2015年12月17日

兵士と背嚢

数年前にAucklandで日本から来たスーツ姿のビジネスマンがリュックサックを背負って移動しているのを見てびっくりした記憶がある。あり得んだろ?!

 

それが何と日本政府から派遣された20代の職員というのは後で分かった事だが、最近日本本土でも時々リュック背負って歩くスーツ姿が増えて「何じゃこりゃ?」である。

 

スーツは本来平時に着るビジネス戦闘服であり西洋で流行してから世界に広がり、様々な作りが発明?されて、その次代や場所を感じさせる服になっている。

 

そして現在のビジネス社会ではスーツはTPOで使い分けている。 Time, Place, Occasion 時・所・機会。これはスーツを着て相手に会うことでスーツを通して「私は分かってますよ」とこちらの気持ちを伝えるためである。

 

スーツは自分が着飾るものではなくこれから会う相手に失礼がないようにするための戦闘服である。

 

そのスーツにシワを寄せるようなリュックを背負ってるビジネスマンとの取引はちょっと想像がつかない。

 

だから両手が使えてリュックが便利というなら最初からスーツを脱いでポケットの一杯付いた作業着を着てリュックを背負えば良いわけで、スーツを着ながらリュックを背負うというのは吉野家に行ってとんこつラーメンを注文するようなもので、ビジネス社会ではあり得ない選択であったのだ。

 

ところが現在の日本。これからの社会ではスーツにリュックが「あり」になるのだろうか?

 

リュックザックは元々ドイツ語で背嚢という意味だ。背中の物入れ、欧州の戦場ではすべてのドイツ兵隊が頑丈な戦闘服の上にこの背嚢を背負って戦った。

 

背嚢の中には食料、毛布、スコップ、水、薬、着替えなど屋外戦闘に必要な道具が積み込まれており、時には重さ30kgにもなる。戦闘状態であるから両手を空けて小銃を支える必要もある。その意味で背嚢は必須の道具であった。

 

そっか、もうそこまで行きますか、相手にどう思われようと構わない、自分が戦闘で生き残るのが大事なのだとなれば、だったらスーツの本来の意味なんてどうでも良いわけでスーツ本来の議論は無意味だ。

 

日本の企業戦士はこれからスーツの肩に重い書類を入れた背嚢を担いでおいっちにーおいっちにーとシティという戦場を走り回るようになるのだろうか。



tom_eastwind at 16:13│Comments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

トラックバックURL

この記事にコメントする

名前:
URL:
  情報を記憶: 評価: 顔