2015年01月18日

巨大監査法人を監督?

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51カ国・地域で新機関 情報共有

2015/1/16 14:00日本経済新聞

 

欧米、アジア、中東など51カ国・地域の金融当局は、2017年をメドに監査法人を監督する新たな国際機関をつくる。世界展開する巨大な監査法人の監視には、国際的な連携が欠かせないと判断したためだ。01年に破綻した米エンロンの不正会計事件などをきっかけに監査法人への不信がくすぶっており、監督の強化を通じて信頼の確保につなげる。

 日本からは金融庁傘下の公認会計士・監査審査会が新機関の設立メンバーに加わる。…

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笑える記事だ。監査法人を監督する国際機関って、そこで働く人が巨大監査法人出身とかなんでしょ(笑)。リーマン・ショック当時もFRBのスタッフがリーマン出身だとか、要するに金融畑の連中ってのは攻守を入れ替えつつ野球をやってるような、自分たちだけ楽しくよろしくやってるだけではないか。

 

監査法人とは企業を監査するわけだ。その、監査する法人が信用出来ないならじゃあ監査法人が監査対象としている民間企業なんてもっと信用ならんって話ではないか(苦笑)。

 

実際に米国では企業は性悪説として捉えられている。日本の一般的な企業とは社会の見方が違う。日本では殆どの経営者は真面目に社会のために働いている。経営者として優秀かどうかは別として真面目という意味では本当に真面目である。

 

だから日本では企業の社長は福岡の中洲あたりでは「あーら!しゃっちょー!」と呼ばれて税理士は「まー、先生!」と呼ばれ会計士も先生で更にその会計士をたくさん抱え込む監査法人は大先生でありながらそれでも政府による監督が必要で、じゃあ政府を監督するのは誰だ(笑)?

 

これだけ疑惑の層が積み重なれば最上階にいる政府でさえ信じられないわけだが、そこは誰が監督するのだ?

 

特に政府ってのは自分で勝手に法律を作ることが出来る。既存の法律では違法ならまず法改正をやってから違法行為を合法にするのが政府のやり口だ。

 

今回の監査法人の監督ってのは偉そうな倫理や法律なんて話ではなく、ここ数年のG20 あたりでやってる各国国家の権力強化の一環でしかない。政府の枠を飛び越えて活動するグローバルな監査法人はそれまで国境で縛られた政府には手が出せなかった。けど世界各国で手を結べば怖くない、監査法人だって叩けるって発想だ。

 

けどこれ、元々が政府と民間って世界的には交流しているわけで今たまたま政府側にいるプレイヤーが政府の意向を汲んで民間を叩くわけだがそのプレイヤーが民間に行けば政府の手口は解ってるわけだからいかようにも対策をうてる。

 

つまり権力を強化したい各国政府(名を取る)とそれを利用して自分たちの活動領域を更に広げようと(実を取る)する金融マフィアの騙し合いで、けど彼らのお金は僕ら一般国民の税金から出るわけだから一番バカをみるのは納税者だ。

 

今回のようないたちごっこ的新組織ってのは金融畑の連中が自分たちの職場を増やすための活動であり倫理がどうのとか監督がどうとかではない、自分たちの金儲けの場所を一つ増やしただけである。



tom_eastwind at 20:08│Comments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

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