2015年06月22日

スイートメモリーズ

明日から日本出張である。Auckland→香港→羽田→伊丹→福岡→香港→Aucklandとなる。今回はほんと久しぶりに国内移動で飛行機を使う。羽田から伊丹、伊丹から福岡と国内線移動だ、なつかしいな。

 

伊丹空港は大阪の住宅街にあり使いやすい空港である。20代からこの空港を仕事で利用していた。なので21世紀になってまた伊丹を使うようになると更になつかしいのだ。

 

スイートメモリーズは松田聖子の持ち歌だが僕の頭ではこうなる。

“なつかしい 伊丹だわ ずっと前に 忘れていた”

 

何故なら伊丹空港は関空開設によって縮小廃止される予定だった。そりゃそうだ、バブルの勢いだけで土建屋儲けさせるために海の中に沈む空港作ったんだからお役立ちの伊丹空港の存在は困ったちゃんである。

 

戦前から使われてきた伊丹空港は定時発着でも実績がある。戦前から日本陸軍航空隊が作った空港は風の流れが良い。これは福岡板付飛行場も同様である。戦後に政治工作と票集めの為に作られた空港はぼろが多い。

 

伊丹は空港が先に作られて戦後人々が空港の周囲に住み着くようになった。そして飛行機の音がうるさいからカネよこせと言い出した。どういう理屈であるかって感じだがおそらく道徳観念が違うとしか言いようがない。でもって飛行機の発着時間制限がかけられた。

 

そうなると国際化が進む中で使いにくいので新しく空港を作るって事になって実際に稼働し始めて、じゃあ伊丹発着を関空に移しますね、いずれ廃港って事でよろしくって言うと今まで「騒音がうるさい!」と言ってた連中が手のひら返して「何でこんな便利な空港を廃止するんだよ、おかしいぞ、関空の回し者か!」って話になったがこういうのを話にならないという。

 

僕が日本を出てから関空開設の話を聴き「そうか、伊丹を使うことはもうないんだな」ってさびしい気持ちがあった。

 

それが21世紀になってまた使うようになったんだからそりゃうれしいよ、ただ今は設備がどうなのか?潰す予定だったから建物なんて昔のぼろっちい昭和のままじゃないのか?そんなこんな思いで一昨年伊丹空港を使ったら案の定ぼろなままでおまけにプロペラ機ではないか。

 

今どきこんな小型機、どっから見つけて来たのかって感じである。新幹線が発達した今、福岡から大阪は2時間30分で移動出来る。移動ピンポイントを考えれば飛行機よりも新幹線の方が早くなる。

 

ところが新幹線の場合は致命的な問題がある。今回のように各地を2日づつ宿泊移動する場合荷物を全部持っていく必要があるが新幹線には荷物置き場がない。

 

これは昭和の昔に新幹線を作った時の概念が「田舎の役人や議員連中がタバコを吹かしながら風呂敷に書類と少しの着替えを入れて東京一泊二日で陳情に来る」であったからだ。風呂敷に荷物置き場は不要である。「手荷物は手に持つ」だ。

 

なので改築前の東京駅地下にはそういう陳情おじさんたち向けの昭和のママの「喫茶店」や「食堂」が存在し仕事帰りの新幹線の時間待ちに食堂に入り靴を脱いで「小上がり」で「いやー、今回の陳情はうまくいきましたなー、あ、議長、どーぞどーぞまずは冷たいところをきゅっといってくださいよ〜」となる。ちなみにニュージーランドは田舎であるが長距離列車には荷物車が付いている。

 

時代はすでに変わって海外からの旅行客が大きな荷物を持って旅行しているのに東海道山陽新幹線の座席配置は昭和のままである。新幹線に大きな荷物を持って旅行しない人が今だもって時代の主流である現状、外国人がジャパンレイルパスを持って客車に乗り込んだ時に困ったような顔で自分のキャスター付きトランクと座席を交互に見つめている姿は主流の人々には見えてないのだろう。これで観光立国かよって思うがほんとに他人の痛みに気が利かない奴らだ。

 

でもって一応国内線ドットコムで東京→伊丹→福岡を調べてみると、何と東京から伊丹はジェット機、伊丹から福岡も一日1機はジェット機が飛んでるではないか。

 

どういう事か調べてみると国交省の伊丹つぶしのために「伊丹は騒音問題があるので一日のジェット機の就航数を限定させて多くをプロペラ機にしなさい」という行政通達が出ていたのだ。

 

全くもう新幹線行政も航空行政も利用者の視点が徹底的に欠けているな、馬鹿かこいつらと思いつつ今回は懐かしい「伊丹」にします。



tom_eastwind at 19:05│Comments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

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