2015年12月03日

キーウィカーテン

今日はランドバンキングのボードミーティング。10時ちょうどに弁護士事務所に行くと会議室が満室で(ここも忙しい事務所だ)ウェリントンから来たメンバーを入れて合計4人で近くのカフェに行く。

 

このカフェは弁護士事務所の事務所外会議室でもあり弁護士のサイン1つで何でも注文出来る。請求はすべて後日事務所が払う。そこで僕が「お、そっか、じゃこの店で一番高いもの下さい!」と冗談をいうことから会議は始まった。

 

最初に現場のプロジェクトマネージャー担当である投資会社の取締役より各案件の現状進行報告がある。

 

グレンフィールド案件約13件はほぼ終了、半分くらいの案件は早ければクリスマス前には市場に出して来年1月から2月を目処に売却する。残りも来年前半で処理してこの案件は会計監査法人のデロイツが最終的に6月までに会計報告書を作成して終了。

 

政府案件は現在はAuckland南部のマクレナン開発に取り掛かっている。マクレナンは政府開発物件の1つであり最終的には600戸の住宅がAuckland市民に適正価格で提供される。第一期のオークションで50戸が出されて当社が8戸を押さえることが出来た。

 

この開発はキーウィによるキーウィの為の案件でありデベロッパーは土地勘のある地元民に限り日頃から政府ハウジングNZと強い繋がりを持っている組織しか入れない。

 

ここに例えば中国人デベロッパーが大金もって来て「俺にもやらせろ」と言っても何だかんだと理由を付けて無視するのがキーウィのやり方だ。

 

このあたりキーウィは自分の利権には他所者には手を出させないところがある。中国人がデベロッパーに参加することを禁止する法律はないが実態として立ち入らせないのである。

 

ちょっと話はそれるが、昨日書いたが僕が漁業関連のビジネスでいろいろやったけど、最初は皆興味を持ってくれるけど時間だけ経っていつの間にか無視されて、結局撤退したのもまさに「これ」である。

 

「キーウィカーテン」とでも言うか、とにかく彼らは最初から撃墜モードでは対応せずに、あくまでも「話聴いてるよ、あ、そうなの、じゃあ3ヶ月後に担当者が旅行から帰ってくるからその時に話を聴くよ」となる。他に担当者いないのか、というと「居ない」である。

 

そして3ヶ月経過して連絡を取ると「あ、その担当者ね、もう辞めたよ」となる。また最初から説明をすると「そーかそーか、ならばうちの担当ではないね、どこそこに連絡をして下さい」そしてどこそこに連絡をするとまた同じことの繰り返しである。どこそこやってるうちに時間だけが過ぎて相手が諦めるのを待つ(笑)。

 

とにかく美味しい話は身内だけで回すのだ。このような案件は最初から公開市場に出て来ない。そして他所者が入ってこようとするとソフトにお断りするのがキーウィカーテンなのだろう。

 

僕が今回の案件に最初に関わったのは2年半くらい前で、その時は弁護士の紹介でこの取締役を紹介されたのだが、彼は最初は口調は柔らかいけど何一つ具体的な話をしてこない。非常に慎重なのだ。

 

それでも間に弁護士を入れて「ねえキーウィさん、僕が害獣に見えますか?善い人ですよ」と言いつつうちが出来ることを説明して彼らのスキームを確認してビザに繋げる適格投資であることを弁護士と確認して投資先も現場を見て間違いないことを確認して話を繋ぐことで今日に繋ぐことが出来た。

 

要するに地元キーウィ主導でやってもらう、これが地元でうまくいく秘訣だ。うちはバックサポートするよ、だけどこっちの条件は最初にきちっと伝える、これだけは守ってね。

 

ここが出来ていれば彼らは約束は守る。この点英国系ビジネスマンである”My Word is my Bond”(私の言葉が私の保証)がよく守られている。

 

彼らは何よりもNZの法律をよく理解しており財務省登録や金融サービス登録などはさくっと通る。

 

何故ならそこはさすがに地元キーウィビジネスマンである、子供の頃から両親に「やって良いこと悪いいこと」を教えこまれており社会に出ればコンプライアンス遵守は当然のように守るからだ。ここが彼らと仕事をしていて一番気持ちの良い部分である。


なのでそれは政府側も同様で書類提出や審査でも地元キーウィの方が圧倒的に強い。どんな書類でも「あ、これはキーウィ仲間が書いたな」と分かればするりと通る。嘘がないと分かっているからだ。

 

これが外国からやって来たわけの分からん書類であればキーウィカーテンにそっと包まれくるまれいつの間にかドブ川に流されている。

 

そして今回政府住宅供給公社から「来年もオークションやるので参加よろしく」と連絡があったとの事。

 

これから5年間は政府物件を安定して開発することが出来る。この国は法治国家でありながら地元の利権については非常に敏感であり随意契約の部分がある。まるで昭和の日本(笑)?

 

カフェで約2時間、相手側取締役二人と弁護士と僕とで細部を詰めて、よっしゃ今年はランドバンキング案件は大体終了だ。後は年明けにしよう。

 

面白かったのは、今回初めて参加したすんごい頭の良い初老の取締役、左利きなのだが皆がA4便箋を広げてそれぞれに文字でメモする中、彼は自分の便箋に数字を細かく揃えて書き込んでからその横にちっちゃな絵を描いている。

 

左利きの彼の頭の中では絵と数字がぐるぐると回ってるんだろうな、思わず個人的に彼の便箋を見つめてしまった(笑)

tom_eastwind at 11:53│Comments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

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