2015年07月03日

中洲 福岡の経営者

昨日は「出張終了」と言いながら最終日の夜の食事会があったのを書き忘れてた。元々は僕が個人的に予定してた食事会だったが偶然福岡の居酒屋チェーンオーナーグループとの食事会と予定が重なり、だったら合流しようぜって事になった。

 

オーナー同士は20年来の付き合いって感じで仲良く、僕はこのメンバーと3年ほど前から食事をする機会を得ている。皆きちんと距離感があり真面目に働き美味しい食べ物をきちんと出せる店作りに邁進している。今回は舞鶴にあるお店に集まり実に良い距離感で食事をする。

 

僕がAucklandから来たということもあり彼らも「外国からのお客様」という気持ち、そして彼らの仲間と一緒に仕事をしている「同業のお客様」という気持ちがあるのだろう、けど気を使わせない、その距離感がさすが全員成功している経営者って雰囲気だ。

 

今年は福岡の経営者の海外出店元年だ、彼らの中ではカンボジア、タイ、ベトナムあたりのモールにフードコートを共同展開をやろうぜって意気が上がっている。皆仲良しなんだけど、じゃあ誰がどんな店やるかってなると皆「ラーメン!」ビジネスは厳しいですね(苦笑)。

 

指導者格にあたる人が「お前ら仲よーしよる積りでもやっぱそこは経営者やなー」と苦笑いしてた。「けど会長、あなたもやっぱりラーメンでしょ?」と聴かれると「当たり前やろ」!皆さん現役です(笑)。

 

「皆さん一番儲かるラーメンをやりたい、こういう時はどう仕切るんですか?」笑いながら聴く僕んに指導者は「最終的にはじゃんけんですよ、じゃんけんで勝ったものが引くんです」。笑、なるほどじゃんけんで勝った名誉は保ち店を開く権利は負けたものに渡す。面白い街だ(笑)。

 

彼らの店全部合わせると200店舗くらいになるかな、規模としてはちっちゃいがそれぞれの店が流行っており流行らなくなればすぐ業態転換する、そのスピード感がすごい。そして何よりも「美味しいものを提供する」って事を根本に置いてるから価値観が共有されているので話をしていても気持ち良い。

 

その後2次会行こうって話になり最終的には僕が選んだ中洲の多門通りのスナックにご案内することになった。オーナー経営者たちからすれば「もちっと良い店行こうよ」てな感じのカウンターだけの店だ。

 

けど顔だけが綺麗な店で馬鹿っぽい女相手にくだらん住所紹介や職業紹介などの見栄張りするよりはこういう静かな店でゆっくり飲む方がよほど会話が進む。

 

僕からすればこういうざっけない店の方が気楽なわけでどっかの高級クラブで女の子侍らせるって変態趣味もない。あるオーナー経営者の一人は店に入るとすぐに携帯電話でどこかに連絡して30分くらい後に近くの地鶏屋から焼き鳥の出前が届いたのにはびっくり。狭い社会ですね(笑)。

 

中洲の夜は楽しくあっという間に真夜中過ぎ。じゃあ解散って事で僕は皆と分かれて一人で大通りに出る。いつもの景色。30年前と今と店は変わっても中洲が持つ空気は変わらない。

 

交差点。いつもと同じ場所で同じギター弾きがいつもと同じようにあぐらを組んでマイク無しでギターを弾いていた。僕はいつもと同じように黙って彼の横に座りいつもと同じ歌をマイク無しで数曲歌う。

 

交差点の地面から観る中洲は景色が変わる。地面から観る中洲は歩く中洲と景色が違うのだ。いつもと同じようにカップルがこっちを観る。ジャケットを着てマイク無しで座って歌ってるこっちを見て変な顔で、けどギター弾きと二人でハーモニーを始めると(つまりハモる)次第に人が集まってきて、ホストの兄ちゃんも足止めて聴き始める。ギターケースに少しづつお金が入り始める。大声大会だ(笑)。

 

数曲歌い、立ち上がってジーンズについたホコリを払ってギター弾きにいつものようにお金を渡して「じゃね」。次は何時なんて聴かないし僕も次が何時か分からない。中洲の夜は静かに暮れていった。



tom_eastwind at 14:20│Comments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

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