2015年12月21日
パチンコ。
元経産省官僚の宇佐美典也氏がパチンコ不正事件について記事を書いている。
http://blogos.com/article/150925/forum/#top
僕自身の立場を書いておくと、僕は日本に住んでた頃からパチンコには一切興味がなく競馬競艇などにも興味がなかった。
だって普通に考えれば分かるわけで相手が場所と台を用意して遊ばせてそれで全員が毎回勝って帰れるはずがない。でないとパチンコ屋は倒産する。
確率的に必ず負け組が出てくるわけでそれがあまりパチンコの練習をする機会のない一般のサラリーマンに狙い撃ちは当然であり、ゴト師のように常勝する連中が出てくると警察が出てきてお縄。
要するに「じゃあ今からコイントスをやる。表が出れば俺の勝ち、裏が出ればお前の負け」であり常にパチンコ屋が勝つようになっている。
統計的に絶対負けると分かっていてジャンジャン音楽パチンコじゃらじゃら音、おまけに狭苦しい椅子に座ってパチンコに参加するって、反対側(パチンコ屋)から見れば嬉しい状態だろう、四角い箱に顔を突っ込んだ参加者は皆ブロイラーに見えるであろう(笑)。
Aucklandのスカイシティカジノは健全に発展しているように見えるが基本的にギャンブルであり参加者の一部はすでに“やめられない止まらない”カルビーのかっぱえびせん状態になっている。
さてここから先面白いのは宇佐美氏の記事に対するコメントである。宇佐美氏、せっかくフォルクスワーゲン問題引っ張りだして「メーカーが悪い!」とか言ってるけどパチンコの世界は昔から警察とメーカーとパチンコ屋のどろどろの世界である。
何を警察が被害者みたいな書き方が出来るかと思ってたらコメント欄でも「赤面します」と書いてあった(笑)。
パチンコ問題を考えるならまずこれが民間に認可されていない賭博であることを明確に理解すべきだ。
お客はまず金払って玉買ってホールで遊んでうまく玉が増えれば受付で「現棒」みたいなのをもらって景品引換所に持ってって現金に換えるわけで、グレイゾーンなどと言ってるが実態は日本国民が普通に理解しているように政府認可の民間博打だ。
戦前は旦那衆がヤクザの開帳する賭場に行き「細かいことはいいからさ、ちょっと遊ばせてよ」とやってた。ヤクザが壺振って「入ります!」戦前の農民は現金がないので賭場で賭けなんてあり得ない、あくまでごく一部の人々を対象としたビジネスだったので取り締まりも厳しくなかった。
戦後は農民が都会に出てきてサラリーマンになり毎月現金を受け取るようになった。こうなると元農民も博打をしたくなる、そんな人々に安いお金で賑やかに楽しめて、勝ったらお金が返ってくる!仕組みを作ったのがパチンコや麻雀
である。
政府としては博打はすべて自分の利益としたい。だから笹川良一が出てきて競艇とか公営博打を設営して「政府管理の博打はOK,民間は駄目よ」とやった。
パチンコ屋はその後が上手だ。警察や政府や税務署に取り込み政府黙認民間賭博を開業、ところがマージャン屋は上部団体がないためにいつも取り締まりの対象となった。
誰もが賭博と認識していながらもそこに動く利権がデカイ。だから警察もヤクザもパチンコ屋も皆が裏で繋がって「楽しいこと」をしているわけだ。
大手のパチンコ屋であれば税務署上がりの税理士を「お抱え」するのは当然であり防犯対策で警察OBも雇う。警察からしたら県警の中堅ノンキャリアOBの送り込み先としても有難い。こうやって時代に乗ったパチンコ屋は日本中の津津浦浦に広がった。
しかし時代は変わりパチンコ人口は減少、大手は資金力があるので次々と新台を投入して客を集めるが地方の小さなパチンコ屋はやっていけない。
その結果としてパチンコ業界も寡占化が進み、大手はますます元気になり警察の保護のもと「健全化」を図り同時に税務署にも「青色申告」で黙認してもらい三方一両得である(苦笑)。
そんな中で出てきた今回の釘問題。お互いになあなあでやって来たのに下手をすれば東芝並みの問題になるかもしれない。一体誰がちくったんだ、やばい、もみ消せというので様々な組織がメディアや関連団体調節に動いているのだろう。
ただ、何よりもパチンコは政府公認の民間賭博であるという明確な事実から話を進めないと小手先の「調整」では何も変わらない。
政府もいい加減に民営賭博を認めて、公営賭博が次々と破綻している現状を見直す時期に来ていると思う。