2015年07月25日
愛の讃歌
昨日のブログが「微妙な内容ですな」とコメントを頂いた、やっぱりなー、表現方法も含めてずいぶんでしたからね(苦笑)。
なので今日はきれい事で(笑)。
エディット・ピアフとか美輪明宏とか越路吹雪とか、やっぱり東京に住んでる人たちは文化税払えって事は昭和の時代から議論のネタだった(笑)。文化税ってのは毎日の生活の中で普通にシャンソンやオペラを聴ける機会があり、そういう文化を楽しめるって事だから税金くらい払えって事だ(笑笑)。
考えて見ればよい、毎年1月になれば地吹雪が舞う東北地方で「あ〜ら、今日は越路吹雪の歌を聴きに行こうかしら」なんて言って外に出たら地吹雪で天地がひっくり返って死ぬぞ。
夏の沖縄を襲う台風の時期になれば自宅を出ることも出来ない。三線で地元民謡を歌うしかない。とにかく地方は地方、田舎なのだ。田舎に自然が沢山あるからってシャンソン聴けないってのは別の話なのだ。
なーんて事を昭和の時代はよく議論したものだったが、週末のAucklandでYoutubeを使って朝から「愛の讃歌」を続けて聴くという贅沢をすると、こりゃもう東京の文化税は半額くらいにしてもいいかなって幸せな気持ちになる。
パソコンとインターネットの進化は世界をどんどん狭く小さく便利にしていく。そしてそれは南半球の小島であるニュージーランドでも確実に影響を与えている。
てか人口450万人と少なくこのうち300万人近くは日本の本土並の広さの土地に散らばって住んでおり、そこには北半球のロンドンでオペラを観たりニューヨークのブロードウェイでショーを楽しむという「ちょっとした贅沢」としての文化がなかった。何せ普通に裸足で道を歩き牧場で羊の世話をしている若者からすれば仕事が終わって牧場から自宅にけえる途中のパブで友達と会ってビール飲みながら馬鹿話をするくらいだった。又は自宅の農家の納屋を改造して当時流行ってた音楽をコピーして音を最大限にして歌うくらいだ。
1970年代はニュージーランドの歌番組が盛んだった。当時唯一の娯楽がテレビだったのだ。キーウィがバーに行くと話出来ないくらいの大音量で音楽をかけているのは当時の名残なのだろう。
ロッド・スチュワートがレイチェル・ハンター(モデル。元奥さん)の里帰りに合わせてAucklandや田舎のバーで飛び込みギター弾いたりしたものの、それは当然ビジネスとしては成立しない。
僕は以前ある案件で北半球の人気グループをAucklandで演奏させたらいくらかかるかって計算した事があった。その時興行師に最初にきつく言われたのが「絶対に利益は出ない。間違いなく損をする。その積りでいてね。どこかスポンサーがいるの?」と最初にはっきり言われた。
北半球であれば世界一周ツアーをぎっしり詰め込んで飛行機チャーターして要領よく回れば利益が出る。羽田からソウル金浦空港まで約2時間、北京や上海までも4時間程度で回れる。
しかし南半球の小島にアジアから移動するだけで飛行機で10時間かかる。機材などを移動させるだけで大変な費用がかかる。なのでAucklandにも時々古いけど有名歌手なんかが来るってのは殆どが観光目的、コンサートは同じ白人に「時々は本物の音楽聴きたいだろう」って感覚だ。けど気にするな、その分アジアでしこたま稼いできたから(笑)。
だから南半球では北半球のような文化を享受することが出来なかった。しかし現在様々な媒体の発達で南半球の小島で日曜日に遠くに海を見つつソファにレイドバックしてレイドバックを聴けるのは、良い時代に生まれたと言って良い。