2015年12月02日

大道芸人

夏に近づくとクイーンストリートを舞台に大道芸人が増えてくる。

 

この街の大道芸人は3種類ある。

 

1つ目はずっと地元でほぼ同じ時間帯に同じ場所でギターを弾いたり(CD出してるくらいうまい)バンジョー弾いたり(下手ではないが、見ててちょっと胸が痛い)パントマイムしたりする人々だがいつも同じ芸なのでそのうち飽きる。

 

2つ目はAucklandが夏場になると北半球からやって来る大道芸人で、これはかなり楽しい。欧州で鍛えた芸である。あまり見ないので飽きない。

 

3つ目は昨日に引き続きであるが、汚い服装にもじゃもじゃひげで壊れたギターを音を外してじゃんじゃんやってる連中とか大音響で下手なダンス踊っているのとか、これはもう限りなく目に痛い、どうしようもない。

 

これ以外に寄付行為としてガン患者への支援とかこども病院への支援とかがある。ただこの整然とした寄付行為とマクドナルドの入り口の道端で横たわって空き缶をふる乞食はどちらも寄付行為であると言える。

 

大道芸人と寄付金、どちらも今ではクイーンストリートを賑やかにしている。

 

そしてこれからの季節は毎年同様北半球から豪華客船のやって来る時期でもある。クイーンストリートを60代のカップル、男性が短パンにポロシャツ、女性が夏向けの爽やかなドレスを着てれば、ほぼ客船が到着したと分かる。

 

20年もこの街を見ているとその変化する部分と変化しない部分を観ることが出来る。変化している部分、それは人口が増加して旅行業が成長している事だ。

 

特に今年はホテルの業績も良く旅行業全体が盛り上がりを見せている。現在のニュージーランドの主な収入は農業、観光、教育であるが、観光と教育は1980年代以降に発展したものであり教育とは外国からの留学生受け入れである。

 

この国の農業は1900年代初頭から伝統的に強く食料自給率は食品によって違うが平均すれば300%だ。つまり10個のキーウィフルーツを作れば3個を国内で食べて7個を外国に送って外貨収入を得ていたのだ。

 

しかし1970年代の国際情勢の変化で農業は大きな被害を受けた。外国に売れなくなったのだ。その挙句日本のような加工貿易ビジネスにシフトしようとしたがこれが大失敗。Think Big Projectである。

 

そこでNZは新たに留学と旅行を取り入れて成功した。ニュージーランドの景気、特にプライマリーバランスが1994年から経常黒字を出すようになった。

 

特に旅行業は本格的に外国人受け入れを開始した1980年代は立ち上がりは大変であった。すべては手探り、特に日本の旅行客の行動が理解出来ない。

 

何故バスタブ(浴槽)の横のトイレ部分がびしょ濡れなのか?何故一つ一つ特徴のあるお土産が売れないのか?何故何故の連続だった頃、僕はクイーンズタウンにいた。そこで様々な問題解決をして来た。

 

4年間をクイーンズタウンで過ごし香港でも旅行業で働きAucklandでも旅行業や留学ビジネス(英語学校を数年経営していたり日本の留学会社の現地オフィスを運営したり)なので、ニュージーランドの主要産業二つの動きはよく分かる。

 

僕が唯一駄目なのが農業である。これは何度もトライしたが全滅。魚、羊肉、日本の魚の個人輸入販売、すべてダメ。どうも僕は農業に縁がないようだ(苦笑)。

 

変化するニュージーランドであるが観光資源が大事と分かっているから観光の資源は変化させない。しかし受け入れ体制は積極的に変化させる。おかげでAucklandは発展した。

 

変化すべき部分と変化してはいけない部分、キーウィのキーパーソンはこのあたりを良く理解していると思う。

 

大道芸人は街で賑やかに騒ぐ。客船は到着する。農業は成長する。旅行業も留学産業も成長する。この街は北半球の騒動から逃れて平和である。考えてみれば、平和だからこそ大道芸人も客船も農業も旅行業も留学産業も食っていけるのだ。



tom_eastwind at 22:05│Comments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

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