲むのだけど日本企業の年末のフォーマルなパーティなので開始前から「おーい!ビールくれ」ってのはダメだろうな、くらいのわきまえはある。

 

色んな人々が集まる中でパーティ開始宣言をして飲み物(子供はジュース、大人はビールやワインや日本酒)を手に持ちカンパーイ!ここから先は無礼講であるからカウンターに並んだ豪華な料理を次々に手に取り三々五々立食テーブルの回りや壁沿いの椅子に座って皆が楽しそうに会話を始める。

 

しかしまあ今年は料理が豪勢だなー。カウンターに並ぶ料理は和食でありながらキーウィ風にアレンジされてて例えば大ぶりの海老天にマヨネーズとかナポリタンソース。魚のすり身なんだけど爪楊枝で刺してサンドイッチみたいに数枚を一つにしてたり、お寿司はパーティが始まってから目の前で握ってくれて新鮮な状態で大きな寿司桶に並べてテーブルに配られる。

 

テーブルでは生牡蠣やシーザーサラダが並んでおり出来立ての茶碗蒸しも絶品、そのうちNZ名産のマッスルバター焼き、下にパスタを敷いてる!そしてさすがに富士の金太郎だ、博多名物のもつ煮込みも出て来て皆さん欣喜雀躍!

 

うちの会社ではあまり飲み助はおらず女性が殆どなので、とにかく食わせておけばhappyである(笑)。次から次へと出る料理、ニュージーランド国家演奏、ア・カペラグループによる歌、楽しいビンゴゲーム、デザートと出て来て、630分に始まったパーティが9時過ぎになると皆良い気持ち。

 

そんな中、僕は基本的に皆のテーブルを回って今年一年有難うございましたとあいさつ回りをしつつ皆さんの様子を観る。

 

年末にキーウィの彼氏を日本に連れ帰って親に紹介するカップルとおしゃべり。ちょっとでも目を話したらすぐに飛び回る子供を怪我しないように片目で見ながら友達とおしゃべりを楽しむ奥さんたち。富士の金太郎から外にでることはないので大きな怪我はないだろう(笑)。

 

今年一年ビザで苦労したビザチームが集まって感慨深げに思い出しつつおしゃべりしてる。出国税の話で盛り上がってるチーム。Aucklandの富士の金太郎で開かれてるパーティで同じキーウィなのに何だか硬苦しくて「あれ、あの人達会話してないな」と思うと入り込んで話題を盛り上げに行く。

 

日本から3ヶ月程度の短期滞在で娘を訪ねてやってきたおじいちゃんは、お孫さんに囲まれて楽しんでいる。英語はそれほど得意ではないが日本の話をすればそりゃもう立派なビジネスマンである。大阪の末野興産の話になった時はお互いに笑った(笑)。このネタが通じる人は少なくなったな、てかネタ知ってる人で今まで生き残れた人の方が少ない(苦笑)。

 

そんな中、子供を見れば親が分るというか、下は3歳から上は19歳まで多くの子供がいたが、子どもたちがカウンターの料理を取る時、ある子どもを見てふと気づいた。この子、きちんと裏箸してる。

 

大皿料理の皿に取り箸がない時にどうやって料理を取るか?キーウィなら手づかみ(笑)?皆がそれぞれの文化があるのだけど、外国で育って日本の文化を知らないはずなのにこんな大皿料理ではきちんと裏箸を使える子供、大人と会った時はきちんと「こんにちは」と言える子供。こういう、一つ一つの何気ない仕草がやはり「日本人が日本人であるために」必要な教育ではないかと思う。

 

僕がクリスマスパーティをするのも会員互助会をするのも皆さんが外国で助けあいつつ日本人として生きていける、同じ価値観や同じ道徳を持った人々が団結して生きていける、そういう組織を作る為だ。

 

そういう交流会の中できちんと挨拶出来る子供や裏箸を使える子供や周囲の大人に大人というだけできちんと敬意を払える子どもたち(苦笑)を見ると、やはり親がしっかりしているなと思う。

 

外国で生活をしようがそんなの関係ない、自分は日本人であり子供には日本の躾を身に付けさせる、それが日本人の親である。

 

今日は自民党の決戦、3分の2が与党になると何が起こるか?面白い、一気に右翼化するぞ、けどその時日本に残って生き残るために日本の良い道徳を忘れようとする日本人の道徳とぼくらのように海外に出たけど日本の良い部分を維持していこうとする日本人の道徳と、比べてみたいものである。



tom_eastwind at 17:19│Comments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

トラックバックURL

この記事にコメントする

名前:
URL:
  情報を記憶: 評価: 顔