2015年11月15日

郷に入れば郷に従え

ちょうど一週間前の話だ。Aucklandに戻った翌日の日曜日は気温20度晴天いわゆるピーカン、こういう時にAucklandに旅行に来られた方には最高の景色である。

 

明日から仕事という事で出張の間中ガレージに置いてあった1997年製デカボロ車を引っ張りだし洗車場に持っていく。そこで事件は起こった。

 

洗車場はセルフが7台、自動が1台である。ここの入り口は一箇所しかなくすべての洗車場所が一杯だったのでぼくは入り口の右側に駐めてどこかが開くのを待っていた。左側を開けているのは出て行く車のためである。

 

すると開いている左側から急な勢いでアジア系ばカップルが運転する一台のBMWが入ってきてそのままたった今洗車が終わって出ようとしてた場所に向かう。

 

僕は頭に来たのでその場でギアを入れて車を発車させてクラクションを鳴らしながらBMWと洗車機の間に頭を突っ込み相手の車が動けないようにしてから降りて相手の車のボンネットを平手でバンバン叩きながら運転手席に回りこんだ。

 

ぼやっとした顔の運転手に向って「俺が並んでたんだぞ!」と怒鳴りつける。すると親にも怒られたことのないような凡庸な顔の(この時点で英語の発音で中国人と特定)男がしどろもどろに何か言い出す。

 

「え?何言ってんだ、聞こえねーぞ!」とたたみつけてボンネット叩きながら大声で怒鳴る。僕は体は細いが声は大きい。すると助手席に座ってた若い女の子が可愛い顔してしっかり反論してくる(自分の彼氏が頼りないと知っている時の女性は強い)。

 

「あなたの車の後ろに付いてたら私達の車は車道になるから危ないでしょ!」

「だったらクラクション鳴らすとか先に入ってこっちの注意を促すとかいくらでも方法はあっただろうが!」

 

周囲に段々人が集まってきているので彼らもなかなか引けなくなったようだ。今度は「お前の車が大きいからダメなんだー」とBMW5シリーズに乗りつつ言う。このへんになると喧嘩慣れしている僕のほうの独壇場となる。

 

相手を感情的にさせていろんな言質を取った上で「あんたさっきこう言ったよね、てーことは僕が貴方の車の前で並んでた事はすでに認めてるわけだ。ではそれを無視して追い抜いた理由を説明して下さい」大声で、周囲に聴こえるように、しかし冷静に怒鳴る。

 

すると最後は悔しそうな顔をしたカップルが「じゃあいいよ、お前が先に行け」と白旗降参。ここが駆け引きの最後だ。ごめんなさいを言わせたら相手を追い込みすぎて感情論になってしまい実力行使、つまりほんとの殴り合いの喧嘩になる可能性がある。

だからここでは「ごめんなさい」ではなく「お前が先に行け」で充分なのだ。中国人はメンツを大事にする。後は自宅に帰って自己反省してくれれば良い、この街は中国ではないのだと(笑)。

 

僕はもう一度周囲に聴こえるように大きな声で男に向って”Of course, ”そして”THANKS !”聴いてる皆が笑ってた。

 

彼らからしたら晴天の日曜のAucklandの洗車場で彼女と楽しくしゃべってる時にいきなりハゲオヤジがボンネットをバンバン叩きながらやってきて怒鳴られてびっくりしただろう。

 

けどこうやって言い負かされてこの国では追い抜きなどの中国ルールが通用しないことを肌で感じてもらい、早いうちにキーウィルールを理解してもらうことだ。

 

その後僕は自分の車を洗い大きなタオルで水気を拭き取ってると洗車場のお兄ちゃんがやって来た。ここにキーウィのにーちゃんとアジア系のニーチャンを置いてるのは「使い分け」なのであろう。

 

「何だかさっき言い合いしてたようだけど?」見てて知ってるくせに白々しいやつだ(笑)。

「なんでもないよ、ぼくが並んでいるのを追い越したから注意しただけだ。彼は僕が並んでいるのを知っていた、なのに追い抜いた。僕が嫌いなのはこういう自分勝手で不公平な行為なんだよ」

 

ぼくが怒っている時は何故か状況に適正な英語が出てくるのは不思議なものだ。

彼は僕の話に納得したようで「良い週末を」と言い残して仲間のところに戻っていった。

 

その後カップルが洗車場で「あんた、何て弱っちいのよ!」と喧嘩したかどうかは知らない(笑)。

僕はこれを人種差別に繋がるような白人対アジア人の図式にしたくない。あくまでもアジア人の事はアジア人で片付ける、そういう姿勢を見せることで受け入れてくれた国に対する感謝と敬意を払うべきだと思っているからだ。 
例え中国人と言っても郷に入れば郷に従えである。

 

ぼくは綺麗になった車を洗車場から出して自宅に戻りAucklandの青い空を見ながら日本に持参したカッスラーの「ステルス潜水艦を奪還せよ」の続きを読む。



tom_eastwind at 16:52│Comments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

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