2015年06月10日

マイナンバー制度 2

韓国のMERSがすごい事になっている。今日の午後は香港でも一件の感染が確認された。香港の地元ニュースによると5月下旬にソウルに旅行に行った22歳の香港人女性が発熱、MERSと診断された。混み合ってる街だしSAAS騒動の時は僕が以前良く吉野家牛丼を食べに行ってたビルが封鎖された事も覚えている。

 

やっべーな、日本も水際作戦で大変だろうがアジアで一番公衆衛生が整っている日本だから何とか患者を出さずにいければと思う。必要であれば国際線とフェリーを一時入港禁止にするくらいの措置が必要だろう。

 

さてMERSより長期的にはもっと怖いマイナンバーだ。

 

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参院内閣委員会は9日午前の理事懇談会で、共通番号(マイナンバー)制度の利用範囲を預貯金の口座などに広げる共通番号制度関連法改正案の採決を当面先送りすることを決めた。

 日本年金機構の個人情報流出問題を受け、10月から始まるマイナンバー制度への懸念が広がっているとして、今後、厚生労働省の調査状況を見ながら、改めて採決時期を協議する。

 同委の大島九州男委員長(民主党)は懇談会後、記者団に「年金問題を精査して原因究明をしないと、マイナンバーが導入されることに対する国民の不安は払拭されない」と述べた。民主党は衆院で同改正案に賛成したが、今回の問題を受け、枝野幹事長が反対に転じる可能性を示唆している。

 

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マイナンバーは年金業務にも活用するため、今回の年金機構の失態は皮肉にもマイナンバーを広く世間に周知する形になったことで、政府内ではこんな声が漏れた。

   マイナンバーの周知不足は深刻だ。帝国データバンクが全国2万超の企業を対象に20154月に実施した調査では、制度への対応を「完了した」企業はわずか0.4%にとどまった。

   マイナンバーの理解が広がらない背景には、その効果が不透明なうえに、企業に様々な負担を求めていることがある。源泉徴収票や厚生年金の被保険者資格取得届などの法定調書には全てマイナンバーの記載が必要になるため、企業は従業員や家族の番号を正確に集めなければならない。本人確認や適切な番号管理の義務も課され、事務コストやデータの保護対策などの費用負担は避けられない。

   煩雑な行政手続きの簡素化も怪しい。年金の受給開始時や所得税の確定申告時などは、これまで添付が必要だった住民票が不要になる。ただ、民間がマイナンバーを利用するのは禁じられているため、引っ越し時にはこれまで通り電力・ガス会社など複数の機関で手続きをしなければならず、政府が目指す「引っ越しワンストップ」は実現しない。

銀行口座への紐付けは「任意」

   マイナンバーの経済効果を約2.7兆円とはじく試算もあるが、これは民間への利用範囲の拡大が前提。政府は銀行口座とマイナンバーの紐付けを可能にする改正法を今国会に提出しているが、口座への紐付けは「任意」。大手行幹部は「10億件もある口座と番号を任意で紐付けることなど不可能だ」と嘆く。

   少子高齢化が進む中、行政サービスの見直しを通じた行政費用の抑制は不可欠。そこにマイナンバーを活用しようというのがそもそもの狙いだったはず。銀行口座の紐付けができなければ、資産の正確な把握は困難なままで、税や年金保険料の徴収漏れを防ぐ効果も疑わしくなる。

   マイナンバーの導入費用は約3000億円。一方で、どれだけの財政メリットがあるかの費用対効果を政府は出せていない。

IT投資自体が自己目的化した無駄遣い」

「費用対効果が設定されていないのは行政効率化という本来の目的に鑑みればあり得ない」

   財政制度等審議会(財務相の諮問機関)が61日にまとめた建議には、マイナンバーを含むIT予算について、財務省の本音ともとれる厳しい文言が並んだ。

   政府は、マイナンバー制度自体は予定通り20161月に開始する方針だが、年金分野での利用については開始時期を送らせざるをえないとの判断に傾いている。参院で審議中のマイナンバーの利用範囲を広げる改正法案は今国会で成立するとの見方が支配的だが、野党側はマイナンバーの管理体制を追及していく構えで、審議の遅れは避けられそうにない。

http://www.j-cast.com/2015/06/09237198.html?p=all

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マイナンバー制度については何度か書いたが、やっぱり遅れるな。事務手続き的にも時間のかかる作業であり第一政府広報用のサイトでも銀行口座の名寄せなんて一言も書いてない。「給付金などの不正受給の防止」とだけ書いているのに政府内ではすでに銀行の名寄せを前提にして議論が進んでいる。

 

けど案の定であるが銀行側だって「10億口座の紐付けは不可能だ」と言い出している。実際の作業を大手システム開発会社が請け負ったにしても3年程度はかかるだろう。

 

どうやら今回、時は民に味方したようだ(笑)。しかしいずれ紐付けされるわけであり残された時間で何をしておくかを考えておく必要がある。



tom_eastwind at 20:07│Comments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

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