2015年09月29日

士業とお馬鹿

月曜日は朝10時から一件と11時から会計事務所で決算に関する打合せ。この事務所はもう20年近い付き合いである。顧客層の変化に合わせて会計事務所を増やしては来たが当社の始まりはここであり当社グループ企業は今もこの事務所にお願いしている。

 

今回は税金の二重取りがテーマで一つの投資ファンドが配当する時にRWT33%をIRDに支払うのだが、では配当を受け取ったお客様が確定申告する際に再度RWT33%を支払うのか?

 

勿論これは本来TaxCreditで相殺されるわけで逆に言えばタックスクレジットを使わなかったら66%が取られることになる。

 

ところが今回は投資先の会計事務所であるDeloitteとやり取りしていたらLTCの配当を二つに分けて処理している。これって、これでいいんか?ということで会計事務所で相談だ。

 

それにしてもどこの国もそうであるが税制はややこしい。おまけに毎年ルールが変わるからプロでない僕等は税制に関する基本的知識だけ持っておき何かあれば昨日のように会計事務所に行って毎回処理方法を検討することになる。

 

弁護士でもそうだが六法全書を丸暗記している弁護士は少ないだろう。多くの弁護士は法の基本だけ理解した上で目の前の案件を読み込み関連する法律がどことどこにあるかを見つけ出す。要するに自分の中に法律の試金石があるからこの場合はこうなると読める。

 

これは税理士も同様であり税務の原則をしっかりと理解した上で「ここはこうなるはずだ」と必要な細則を書いたガイドブックを引っ張りだして条項の解釈をするのだ。そこで初めて処理方法が決まる。

 

僕らからすれば税法の基本知識はあっても細部が分からない。何で相手側の会計士がこんな事言うのか分からない。けどこういう時は長年の経験で分かっているのはキーウィに質問しても相手はこちらの質問の意味を理解出来ないって事だ。

 

彼らはキーウィ社会での暗黙知を前提に話を進めるから自分たちもそこに暗黙知があるって事が理解出来ない。日本人の「言わなくても分かるでしょ」の世界である。けどそこ、国際税務やるなら知っておかないといけない分野なのだけど両方共島国だもんな。

 

例えば僕が彼の書いたメールを読む。単語は全部読めるが、これを一つの文章にした時にYESなのかNOなのか分からない。そこで、、、〜ちょっと説明が難しいな、簡単に言うと8名で中華料理レストランに行き定食を頼んで途中に出てきた魚を見て「おー、随分立派だ、何ていう魚だろう?」と思って「コレ何?」って聴くと中国人ウエイトレスは素っ気なく「さかな」って言うようなものだ。

 

けどこっちはそれではビジネスにならない。なので全体の案件を概要にして会計士に僕の解釈を説明して僕の理解の原則を「二重課税防止」と説明すると彼はDelottesとはまた違った解釈をしてくれる。

 

てか結局よくよく聴いたらどっちの会計士も二重課税防止は理解しており、ただDeloittes側は僕が何が理解出来ないかを理解出来ないから説明出来ないのだ。何故なら僕が理解できない分野は彼からすれば「言わなくても分かるだろ」の分野に入り込んでいるのだ。

 

けどお前ら士業だろ、さ行じゃないだろ、高いかね払ってるんだから少しは自分の説明に端折ってる部分があるってのに気付こうよッて感じ。

 

そんなこんなで午前中を終わらせて何と午後はスーパーお馬鹿なお笑い大会!

 

何故なら当社スタッフには非常に独特の感性をもった人が多く業務経験も豊かなのでそれぞれに顧客対応の時の「自分なりのやり方」を貫くのだけど時にはそれが周囲をポッカ〜んとさせて、大爆笑を誘うからだ。

 

「えー!それやったのー!」と聴いた他のスタッフがすかさず即興で替え歌を作って歌い出したらそれが見事ツボにはまり全員が大喜び。歌われてる本人も「あ、そっか、周囲からはこう見えるんだな」なんて事をいまさらながらの自覚でそれまた面白い。30分くらい仕事の手を止めてずーっと皆で笑い転げてた。うちもキーウィ化し始めてるか?(苦笑)。

 

忙中笑ありの昨日でした(笑)。



tom_eastwind at 17:55│Comments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

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