2015年05月08日

イスラムにはイスラムを

現在の中東情勢はまさにバトルロワイヤル状態で、皆が全員で叩き合いをやっている。ほんのちょっとした意見や考え方の違いでどっかーんと大砲撃って人の首刎ねて、昨日の敵が今日の友みたいなバカ連中が内戦やってる。

 

そこに商売のネタを見つけた武器商人たちが兵器を売りつけて戦争を駆り立てる。IS国ってのは元々米軍がシリアを攻撃するために作った組織であり軍事訓練も資金も軍産複合体が出したものだ。

 

米国が一枚岩ってのを前提にして今の中東を見ると絶対に理解出来ない。米国は1980年代にイスラエルに乗っ取られた軍産複合体や政治家グループと、古くからの米国の伝統を守る政治家グループの二つにきっちりと分かれて、彼らが世界を舞台にして喧嘩をしている。

 

カラー革命と呼ばれた中東からアフリカまでの民主化運動は元々米国主導であった。これに協力したのが米国のネット企業である。彼らは大統領とも食事をしながら技術的に何が出来るかを説明して米国政府の為に働いた。

 

これは目先で見れば米国が大好きな民主主義の広まりと言えるが長期的に見れば中東における反米政治家の追放であり、そのさらに先にあるのは有力な政治家が不在になり国家が乱れてそこにイスラム同胞団が入り込みイスラム国家の成立である。

 

こういう流れが10年単位で動いているから普通に日本語で新聞を読んでいても今の中東は理解出来ない。更にこれを複雑にしているのは上にも書いたが米国内の暗闘である。

 

最初は伝統的米国グループが表面的には民主主義の広まり、本音は反米政治家の追放でやってたら反米政府を倒した後に軍産複合体が出て来て自分たちがISのような反政府グループを作って内乱を起こしてそこの国をグチャグチャにして長期的な内戦状態に追い込む事でイスラエルの平和を守るって筋書きになった。

 

そうなると伝統派は逆にイスラム全体の力を強くさせるために彼らがイランを中心にまとまるように手頃なとこでイラクから撤退してイランがイラクを支配出来るようにした。そしてシリアでもイラン革命防衛軍が中心となって戦っている。

 

ISもキチガイみたいにとにかく周囲にいるすべての敵、思想信条に関係なくすべての派閥を敵として攻撃している。この内乱状態を利用してシリアも自国の生き残りのために時にはイランと組んだり時にはISを隠れ蓑にしてクルドなど本当の反対派を叩いている。

 

しかしこれを外側からよく見ると長期的な戦略が見える。それは米国内の伝統派とイスラエル支持グループの戦闘である。つまり伝統派におけるこの中東内戦の最終目的はイスラエルを殲滅またはイスラム教グループとの和解をさせることだ。

 

伝統派からすればほんとはイスラエルなんて殲滅させたい、けどイスラエルが殲滅の危機に陥れば彼らは遠慮なく核爆弾を使う。だからイスラム諸派を1つのグループにまとめてイスラエルを包囲して和解の道へ持ち込むのが現実的な判断であろう。

 

これに対してイスラエルの、特に右派は自分たちのユダヤ教と自己防衛本能が強いから何としてでも自分たちを守るために中東のイスラム諸国が一生内戦やってろ、そしたらこっちに目が向かんだろうって事で軍産複合体を使ってISのような狂犬集団を作り上げ内戦状態を作り上げている。

 

なので中東戦争はイスラエル対伝統派米国の代理戦争だ。それで馬鹿正直に各国で内戦やってるうちは「おめえんとこの事だろ」でいいのだけどこれが世界に飛び火をしてしまい各国でイスラムによる無差別テロが起こるようになった。

 

これは伝統派も軍産複合体も予想しなかった事であるが僕の推測ではここはイスラエルが直接やってるんじゃないかと思う。さすがに軍産複合体と言えど米国人であり自国内でのテロを心情的に受け入れる事はないと思う。マネーゲームの限界を越しているからだ。

 

けどイスラエルからすれば中東戦争がイランの勝利に収まり始めている今、冗談じゃねー究極の敵であるイランが中東を支配すればイランは確実にイスラエルを殲滅する。だから世界各国に住むイスラム教徒の若者を中東に引っ張り込み軍事訓練を付けて本国に戻してテロをさせて西欧人の憎しみがイスラム教そのものに向かうようにした。

 

イランは自分とこの核処理施設をイスラエルにふっとばされた過去がある。長年の恨みと教義の違いと4次にわたるイスラエル対アラブ諸国の戦争で負けた事、さらにパレスチナ難民問題を作った張本人である事などから和解という道は一切考えていない。

 

そうなると中東でイランの勝利が近くなる中、イスラエルが生き残る方法は世界を巻き込んでイスラムテロを拡大してひたすらイスラエルに目が向かないようにすることだ。イスラムによるテロで誰が一番得をするか?イスラエルである。

 

では逆に世界に拡大するイスラムテロによって最も被害を被るのは?それは世界に住むイスラム教徒である。

 

白人からしても日本人からしてもイスラム教徒の誰が良い人で誰がテロリストかなんて分かるはずがない。自宅の玄関の前にひげを伸ばした浅黒い肌の男が大きくて長いバラの花束を抱えてピンポンしたらドアを開ける前に銃を持ちだして撃つだろう、バンバン、相手を殺してそして聴く、お前は誰だ?

 

だって彼が持ってるバラの花束の中には手榴弾が隠されているかもしれない、銃身を切り詰めた散弾銃かもしれない、こっちが友好的にドアを開けた瞬間に手榴弾だか散弾かどっちにしても確実にこちらを殺す武器を引っ張りだして確実にこっちを殺す。ならば殺される前に殺すのみである。

 

こういうイスラム全体に対する恐怖心と警戒心を持たせて全世界のイスラムを敵に回すことでイスラエルに対する攻撃は弱まる。イスラエルからすれば西洋社会で年間数十人がイスラムテロで死ぬだけで自国が防衛されるなら安いものだ、交通事故の死者より少ないでしょって理屈だ。

 

だから僕が思うのは本来ならフランスや米国で非難や攻撃を受けているイスラム教徒はもう少し積極的に全員が一致協力して民主イスラム部隊でも結成して中東の戦いに参加して同胞であるイスラムを一致させて戦争を終わらせ同時にイスラエルに対して和解を申し入れることであろう。

 

そんなこと現実的に無理でしょって言う人は多いだろうが、けどそんな事言ってたらイスラム教徒は西欧から非難を受けるだけで終わりじゃん。

 

昔の話だが、第二次世界大戦が始まると米国に移民して真面目に働いてた日本人一世やその子供である二世は敵国人としてアリゾナの強制キャンプに送り込まれた。何もない砂漠の中で檻に囲まれての生活を余儀なくされたのだ。二世からすれば自分は米国で生まれた米国人である、何故こんな目に遭わなきゃいけないんだ。

 

そんな時に米陸軍が欧州戦線で常に不足する兵隊を何とか補充するためにキャンプの日本人二世に募集をかけた。自分や年老いた両親をこんな所に放り込んだ米国人の為に戦争に行くのか?最初は迷った二世も、いやそうじゃない、俺達は祖国である日本人の素晴らしさを米国人に見せつけて母国である米国を守るために戦争に行くんだ、そう決めた。

 

442部隊、米軍の中で最も多くの勲章を授与して最も死傷率の高い部隊がここに出来上がった。欧州戦線の最も厳しい戦場を転戦しつつある時は敵に囲まれたテキサス部隊救出任務にも参加して兵士の半分以上が死傷した。

 

ダニエル・井上は最近他界したが彼も442部隊出身者で戦闘中に片腕を失くしてハワイに復員、弁護士の資格を取りハワイ州代表上院議員になり日本と米国の架け橋をつとめ最後は大統領継承3位になった。まさに祖国と母国のために働いた英雄である。こうやって日本人は米国の中で誇れる民族となった、多くの日系二世の若者たちの命を賭けた努力によって。

 

今の米国に住むイスラム教徒は約800万人と言われている。これだけいればイスラムの若者が資金を集めて部隊を作って中東治安部隊とでも名前をつけて戦いに行けばよい、民主主義を守るためという名目を掲げて。そうすることで初めて西欧人にもイスラム問題の根源が見えてくるのではないだろうか。



tom_eastwind at 12:09│Comments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

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