2014年12月27日

お客様への手紙

今日はあるお客様からの多方面にわたるお問い合わせを頂きそのメールを書いてるうちに「あれ?これって他の方も知ってもらった方がいいよね」と思って少し内容を改定してブログに転載。

 

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(「あなたの判断基準は?」と聞かれて)僕の判断基準は二つあり、まず世界を俯瞰して歴史と照合する、 いろんな街で定点観測、何が変化して何が変化していないか、そして現場で話を聴いて最後に肌感覚で答を作る、つまり相手のやろうとしていることやこれから起こる変化を読むという方法です。 

 

海外資産調書、出国税、マイナンバー、消費増税、資産税、これは 財務省の一連の動きですべて繋がってますね。明確です。 富裕層向けの囲い込み、そしてフルボッコで平民の地位に落とす。これは戦後すぐの時期にも違った形で実行された事は古い世代の方の脳裏に明確に残ってます「政府は信用出来ん」として。

 

しかし海外資産調書などは資産を持っている人から取る方法でありますが資産家などは世の中の1%でありそこにいくら課税しても合計額としては財政に影響を与えることはありません。

 

政府にとってもっと大きな問題は世の中の95%以上を占める「持っていない人」への課税です。持っていない人にどう課税するのか?

 

それは医療費、年金、福祉の減額による実質的課税です。つまり今まで国家負担であった福利厚生費用を個人負担してもらうことです。毎年13%程度の減額、それも一番利用の多い世代を狙い撃ちにします。

 

消費税が上昇して複利減額、さらに物価が上昇している現在、この世代にはきつい話ですが更に問題なのはこれは一過性の話ではなくこれからずっと死ぬまで続く話だという事です。

 

はっきり言えばカネがない人には「お国の為に頑張ってくれてありがとう、もう君は用済みなのでとっとと死んでくれ」です。これからカネがなくて病院に通えず年金減額物価上昇でまともな食事も出来ない人々の孤独死がますます増加していくでしょう。

 

それから銀行口座開設規制ですが、NZが米国に逆らえないのではなく世界が米国に逆らえないのです。ただ一つ 言えばNZは金融以外では米国に逆らってますよ。核搭載艦の入国拒否、 最新鋭戦闘機購入予約の取消など、しょっちゅう米国を怒らせてます(笑)。おかげで1980年代には米国との実質外交停止が5年ほど続きました(笑笑)。

 

NZに増えた中国人を規制するとお金も流入が止まるのでは?)それから対中国ですが、NZにとってカネは必要だけどヒトは不要ということです。現在投資家ビザで申請する中国人のうち永住権まで辿り着けるのは30%程度です。

 

家族ビザ枠で申請する90%以上が中国人ですが、これも申請してから最低8年以上かかるようにしてその間に親が健康を害して落とす、または死んでしまうのをまつのがNZ移民局の「対策」です。

 

中国経済が崩壊するか?これは僕も非常に興味を持っており注視しておりますが現時点では崩壊しないと考えています。

 

バブル崩壊は共産主義の仕組みならばお札を刷りまくって崩壊はしませんが異常なインフレが起こり結局国民にしわ寄せがいくだけです。金利上昇で今までローンで買っていた中国本土の不動産の支払いが出来なくなり海外の不動産をたたき売りは十分にあり得ます。

 

売買で損をするのはNZから去っていく中国人でありキーウィからすると住宅価格が下がるのは有難いことです。購入の多くは実需であり現在が上昇し過ぎなので20%くらい調整で下がってくれた方がNZの若い夫婦のためです。

 

バブル崩壊とは需要のない風船が破裂する状態ですがNZでは住宅を買いたい30代夫婦がたくさんいます。彼らは70万ドルまでなら銀行ローンで買えます。この実需が売却件数を下回らない限りバブルではなく実体経済上昇になります。

 

そして20%程度下がっても人口はAucklandで毎年5万人増えるわけですから、5年後には自然と不動産価格は上昇します。人口増加が続くAucklandでは10年単位で見れば不動産投資は常に上昇しています。

 

実は香港で去年末まですごいチャイナマネーが流れこんで不動産価格が急上昇 したのですが、今年3月頃から一気に叩き売りになった事があります。大陸本国の不動産 投資資金が回収出来なくなり香港の不動産を手放したのです。

 

  そして今面白いのが習近平の虎刈りですね。今年習近平がニュージーランドを公式訪問した理由の一つがNZに逃げた賄賂役人を摘発して財産を差し押さえ、その財産を NZと中国で半分こにしようぜって提案です。

 

要するにNZからすればまず投資で中国人を呼び込んでおいて彼らが居住開始した後に彼らの財産を中国と組んでごそっとカッパライ本人家族は中国に送り返す政策です。

 

技術的には銀行口座凍結をして本人と家族のビザを「申請の際に不正があった」として剥奪して中国に送り返し後は中国政府が裁判所に連れて行く。そして凍結した財産は中国とNZ税務局によって山分け。これは数年前にスイスと日本が五菱会事件の際に山分けしたのと同様ですね。

 

  この提案にはNZも乗っており「おー、海賊精神の祖先の血が湧くぞ!」みたいな 雰囲気です。どっちもどっちですが(笑)普段は優しく視えるキーウィでも税金を担当する税務署になればキーウィでも話は違うってことですね。

 

ただそれでも真面目に 働く人間には優しいのも事実なのが救われるところです。  少なくとも若い労働者と政府が約束した事を後になって破ることはしない、その意味では約束を守る良い国です。

 

そしてNZは良い立ち位置な国でもあります。後進国なだけに北半球の先進国で起こることを見つつ彼らの対応を見てから自国の立ち位置を決めます。ここだけは上手だなって感心してます。

 

  長くなりましたが、それでは来年も宜しくお願いいたします。

 

tom 拝



tom_eastwind at 12:18│Comments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

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